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ホットな水道の情報(H21.10以降)



本文は、日本水道新聞の記事をもとに、同社の承諾を受けて、一部を掲載・引用しています。
同社の連絡先は、日本水道新聞(03-3264-6721)




  • 水道界の動き

  • 第78回日水協堺総会が終了し閉幕(11/19日本水道新聞)
      11月11日から3日間、大阪・堺市で開かれた日本水道協会の第78回総会が全ての日程を終了し閉幕した。初日はあいにくの悪天候で、併催した水道展の会場では、ぬかるみに足を取られ来場者は苦戦を強いられたが、金岡公園体育館での総会では、表彰式のほか、決算・予算などの議案を慎重に審議し、すべて了承した。会員提出問題では、国の意見発表がなかったため例年より早く終わったが、全問題陳情するとの動議が出された。堺の歴史や文化を紹介する記念講演会も行われ、2日目午後には、「公民連携」をテーマとしたシンポジウムに多くの水道人が耳を傾けた。
     閉会式では次期総会開催地に決まった松山市の渡邊。公営企業管理者が挨拶し、松山市の地理や歴史・文化を紹介した。「今年、市制120年を迎えた松山市を舞台に、司馬遼太郎の『坂の上の雲』のテレビドラマがこれから3年間放送される」とアピール。水道事情にも触れ「地下水に恵まれていたことなどから、水道創設は県庁所在地では最も遅い昭和28年。給水人口は2万8000人から始まり、4次の拡張工事を経て現在は47万人となったが、毎年水不足に悩まされ、厳しい事業運営を行っている」と述べるとともに「四国八十八力所を巡礼するお遍路さんを接待する心で皆さんを待っている。堺総会を見習い、来年の総会開催に全力を尽くす」と想いを語った。

  • 行政刷新会議・水道施設整備事業も仕分け、10〜20%の縮減に(11/17日本水道新聞:臨時増刊)
      政府の行政刷新会議(議長=鳩山・内閣総理大臣)は、11月9日の第2回会議で、根本から歳出の枠組みを刷新することを目的に事業の見直しを行う仕分け対象として447事業を決定、11日からワーキンググループ(WG)による仕分け作業が始まった。厚生労働省の水道施設整備事業も対象となり、12日、東京・新宿区の国立印刷局市ヶ谷センターで第1WGが審議、格差是正や耐震化を進めるために補助は必要と評価されたものの、メリハリをつけた見直しでコスト減を図るよう求め、平成22年度予算概算要求額の10〜20%の縮減と判定された。同会議の仕分け結果がどこまで予算に反映されるのかいまだ不透明だが、逆風は必至。また、14日に行われた地方交付税交付金の議論でも、政策誘導を否定し、抜本的な制度見直しが必要と結論づけており、来年度の事業進捗への影響が懸念される。
     平成22年度の水道施設整備費の概算要求額は、対前度比14.6%減の818億600万円。うち簡易水道等施設整備費や、水道水源開発施設整備費、水道広域化施設整備費、高度浄水施設等整備費はここ5年間軒並み減額で、22年度要求も大幅減額となっている。一方、水道施設の耐震化率を向上させるため、ライフライン機能強化等事業費は漸増、改善は進みつつある。しかし、基幹管路の耐震化率は平成19年度で14.6%と水道ビジョンの目標達成にはほど遠い状況であり、22年度は対前年度比22.7%増の145億600万円を要求している。
     議事では、中尾・大臣官房審議官が事業概要を説明、水道事業の総投資額1兆円のうち補助額は約1割ほどで、補助は高料金化の防止と耐震化の促進に配慮した政策的な視点で実施していると考え方を示した。それに対して、財務省主計局が、簡易水道事業は水道の普及が進んだことから縮減を図るべき、高度浄水施設等整備は東京都や大阪市など富裕団体が高品質のおいしい水を提供するための事業だとして圧縮すべき、水道水源開発施設整備は水需要予測の精査で圧縮すべき、ライフライン機能強化等事業の重要性は理解できるが、平成21年度の追加補正(71億6100万円)も加味して増額を抑制すべき、などと指摘した。
     その後、仕分け人との質疑が続き、中尾審議官、粕谷・厚生労働省水道課長が説明した。仕分け人からは、簡易水道のような条件の厳しいところや、料金格差の是正、耐震化を進めるために補助を行うことの必要性を認める意見が多数で、地方自治体に財源を移して各自治体に判断を任せるような意見は出されなかった。一方で、補助を行う際の判断基準を明確にするよう追及。全国平均を下回る程度で補助を行うのは安易だとして、あくまで財政調整が主目的ではないかと、判断の妥当性に対して厳しい意見が相次ぎ、予算縮減の方向性で一致した。50%以上とする意見も3名いたが、最終的に10〜20%の縮減とする評価結果がまとめられた。
     とりまとめを担当した津川祥吾衆議院議員は、今回の判定で政府の政策を決定したわけではなく、最終的に同会議の議論を経て総理が決断することになると述べ、水道施設整備費について「料金が平均より高ければ、全部に補助を出すことが本当にいいのか。特に(料金が)高いところ、緊急性の高いところに出すというのが、国費を使うという意味で国民が納得しやすいのではないかという話だ」と現制度への疑問を指摘する一方、「水道事業はいらないということは一切なかったと思う。必要なことだから。水道事業の補助金を切ってしまえという話がなかったのは間違いない」と明言した。
    <枝野幸男衆議院議員の話> 事業の必要性、重要性というのは当然の前提としながら、その上で事業目的のために、効果的なお金の使い方かどうかを議論することが重要だ。だが、いかにこの事業が重要かということばかりアピールされるので、議論がかみあわないことがあり残念だ。その事業が重要であり、かつその目的を達成するために効果的な手法であること、国民に「なるほど、この事業のためにこういう予算の使い方をするのはもっともだ」という立証責任は各要求者側にある。予算の本来の姿はそうだと思う。いらない理由を説明しろということではない。必要ならば、国民や仕分け人に証明する責任があるということ。この点の認識が残念ながらまだ十分ではない。
     また、総務省の地方交付税交付金も仕分け対象となり、11月13日の第1WGの審議で、地方財政計画も含めた抜本的な制度見直しを行う必要があると判定した。インフラ整備への裏負担をはじめ、政策誘導はすべきではないとの意見が相次ぎ、WGの評価結果が今後どう反映されるのか注目される。平成22年度の概算要求額は、15兆7773億円+事項要求(約1兆1000万円)。主計局側は、地方財政計画の計画額と決算額の乖離を是正するよう、給与関係経費や一般行政経費、投資的経費の削減や特別加算の是正など具体的な見直し項目を指摘している。
     議事では、要求額の妥当性よりも交付金制度そのもののあり方を巡って議論が白熱、質疑時間もオーバーした。特に地方財政計画について、積み上げ手法や複雑な算定法は客観性に欠けるとの疑問が多く寄せられ、「全体額は十分で、配分に問題があるのではないか」「事業を行わなければ交付されないわけで、行革努力が反映できるように変えるべき」などと、抜本的な制度見直しが必要との意見が大勢を占めた。とりまとめでも、インフラ整備への裏負担は全面撤廃すべきとの意見が出ている。
     WGに出席した渡辺・総務副大臣は「現制度の中で自由に使える貴重な財源。正鵠を得た指摘もあり、今後もきめ細かく対応していきたいが、一括交付金制度ができるまでの間、現状を理解してほしい」と訴えた。最終的に18人の仕分け人全員が見直しを行うと判定、うち6人が地方財政計画の規模圧縮を指摘した。下水道事業は地方自治体に財源を移すとの判定が出た一方で、交付金の議論ではインフラ整備への裏負担が否定されており、どう整合するのか不透明だ。

  • 行政刷新会議・水道施設整備事業が仕分け対象に(11/12日本水道新聞)
      政府の行政刷新会議が11月9日に決めた「事業仕分け」の対象447事業に、厚労省の水道施設整備事業も含まれた。11日からWGが作業を開始、同事業の仕分けは12日15時45分〜16時40分に第1WGで行われる。同じく対象となった国交省の下水道事業は11日の審議で、国から自治体に財源を移し各自治体の判断に任せると判定した。

  • 日水協堺総会が開幕(11/12日本水道新聞)
      日本水道協会の第78回総会が11月11日、大阪・堺市の金岡公園体育館で始まった。全国の水道関係者約1700人が参加し、水道界最大の議決の場として重要案件を審議する。平成20年度決算・22年度予算、会務報告などのほか、14題の会員提出問題を討議。初日は補助関係、災害対策関係、起債・繰出関係、水源関係、水質関係10題を、2日目はその他の4題を各地方支部の代表が提案理由などを説明し、動議を発する。民主党政権下の今総会では、国の行政としての発言に制約があるため関係各省の意見発表はなく、例年とは趣が異なるが、会員提出問題は全て水道事業にとって重要かつ緊急を要する課題であることは変わらない。実りある討議に期待したい。2日目には開催地・堺についての講演会、「公民連携の新たな展開」をテーマとしたシンポジウムも開かれる。
    開会式に続いて表彰式が行われ、85人の厚生労働大臣表彰受章者を代表して鎌田・愛知県企業庁技術監が、1,055人の日水協会長表彰受章者を代表して江郷・元広島市水道事業管理者が謝辞を述べた。会議では澤野・堺市上下水道事業管理者を議長に、会務報告、常設調査委員長報告、役員改選、20年度会計決算、22年度会計予算等を審議・了承したのち、10題の会員提出問題を討議し、初日の会議を終えた。なお、2日目の会員提出問榎の最後には日本水道工業団体連合会から緊急動議が出される予定。

  • 日水協常任理事会・次期総会開催地を松山市に内定(11/12日本水道新聞)
      第78回総会前日の11月10日、日本水道協会は堺市のリーガロイヤルホテル堺で第176回常任理事会を開いた。総会の運営時間割案や総会議案等の審議取扱いなどについて原案通り了承したほか、中国四国地方支部から推薦のあった松山市を次期総会開催地とす各ことを決めた。
     冒頭、澤野・堺市上下水道事業管理者が挨拶。堺市での総会開催を歓迎するとともに堺市の水道を紹介した。「明治43年に全国18番目の近代水道として給水開始してから来年4月で100周年を迎える。現在では給水人口84万8000人、1日平均給水量27万9000立方mとなった。今総会はあいにくの雨模様となったが、堺の歴史や文化にも触れていただきたく企画し、千利休が完成した茶道のわびさびの心にも触れていただきたい。総会では全国の水道事業体の連携を深め、直面する諸課題の解決に向けた活発な討議に期待する」と述べた。
     御園・日水協専務理事も挨拶し、「いよいよ明日、日水協の重要かつ最大の行事が始まる。重要案件解決の糸口が一つでも見つけられるよう、活発な審議と円滑な運営を期したい」と意欲を示した。協会事務局から、運営時間割については厚生労働省以外の中央省庁からの出席がないこと、会員提出問題の陳情については会長に一任するが、民主党では陳情について党本部で一括して受け付けることになっていることが説明された。次期総会開催堰lに内定した松山市の渡邊・公営企業管理者が挨拶し、「大変名誉なこと。心引き締まる思い。期待に謡えるよう総力挙げて努めていく」と喜びを語った。

  • 厚労省・20年度立入検査結果を公表、基幹管路の耐震化調査結果も公表(11/5日本水道新聞)
      厚生労働省は10月28日、平成20年度の立入検査の結果を公表した。同日開催した水道技術管理者研修で明らかにしたもので、延べ42件の文書指摘、延べ675件の口頭指摘があった。今回、初めて文書指摘を受けた事業体名を公表、今後の事業運営上の遵守・留意事項の再認識を促した。また、基幹管路の耐震化率の速報値も報告され、耐震適合性のある管の割合が平成20年度見込みの全国平均で28.1%に達したことがわかった。
     立入検査は、水道法第39条第1項に基づいて平成13年度から開始。これまで毎年、大臣認可水道事業体を対象に実施してきた。20年度は新規に大臣認可を受けた事業体や洞爺湖サミット関連などの58事業体を対象に実施した。その結果、大臣名による文書指摘で指導を受けた件数は延べ42件、口頭指摘で指導を受けた件数は675件に上った。口頭指摘は非公式文書が出される程度の軽微なもので、助言などの措置もあった。
     文書指摘の指摘事項別割合は、水質検査に関することが40.5%と最も高く、次いで水道技術管理者や布設工事監督者などの資格に関することが35.7%を占めた。一方、口頭指摘の割合では、危機管理対策に関することが36.3%、水道施設管理に関することが27.1%、認可、各種届出、給水開始前検査など認可等に関することが10.2%と続いている。1事業体あたりの平均指摘数を給水人口別に見ると、5〜10万人未満では文書指摘が0.7件、口頭指摘が13.3件、10〜25万人未満では文書が1.3件、口頭が11.4件、25万人以上では口頭のみ7.6件となった。また、用水供給事業では文書が0.5件、口頭が6.3件となった。
     文書指摘の主な具体例では、▽布設工事で資格要件を満たしていない者が監督していた▽定期の水質検査の検査回数が適切に行われていなかった▽浄水場勤務の職員の一部に対して健康診断を実施していなかった▽需要者に対し貯水槽水道の管理に関する情報が提供されていなかった▽原水に耐塩素性病原生物が混入するおそれがあるにも関わらず、これを除去する設備が設けられていなかった−などが挙げられた。厚労省水道課の東・水道計画指導室長は今回の検査結果について、「指摘事項については、適切な対応を求め、外部から見ても良い方向に改善してほしい。しかし、われわれも杓子定規には考えず状況や背景により柔軟に対応していく。立入検査を一つのきっかけとして業務を見直してほしい」と話した。
     なお、今回から文書指摘事項の内容を事業体名とともに公表することになり、厚労省のホームページにも記載される。文書指摘を受けた19事業体は次の通り。▽富里市水道事業▽ふじみ野市水道事業▽安中市水道事業▽大野城市水道事業▽那須塩原市西那須野水道事業▽稲沢市水道事業▽峡北地域広域水道企業団▽宗像市水道事業▽笛吹市水道事業▽阿賀野市水道事業▽常総市水道事業▽筑酉市水道事業▽熊谷市水道事業▽湖北水道企業団上水道事業▽土浦市水道事業▽福知山市上水道事業▽さぬき市水道事業▽大館市水道事業▽加西市上水道事業
     また、平成20年度の基幹管路(導水管、送水管、配水本管)の耐震化に係る状況調査の結果も公表された。昨年の技術的基準省令改正前の定義による「耐震管の割合」は全国平均で16.1%、良質な地盤に布設されているダクタイル鉄管K形やRR継手の塩ビ管を加えた「耐震適合性のある管の割合」は28.1%となった。耐震適合性のある管を最も多く布設しているところは61.5%の神奈川県、最も少ないところは4.5%の山梨県。ただし、調査時点ですでに地盤調査を行って耐震適合性のある管を算定に含めているところと含めていないところなど、対応状況に差があるため、単純な割合の比較はできない。しかし、耐震管と耐震適合性のある管の割合の差が大きいところはすでに地盤調査を実施した結果と見られる。厚労省では今後、調査結果を精査し、改めてより詳細な結果を公表するとしているが、水道事業者に対しては、引き続き耐震化に向けた一層の取組みの強化を求めている。

  • 日水協仕様書検討専門委・工事仕様書の改訂、設計仕様書の作成へ(11/2日本水道新聞)
      日本水道協会は10月13日、第1回標準仕様書検討専門委員会を開くとともに、「土木施設検討部会」「機械・電気・計装設備検討部会」の合同部会を開いた。水道工事標準仕様書の改訂、水道施設設計業務委託標準仕様書の新規作成のため、7月に開催した工務常設調査委員会で設置が決まったもの。今年度と来年度に中間報告を行い、工事仕様書は今年度内に、設計仕様書は平成22年度内の完成を目指す。委員会の設置は23年3月まで。これにより設計や施工方法などの標準仕様が全国的に統一され、事業者にとっては円滑な発注、工事が可能となりそうだ。
     水道工事標準仕様書は昭和45年に初版が発行され、61年に全面改訂、平成8年と16年に一部改訂している。その後、関係法令、日本水道協会規格およびJIS規格の改正や設計図書の規格の統一化などが相次いだことから、標準仕様書の見直しが必要となってきた。一方、先ごろ改訂された水道施設耐震工法指針・解説(2009年版)を踏まえて、施設の耐震化を進める際には耐震診断が必要とされているが、現状では耐震診断を行う上での標準的な業務委託仕様書がなかった。さらに水道施設が更新期を迎え、今後、更新事業や耐震化事業が増加していく中で、これらを円滑に推進するため、設計業務委託での標準的な仕様書も必要となってきた。
     こうしたことから既存の水道工事標準仕様書を改訂するとともに、管路および水道施設の構造物、機械・電気・計装設備の設計に伴う標準的な仕様書を新たに作成することになった。機械・電気・計装設備についてはいまだ全国的な標準仕様書がないため、工事、設計の両仕様書内にそれぞれ新規作成する。なお、管路および水道施設の維持管理業務委託(浄水場等の運転管理業務、機械・電気・計装設備の保守点検業務)については、すでに業務委託積算要領検討委員会を設置し、現在、標準仕様書を作成している。これらにより工事、設計、維持管理の3つの標準仕様書が整備されることとなり、水道事業者にとっては一連の発注業務や工事執行の円滑化が期待できる。
     今回設置した専門委員会では、土木施設検討部会と機械・電気・計装設備検討部会を設け、それぞれ作業を分担する。工事仕様書は「土木工事編」と「設備工事編」に分けて作成し、設計仕様書は土木と設備を合わせて編集、作成する。いずれも新しい技術や最近の知見を盛り込み、工事仕様書の土木工事編では地震時等緊急時における仮配管の施工方法などを、設備工事編では紫外線処理設備、膜ろ過設備、オゾン処理設備に関する事項などを記述する。新規作成となる設計仕様書は@土木、設備共通の「共通編」A埋設管路、水管橋、浄水場・ポンプ場、調整池・配水池、機械・電気・計装設備など施設・設備ごとに分けた「水道施設設計編」B耐震工法指針・解説2009年版を踏まえた簡易診断、詳細診断について記述する「耐震診断編」から構成される。なお、急がれる耐震化を促進するため「耐震診断編」は先行して作成する。

  • IWA-ASPIRE・台北会議が閉幕、2年後は東京開催(10/26日本水道新聞)
      第3回IWA-ASPIREが10月21日、閉幕した。19日午後から21日までには、19テーマ・329編の発表が行われたほか、179編のポスターセッションが行われた。また、会期中には、中国人を対象にした水リサイクルの組織化、水の再利用および海水淡水化に関する中国語によるワークショップが開催され、約200人が参加。ASPIREとワークショップの参加者を合わせると、会場に1000人を超える水関係者が集結した計算になる。うち海外からの参加者は約450人で、日本からは最大の164人が参加している。
     このほか、18日には若手技術者の育成を目的にした「ヤングウォータープロフェッショナルプログラム」や、水道事業の運営を担う関係者が集い、共通課題を議論するIWAのウォーターユーティリティリーダーズフォーラムが開催されるなど、多彩なイベントが催された。日本の学識経験者に意見を求めると、「多様な地域から発表があるため、発表内容はレベルの高低差があり、純粋な学術的議論をする場としての有効性はあまり感じられない」と辛口な評価がある一方で、アジア地域の水関係者が一堂に集結できる情報交換の場があることは極めて重要」として、ASPIREの重要性を異口同音に強調していた。21日の閉会式では、北大の渡辺・特任教授が、日本の水道の現状を紹介。膜などの分野では世界トップレベルの技術とシェアを誇っているなどと示した上で、世界の水問題を解決するべく、チーム水・日本を立ち上げたことなどを話したのち、東京の特徴などをまとめたVTRを上映。また、日本からの参加者がステージに上がり、東京開催へ向けた国内の結束を示すとともに、2年後の参加を強力に要請した。
     過去最大規模の参加者を記録したIWA-ASPIREで、海外からの参加者約450人のうち、164人と最も多い関係者が参加した日本は、発表内容でも高い評価を得た。21日の閉会式後、台北市に圓山大飯店で開かれたガラディナーの席上、ポスターセッションとオーラルセッションのうち学生による報告の中から優秀なものが表彰され、両賞とも日本からの参加者が最も多く選出された。受賞者には、ASPIREのチェアマンを務めたシャン・リエン・ロー(Shang-Lienh Lo)台湾国際大学教授から賞状と記念品が手渡された。内訳は、ポスターセッションアワード(4題)、スチューデントアワード(5題)。

  • 第3回lWA-ASPIREが台湾・台北市で開催(10/22日本水道新聞)
      第3回lWA-ASPIRE(国際水協会アジア・太平洋地域会議)が19〜21日の3日間、台湾・台北市の国際会議場で開かれた。35カ国から約830人を超える上下水道や水環境などの関係者が集結。「アジア・太平洋地域における水の持続的発展に向けて」をメインテーマに、ポスター、口頭合わせ、500編の発表が行われた。参加者数は過去最多。日本からは約100人が参加し約100編を発表、わが国の浄水処理や管路関連の最新の知見を披露するとともに、人材育成や環境対策の取組みなどを紹介した。併催された展示会には7力国・21者が出展。わが国は、ジャパンパビリオンを出展し、日本の優れた製品・技術をPRする一方、2年後に東京で開催される次回会議への参加を呼びかけた。
     19日午前には、開会式と4題の基調講演が行われた。開会式では、シン・シシェン・リャオ中華民国自来水協会会長、蕭萬長・中華民国副総統、デビッド・ガーマンIWA会長が登壇。それぞれ歓迎の言葉を述べた後、ボール・ライターIWA専務理事、ガーマン会長からリャオ会長に盾や記念品などが手渡されるとともに、基調講演のスピーカーや開催事務局の関係者らが一望に会し、会議の成功を誓い合った。リャオ会長は台湾の水道の沿革を紹介。1974年の法改正により、それまで市町村ごとに運営していた水道事業を2つに統合したことなどを話した。蕭副総統は、台湾水道の歴史を紹介しながら、漏水率の解消などの課題を説明。現在、生活環境の改善を重要政策として捉え、8年間で3兆9900億台湾元を費やし、ダムの更生計画の策定、下水道の建設、海水淡水化施設の開発などを進めていく方針を明らかにした。また、「遠方より友来る」と孔子の言葉を引き、参加者への感謝と歓迎の意を表明した。デビッド会長は、「ASPIREは地域の水道をよりよくする革新的な議論をする場であり、今後10年、50年のスパンの中で重要な役割を果たすだろう」と会議の意義を強調した。
     続く基調講演には、イー・シャン清華大学環境科学工学教授、日水協の松井・研修国際部長、マイケル・ホフマンカリフォルニア大学教授、ペン・チー・シャン台湾国立大学教授が登壇。日本の水道関係者が基調講演するのは初めて。イー・シャン教授は、中国の水不足と水質汚濁への対応を紹介。排水基準を厳格化し、下水の再利用を促進。そのために必要な技術として、生物処理や膜処理を挙げ、MBRの実績を説明した。ホフマン教授は、太陽光と酸化チタンなどを用いた光触媒による浄水技術を紹介。チー・シャン教授は、気候変動に適応するためには、統合的水資源管理が必要と強調。その実現に向けた方策として、水の再利用・省エネ技術の促進、地域の水源の相互利用の推進などを挙げた。
     松井部長は、都合によりASPIRE参加を見送った御園・日水協専務理事に代わり基調講演を行った。テーマは「日本水道の目指す方向」。日本の水道の現状と課題を紹介し、その解決に向けた具体的行動として、水道の安全保障に関する検討会の提言などを紹介した。松井部長は、日本の水道は蛇口から直接飲める高い安全性を誇るとともに、漏水率は極めて低く、世界に誇れる高いレベルの信頼性を保持していると紹介。耐震化の取組みも紹介。日本が地震大国であり、近年発生した地震により水道施設に深刻な被害が発生したことを示した上で、耐震管(NS形ダクタイル鉄管)の布設や給水管の整備などの施策を紹介した。施策の効果として、この30年間で削減した漏水量は、オーストラリアやルーマニアの全人口に匹敵する年間2200万人への給水量に相当するとともに、年間46万台の自動車が排出する量に相当するCO2を削減したという。
    一方で、水道事業の大多数を占める小規模事業体の運営基盤が脆弱であることや、料金収入の低迷、熟練職員の大量退職に起因する技術継承の危機、施設の老朽化、施設の耐震化の遅れなどの課題を列挙。その解決策として、水道の安全保障に関する検討会の提言を紹介。最終的な責任は公が負いながら広域化と公民連携を推進し、このプロセスを経て、運営管理のノウハウを持つ競争力のある業務受託者を育成していく。こうして官民ともに実力を養い、日水協は今後もUS-HABITAT等と連携しながら、水道事業体の国際協力を支援し、水道事業体による国際貢献を推進していく一方、日本の優れた技術を有する民間企業が国際展開を進めることで、日本がMDGの目標達成に寄与できるのではないか、などと述べた。21日の閉会式では、松井部長にASPIREプレートが手渡されるとともに、日本人参加暑が登壇、東京開催への参加を呼びかけた。

  • IWA理事会・次期東京会議の準備状況を報告(10/22日本水道新聞)
      IWAの理事会が10月20日、ASPIREの会期中に開催され、2013年の開催地に韓国・大田(テジョン)を選定するとともに、IWAの東アジア・太平洋地域事務所の活動を報告。また、ASPIRE東京の開催事務局を務める東京都水道局の石山・主任が準備状況を報告、海外からの参加を呼びかけた。2009年にオーストラリアのパースで開かれた理事会の席上、東京と大田の2都市が開催地に立候補。投票の結果、2011年の開催は東京に決定したが、大田は引き続き誘致をしていく意向を表明していた。
    2013年の開催地に立候補していたのは大田のみで、理事会で会場や交通アクセスなどについてプレゼンテーションをした後、理事の承認を経て開催地に決定した。なお、2015年の開催地には、マレーシアが立候補する意向を表明している。報告事項では、新たにシンガポールと北京事務所の陣容を強化したことが報告された。石山主任は、組織委員会を立ち上げ、準備のための体制を構築、パンフレットの作成やウェブサイトの開設など、着々と準備を進めていることを強調。テーブルに配布したパンフレットが大田のものよりも小さいことに触れ、「小さいけれども中身は豊富です」と参加者の笑いを誘う場面もあった。

  • 厚労省・22年度予算の概算要求、厚労相指示で20%減(10/19日本水道新聞)
      厚生労働省は10月15日、平成22年度水道関係予算の概算要求を財務省に再提出し、16日、その内容を明らかにした。他府省計上分合わせた水道施設整備費(公共事業費)の合計は818億4500万円で、対前年度比14.6%減、139億6000万円の減額で要求した。内訳は上水道が同11.6%減の595億9470万円、簡易水道が同21.6%減の222億1130万円。厚労省計上分の合計は、長妻・厚労相の予算節減方針により指示された通り20%減の532億3500万円を要求した。最も大幅減となったのは、八ッ場ダムをはじめとするダムの建設中止を見越した水道水源開発施設整備費で、対前年度比49.5%減、55億3631万2000円減額の56億5500万円の要求となった。長妻厚労相が省内最大の公共事業として節減具体策9項目の筆頭に上げた水道施設整備費は今後、予算編成過程でさらに減額されるとも見られており、緊急性が高く真に必要とされる重要費目の予算獲得に向けては予断を許さない状況だ。

  • 総務省・20年度地方公営企業決算概要を発表(10/5日本水道新聞)
      総務省は10月2日、平成20年度地方公営企業決算の概要を発表した。簡易水道を含む水道事業の総収支額は2668億円で、前年度から25億円減額したものの依然黒字を計上。事業数は前年度より33事業減り2243事業となった。建設投資額は1兆564億円でここ数年続いた減少傾向に歯止めがかかり、わずかながら対前年度増となった。一方、昨年から決算と合わせて公表するようになった新たな財政指標では、資金不足比率が経営健全化基準以上である水道事業は2事業、簡易水道は4事業あることがわかった。全体に経営状況は良好であることがうかがわれるが、それだけに耐震化や更新事業等の積極的な執行が望まれる。
     簡易水道を含む水道事業の総収支額は2668億円で黒字ながら前年度比25億円の減額となった。前年度まで黒字幅が大幅に伸びてきたが、工業用水道、下水道、交通など7公営企業中、唯一の減額に転じた。地方公営企業法を適用し経理事務を企業会計方式としている法適用企業の純損益が2613億円と前年度から26億円減額し、法非適用企業は1億円だけ増となった。公営企業全体では病院事業を除いて7710事業が黒字を計上、平成13年度から8年連続で黒字となっている。
     総費用から減価償却費と資本的支出を引いた決算規模では、水道事業は4兆6102億円で、昨年度増加に転じていたものが再び2.8%の減額となった。しかし、公営企業全体の中では下水道事業、病院事業に次いで決算規模が多かった。料金収入では、水道事業は有収水量が減少したことなどから前年度比550億円減の2兆8727億円となった。総収益に占める料金収入の比率は89.9%。大幅減となったものの、公営企業全体では病院事業に次いで料金収入が多い。
     水道事業の企業債発行額は7644億円で、前年度は62.9%もの大幅増となったが、20年度は再び1.2%の減額となった。公営企業全体でも3兆9425億円と0.5%の減となった。事業別の順位では下水道事業に次いで発行額が多い。他会計繰入金は、資本的収入への繰入金が前年度から42億3600万円増えた一方で、収益的収入の繰入金が71億5400万円の減となり、合わせて29億1800万円減の2488億3500万円となった。建設投資額は公営企業全体では4兆25億円で10年連続減少しているが、水道事業は対前年度比0.1%とわずかながら増加に転じ、1兆564億円となった。ようやく減少傾向に歯止めがかかった形だ。
     公営企業全体の24.7%を占める水道事業の事業数は前年度から33事業減って2243事業となった。平成の大合併により17年度まで大幅減が続いていたものの、ここ3年ほどはほぼ横ばい。しかし、今後も統合等で減少が続くものと見られる。水道事業の職員数は、前年度から1834人減って5万3275人。全公営企業中最も減少幅が大きい。それでも公営企業全体の61.6%を占める病院事業に次いで多く、14.5%を占めている。
     平成20年度決算に基づく資金不足比率の状況では、経営健全化基準が20%以上となっている公営企業が61あり、このうち水道事は1390団体中2団体、簡易水道事業は918団体中4団体あった。初めて公表した昨年は、水道事業で3団体、簡易水道事業で6団体が経営健全化団体どなったが、20年度は水道と簡易水道合わせて3団体が経営健全化団体から脱し、全体としては極めて良好な経営状況にあると言える。経営健全化団体となった水道、簡水の6団体は経営健全化計画を策定することになる。経営健全化団体となった団体は次の通り。
    【水道】(北海道)釧路町水道事業/(静岡県)熱海市水道事業会計
    【簡易水道】(鹿児島県)屋久島町簡易水道会計/瀬戸内町簡易水道事業特別会計(沖縄県)座間味村簡易水道事業/伊是名村簡易水道事業特別会計

  • 厚労省・消費者安全法で事故情報の通知義務化(10/1日本水道新聞)
      9月1日、消費者庁の設置とともに施行された消費者安全法により、水道水の供給に起因した重大事故等が発生したことを把握した場合や、事故の態様に照らして被害が拡大するおそれのある消費者事故等が発生したことを把握した場合には、消費者庁長官に対してその旨を通知することが義務づけられた。厚生労働省水道課では9月30日、消費者安全法の概要を解説するとともに、重大事故等の発生を把握した場合には速やかに同課に情報提供する旨を水道事業者等に事務連絡した。同法による消費者保護の観点からも今後、給水装置の誤接合による逆流防止や小規模貯水槽水道管理の一層の強化が求められそうだ。
     同法で定義している重大事故等とは、事業者が供給する商品や、その事業のための物品、施設、役務などを消費者が使用することによって生じた事故が死亡や一定以上の負傷に至るもので、特にその被害が重大なものとしている。さらに消費安全性を欠く商品や役務によって消費者が生命・身体の安全確保に関する基準に不適合となったり、飲食物の汚染、異物混入などで異常が発生することなどとしている。水道水の供給でこうした重大事故につながるものとしては、耐塩素性病原生物による水道水汚染に起因した健康被害、管理不徹底な簡易専用水道に起因した健康被害、水道法規制対象外の小規模水道や小規模貯水槽水道に起因した健康被害、給水装置・給水装置工事に起因した健康被害が考えられるという。
     同法では都道府県知事や市町村長等は重大事故等の発生に関する情報を得た場合、直ちに内閣総理大臣に通知しなければならないが、地方公営企業が情報を得た場合は、消費者庁へ通知されるべきとしている。水道水の供給による重大事故等が発生したことを把握した場合や、被害が拡大するおそれがある場合は、平成19年6月、すでに「水道施設への被害情報および水質事故等に関する情報の提供」として同省水道課が水道事業者に対して事務連絡しているが、同課では今後も速やかな提供を求め、情報を受けた場合にはその旨を消費者庁に通知することとしている。
     また、現に健康被害が発生していなくても、水道水質が水質基準を継続的に超過していたり、水道施設が技術的基準を満足していないこと等により健康被害が発生・拡大するおそれがある場合にも、消費者庁への通知の対象となる。同課では、重大事故等の発生を把握していながら通知されなかった場合、同法の措置を履行しなかったこととなるので注意してほしいと呼びかけている。  なお、消費者庁ホームページに同法および「消費者安全法の解釈に関する考え方」等が掲載されている。

  • 日水協・耐震工法指針の改訂説明会がスタート(10/1日本水道新聞)
      日本水道協会の「水道施設耐震工法指針・解説(2009年坂)」の改訂説明会が9月25日、東京・九段南の日本水道会館で開かれた。全国7会場のトップを切って関東地方支部の1回目として開催されたもので、水道事業体やコンサルタント等から150人以上と定員を超える盛況ぶりとなった。12年ぶりの改訂となった同指針・解説は、前回改訂以降起きた大地震でのデータも生かし、最新の技術的情報を盛り込んでいるため、高い関心と期待が寄せられている。説明会は11月下旬まで7地方支部ごとに開催。関東のみ2回目を11月開催する。説明会による指針への理解は今後の盤石な耐震化に弾みがつきそうだ。
     開講挨拶に立った日水協の田口・工務部長は、改訂までの経緯と経過を説明。前回改訂(97年版)以降、大きな地震が相次いでおり、今後も東海・東南海地震などが想定されているにもかかわらず、耐震化が進んでいない現状に触れ、さまざまな施策の中で、指針改訂の必然性が出てきたことを説明した。「説明会では変更点を中心に実務的観点から説明する。説明会終了後も指針を有効に使っていただき、より災害に強い水道を構築してほしい。今日は多く集まっていただき皆さんの熱気を感じる」と述べた。
     「総論@」を田口部長、「総論A」を安部・日水協工務部技術課副主幹、「各論@」を田村・東京都水道局水源管理事務所長、「各論A」を中村・日水協研修国際部調査役、「事例集」を全国上下水道コンサルタント協会の大嶽公康氏がそれぞれ説明。田口部長は総論について、社会的側面と実務的側面から記述されているとし、「水道の安全保障に関する検討会報告」が広域化や公民連携といったソフト面の指針であることに対し、耐震工法指針は施設の物理的な耐震性といったハード面の目標達成のための指針であるとした。

  • 水源関係

  • 水制度改革国民会議・水循環基本法の原案検討(11/19日本水道新聞)
      水制度改革国民会議は11月12日、衆議院第一議員会館で第11回水循環基本法研究会の会合を開き、水循環政策大綱案と水循環基本法要綱案の修正案について意見を交わした。この中で、中央行政の再編に関する項目に関して原案で示した3案のうち「水循環庁の設置」に絞り込み、将来的には「流域連合」に権限を委譲していく旨を明記する方針を固めた。また、かねてより流域自治を訴える嘉田・滋賀県知事が出席し「琵琶湖・淀川水系における流域自治の未来」と題して講演した。
     会合には、中川秀直衆議院議員をはじめ、加藤修一、田中康夫、田端正弘、前田武志共同座長が出席。冒頭挨拶に立った中川共同座長は次回が最終会合であることに触れ「議員連盟の立ち上げへ発起委員会を立ち上げたい」と議員立法に向けた具体的な枠組み構築に言及し、成案に向けた修正案の議論にあたり積極的な意見を促した。また、前原・国交相と面会し、同研究会の動向について認識を共有したことを明かした。
     議事では」事務局から前回提示した原案に対する意見を反映した修正点を総体的に説明し、修正案に対する質疑応答が行われた。意見のなかでは、成案に至った際に広く国民に周知する場を設けるよう要望があり、これを受けて松井理事長が運動として周知していく考えを表明した。また、研究会の最終回に向けて最終修正意見の提出を要請した。
     講演で嘉田即事は、琵琶湖淀川水系の開発の歴史を振り返りながら、従来の国主導による河川政策の制度面・財政面・社会面における課題を指摘し、琵琶湖淀川水系の4府県(大阪府、京都府、滋賀県、三重県)の知事により合意に至った流域自治への考えを披露。水循環基本法に対して「地域主権による流域圏の統合管理は流域自治の考えに一致する」との見解を示し、水行政に関する新たな仕組みの確立に向けた動きとして期待を示した。最終会合となる次回は12月15日に開催する予定。

  • 前原国交大臣がダム事業の見直し表明(10/15日本水道新聞)
      前原・国土交通大臣は10月9日、ダム事業の見直しに関して国直轄事業と水資源機構事業は、現段階を継続するものの、21年度内に新たな段階に入らないとコメントした。すでに八ッ場ダムの本体工事は中止しているが、国土交通省は両事業で対象となる48事業のうち、6事業は新たな段階となる本体関連工事、転流工工事などの着手を取りやめることはなると説明している。
     八ッ場ダム、川辺川ダムの建設中止を除き、影響を受ける6事業は、沙流川総合開発(平取ダム)、サンルダム、思川開発、木曽川水系連絡導水路、小石原川ダム、山鳥坂ダム。北海道平取町、日高町が新規利水する沙流川総合開発(国直轄)では、平取ダムの本体工事を行うための工事用道路に着手せず、同下川町と名寄市が新規利水するサンルダム(同)は本体工事に着手しない。
     栃木県や鹿沼市、小山市、古河市、五霞町、埼玉県、北千葉広域水道企業団が新規利水する思川開発事業(水資源機構)では、導水路工事を未着手に。福岡県南地域への新規利水や筑後川の渇水対策などを目的とする小石原川ダム(同)では、転流工工事を載りやめる。愛知県や名古屋市の新規利水や異常渇水時に徳山ダムから緊急水を補給する目的の木曽川水系連絡導水路(同)では、導水路工事のための進入路工事に着手しないとしている。一方、八ッ場ダムは群席県、埼玉県、東京都、千葉県、茨城県の水道用水、群馬県、千葉県の工業用水を供給するダムで、9月17日に前原大臣が建設中止を表明、今月2日に本体工事が中止されている。

  • 水資源機構・台風18号の降雨で渇水対策本部解散(10/15日本水道新聞)
      水資源機構は10月8日、関西支社および日吉ダムの渇水対策本部を解散した。台風18号に伴う降雨により、淀川水系桂川の日吉ダムの貯水率が同日18時時点で77.5%まで回復したため。また、同日、吉野川水系吉野川の取水制限を一時的、に解除した。なお、吉野川水系早明浦ダムの貯水率は13日現在、48.3%(平年値88.4%)となっており、大幅に不足している。

  • 水制度改革国民会議・水基本法の原案示す、流域連合で統合管理(10/8日本水道新聞)
      水制度改革国民会議は10月6日、衆議院第一議員会館で第10回水循環法研究会を開き、水循環政策大網案と同基本法案の原案を示しセ。同研究会内に設置した起草委員会が、地表水も地下水も公共水であるなどとした基本理念を定めた基本法を制定するため、原案を作成した。河川流域の地方公共団体による「流域連合」を組織し、流域圏を統合的に管理することなどが盛り込まれているほか、水循環に関わる全ての行政組織を統合した「水循環庁」を設置する案も示した。今回はたたき台を示しただけで具体的な議論は来月の同研究会となるが、来年の立法化をめざし、年内の成案に向け審議していく。ただ、与党は議員立法を原則禁止しており、超党派議員を含む研究会ではあるものの、立法化に向けての課題も懸念される。
     起草委員会では、研究会参加者や全水道、関係6省庁からの意見も参考にしながら、衆参両院法制局の助言を得て原案を作成した。同研究会事務局によると、こうした政策大綱案・基本法要綱案の提案は、わが国法制史上でも初の画期的なものであるという。政策大綱案は、「水循環系の統合的管理体制を構築し、持続可能な水循環型社会を創出して、将来世代に継承するため」の基本理念や基本施策を定めた水循環基本法の制定を中心に作成。
     基本法要綱案は、@総則A基本理念B関係者の責務等C基本方針・基本計画等D基本的施策E中央政府の行政組織およびその再編整備F「流域連合」の設置等地方公共団体の行政組織およびその再編整備G流域住民との協働−などから構成される。基本的施策では、第三者機関による公正な水環境監視、利水システムの合理化の促進、地下水の保全と利用の適正化の推進などとともに、水道および水循環保全施設の流域圏統合経営の推進を挙げており、上下水道、浄化槽、し尿処理施設等の一体的な整備・管理、広域的経営を進める。また、老朽化施設の更新と機能の向上、異常渇水や震災などに備える非常時対応、さらには財政制度の見直しも進める。これらの前提となる基本理念で特筆されるのは、流域圏を統合的に管理するための「流域連合」の設置。河川流域を構成する都道府県および市町村が相互に協力し、統合的管理主体として連合組織をつくるもの。国は基本方針を策定した上で、流域連合の自主性を尊重する。
     中央政府の行政組織として、水循環庁の設置、水循環社会推進委員会の設置、水循環政策本部の設置の3案を原案の中に示した。それぞれ新たな設置法を制定することになるが、起草委員会では水循環に関わる全ての行政組織を統合し、現行の個別制度の全てを所管する水循環庁の設置が望ましいとしている。ただし、水循環庁は将来の道州制の導入も踏まえ、全国的視野で行うことが求められる政策の企画・調整等に権限を限定し、政策の実施権限の多くは流域連合に委譲することとしている。
     この日の研究会冒頭、共同座長の中川・衆議院議員が挨拶。「選挙で多少の異動はあったが、研究会発足当初から党を超えて今日まで取り組んできた。これからも同じメンバーで続けていく。新内閣でも関係の大臣や省庁には私から説明している。縦割りを超えた重要性を理解していただき、行政の取組みを大きく変えていくことにもなる。水循環型社会の構築が国民のために果たされるよう精力的に取り組んでいく」と意欲を示した。
     原案が示された後の意見・質問では、休耕農地の遊水池としての利用、「地球温暖化」という文言の精査、陸水のみならず海水も含めた考え方、現行個別法との関係、流域連合の詰め方などに関する発言があったが、原案修正などの議論は、事前に意見を募った上で、11月12日の次回研究会で行う。なお、次回は流域連合構想に賛同している嘉田・滋賀県知事も出席する予定。

  • 水資源機構・渇水対策本部を設置(10/1日本水道新聞)
      水資源機構は9月28日、本社および関西支社に渇水対策本部を設置した。すでに同月11日、同機構吉野川局、池田総合管理所、香川用水管理所、旧吉野川河口堰管理所に渇水対策本部を設置していたが、吉野川水系早明浦ダムの利水貯水率が45%(27日現在)程度となったことから本社と関西支社に設置したもの。
     吉野川水系吉野川では、9月12日から徳島用水で20.1%、香川用水で20.0%の第1次取水制限を実施、27日からは徳島用水で23.6%、香川用水で35.0の第2次取水制限に踏み切っている。淀川水系日吉ダムでは、28日現在、貯水率が29.9%となったため、同日から淀川水系桂川で第1次取水制限を開始。水道用水は平成17〜20年7〜9月の1日最大取水量の20.0%となっている。

  • 福岡市水道局・水源かん養の実務研修実施(10/1日本水道新聞)
      福岡市水道局は、早良区の曲渕水源事務所で平成21年度水道局職員実務・専門研修を行った。職員約30人が参加して、伐竹など水源かん養林の保全活動を体験した。水源地域を取り巻く状況を把握するとともに、水源かん養林の育成方法を体験することで、水源かん養林の働きや大切さへの理解を促すねらい。平成20年度から年1回実施している。
     研修は、水源かん養機能について説明を受けたあと、森林内に侵入したモウソウ竹の除伐を体験した。参加者は「伐竹以外の下草刈り、間伐、枝打ちなども体験してみたい」「これを機会に森林ボランティアに参加できるようになりたい」と感想を述べ、山の仕事の大変さや水源かん養林の大切さを実感していた。
     同局は、昭和53年の渇水を機に、ダム周辺森林の水源かん養機能向上などを図るため、市内の3つのダムの集水区域内の山林を約500ha取得。平成15年に策定した「水源かん養林整備計画」に基づいて、整備を進めている。

  • 浄水関係

  • 厚労省・高度浄水処理導入の技術資料を公表(11/19日本水道新聞)
      厚生労働省は、高度浄水処理の導入実態や導入検討等に関する技術的知見をまとめた技術資料を作成し、公表した。高度浄水処理の導入が着実に進みつつある今日、これまでの文献や導入実態に関するデータなども相当数集積されてきている。これらの情報を収集・整理し、事業体の導入検討の円滑化を図るため技術資料を作成した。最適処理フローを決定する際に確認すべき事項などを解説しており、導入を検討している浄水場等にとって、大いに参考になりそうだ。
     技術資料作成に当たっては、水道技術研究センターに調査を委託。高度処理施設標準化委員会(委員長=茂庭・東海大連合大学院理工学研究科教授)を設置して、浄水場を対象としたアンケート調査結果などを踏まえ、導入状況、施設諸元、運転条件、水質(原水・処理工程・浄水水質)の分布状況等に関する情報を整理した。第1章の基本事項では、代表的な高度浄水処理方式の分類やその特性を整理。水道統計の水質編をもとに 導入状況や水質分布状況なども概観している。また、導入の一般的な検討手順(処理フロー・施設諸元等の候補の選定→最適処理フロー・最適施設諸元等の決定→事業変更手続等)の概要、最適処理フローおよび最適施設諸元等の仕様を決定する際に確認すべき事項(安全性、確実性、経済性、維持管理性)についても解説している。安全性、確実性の確認については、処理実験の内容等を検討する際の留意事項、各高度浄水処理(粉末活性炭、粒状活性炭、オゾン処理、生物処理)の特性等に応じた処理実験内容の検討、処理実験方法等に関する検討のポイントについて解説している。
     第2章の既存の技術的知見では、平成17〜19年度実施したe-WaterU(安全でおいしい水を目指した高度な浄水処理技術の確立に関する研究)や日本水道協会の水道施設設計指針、水道技術研究センターの浄水技術ガイドラインなどを紹介している。第3章では、高度浄水処理を導入している全ての浄水場を対象にアンケート調査を実施、浄水の累積頻度分布を用いた特徴分析、重回帰分析を用いた特徴分析を行っている。対象とする水質項目が、処理によりどの程度除去・低減できるかを定量的な目安で把握するには累積頻度分布が参考となり、原水水質と運転条件の組み合わせのもとで浄水水質がどの程度まで処理されるかを確認するには重回帰分析が参考になるという。資料としてe-WaterUの成果概要とアンケート調査結果も付けられており、全文厚労省のホームページ上で閲覧することができる。

  • 顧問技師会関西支部・先端処理技術実験施設を視察(11/12日本水道新聞)
      水道顧問技師会関西支部は、大阪市水道局の柴島浄水場構内に完成した最適先端処理技術実験施設を視察した。同支部研修行事の一環。約50名が参加した。同実験施設はオゾン、粒状活性炭処理を加えた現行の高度浄水施設の機能向上や促進酸化接触(過酸化水素とオゾンの併用)、UV照射などを利用したおいしい水づくり、さらに中長期的視点で取り組む膜や生物酸化を組み合わせた次世代型浄水システムの研究を行う施設。全体4系列のフローで構成され、各々日量50立方mの規模。
     視察会の冒頭、藤原支部長が「大阪市水道の先端技術の研究の場を見学させていただく」と挨拶。大阪市水道局の枝・浄水統括担当部長が実験プラントの概要説明を行った。「年々複雑化する水源水質の動向に対して、これから先駆的に取り組む課題としておいしい水の研究開発、未規制物質対策、さらに環境に配慮した浄水システムの開発を行うため、この実験施設を整備した」と説明した。
    実験施設は鉄骨造2階建て、延べ床面積440平方mの実験棟と官民連携の調査研究を行うためのスペース115平方mのフィールドで構成。実験棟内部には4つのフローがある。@現在の高度処理フローA現在の高度処理の最適化・高度技術の検討フロー(加圧浮上、凝沈、オゾン、砂ろ過、オゾン接触、活性炭、塩素)Bおいしい水の研究開発フロー(砂ろ過、促進酸化接触、活性炭、イオン交換、NP膜、塩素・UV)C次世代型都市水道システム構築の検討フロー(生物高速ろ過、薬品混和、浸潰型MP膜、生物反応、ケーシング型MP膜、塩素・UV照射)。施設は調整、試運転を経て近く本格的な研究に入る。

  • 水道技研セ浄水技術委・浄水技術、PSI使用ガイドラインの改訂作成へ(11/2日本水道新聞)
      水道技術研究センターは10月9日、第26回浄水技術委員会を開いた。平成21年度事業の進捗状況を報告するとともに、各委員からセンターヘの意見や要望などが出された。冒頭、藤原・理事長は「Aqua10プロジェクトの研究状況について忌憚のない意見をいただくとともに、センターの今後の活動を浄水技術という側面から議論していただきたい」と挨拶。
     委員会では、互選により静岡県立大学の国包教授を委員長に選任、調査研究事業や普及促進事業などの進捗状況が報告された。調査研究事業では、Aqua10プロジェクトの厚生労働科学研究費補助金による研究のワーキンググループや、共同研究の進捗状況のほか、自主研究として浄水技術ガイドラインの改訂やPSI使用ガイドラインの作成を進めることを報告。普及促進事業として、水道技術セミナーやe-Waterの成果普及を行っていくとともに、技術支援や国際交流にも力を入れていく。委員からは「研究はそれぞれ重要なテーマを扱っているので、マッピング化などで整理すべき」「複数年度にわたる研究では成果イメージをまず出してほしい」「もっと他分野との連携を進めてほしい」−など要望が出された。

  • 釧路市上下水道部・北国最大膜ろ過の実証実験に着手(10/15日本水道新聞)
      釧路市上下水道部は10月5日、愛国浄水場(90,915立方m/日)の全面更新に向け、膜ろ過の実証実験に着手することを明らかにした。平成22年1月から1年間、浄水場内に実験プラント(原水使用量120立方m以内)を設置、釧路川原水への適応性、水処理の安全性などを確認する。これらの性能が確認された浄水処理方法の中から、最適な方法を選定、既存の浄水場を稼働させながら更新する。処理水量は現時点で8万立方m程度までダウンサイジングする見通しで、発注時の需要予測を基に決定。発注方法については、DBOやPPIの適用も含め、来年度から発注方法の可能性調査に着手する。公募の締切は30日。
     釧路市上水道事業唯一の浄水場である愛国浄水場は、昭和34年に一部供用を開始して以来50年を経過しており、老朽化が進む一方、古い耐震基準で設計されていることから、平成17〜18年度に耐震診断を実施。その結果、ほとんどの施設が耐震強度不足で、補強工事には70億円以上の費用が必要と判明した。そこで、現地更新、現地改修、別地新築などの更新案を比較検討した結果、現地更新・膜ろ過方式による更新を決定している。同市水源の釧路川の源である屈斜路湖の水質は良質だが、同浄水場は下流で取水しており、その間に釧路湿原や火山性台地を通過する。そうした環境下を流下する中で、有機物や鉄・マンガンなどが流入、11〜20年度の最大値で一般細菌が3万9000個/mL、鉄などが3.5mg/L、濁度が256度と非常に厳しい水質となっている。
     同浄水場の処理方式は高速凝集沈澱+急速ろ過。これまでは熟練技術者の手腕により水質基準を達成してきたが、今後10年でこれらの技術者の多くが定年退職を迎えるため、難しい水質でも確実に処理できる膜ろ過を選定している。膜ろ過の採用に向けては、1年間の実証実験を実施。原水への適応性や処理の安定性などを確認する。実験の参加条件は、▽河川表流水を原水とした、1000立方m/日以上の膜ろ過による浄水処理実績を有する▽1万立方m/日以上の浄水処理設備の納入・工事実績を有する▽膜分離技術振興協会の水道用膜モジュール規格の認定、もしくは申請中のモジュールにより実験が行えるーなど。
     実験棟の設置や棟内の凍結防止対策、薬品・電気代などは市が負担するとともに、簡便な機器の点検は、企業が作成したマニュアルに基づき市が行う。水質検査は、毎日・毎週検査などは市が行い、膜差圧データの収集などは企業が行う。公募の締切は30日。11月初旬をめどに申込みがあった企業を対象にヒアリングを行い、11月下旬をめどに実験参加の適否が通知される見過し。低水温下での膜処理には、温暖な地域に比べてフラックスが低下するなどの課題があり、東北以北での大規模膜の採用は進んでおらず、これまでで最大の実績は北海道余市町の7800立方m。今回の事業が具現化されれば、東北以北最大の膜ろ過施設となることから、今後の動向に注目が集まる。詳しくは、同部HPで。

  • 神戸大先端膜機構・最先端の膜技術で秋季講演会を開催(10/8日本水道新聞)
      神戸大学の先端膜工学研究推進機構は9月25日、秋季講演会を同大キャンパスで開いた。席上、産官学関係者ら約110人が参加する中、東レの栗原・顧問が、日本の浄水膜技術を用いた海外での水ビジネス戦略を巡って講演したほか、膜のファウリング防止策などに関する膜工学サロンが開かれ、膜技術に関する最先端の知見の共有を参加者間で図った。
     冒頭、松山機構長をはじめ、福田・神戸大学学長、国吉・近畿経済産業局地域経済部長が挨拶。福田学長は「膜技術に対する世の中の期待は高まっており、大学としても精神面でも強力にサポートしていく」などと、今後の活動に期待を寄せた。また、国吉部長は関西の水関連産業の振興に関する検討の枠組み等を紹介した。栗原顧問は、日本企業の水処理用膜の供給シェアが全世界の約60%を占めることなどを紹介。今後日本が海外で水ビジネスを展開するためには、日本の膜技術が大きな役割を担う可能性が高い等など言及した上で、実現のためには、「産官学の総合連携」の推進が必要などと指摘した。

  • 東レ・世界最大のROを受注(10/5日本水道新聞)
      東レは9月29日、世界最大の膜法海水淡水化プラント向けに逆浸透(RO)膜エレメントを受注したことを明らかにした。同プラントの生産水量は日量50万立方m。納入するRO膜エレメントは、高いホウ素除去率と造水能力を両立した新製品。同プラントは、アルジェリアのマグタに建設され、シンガポールのHyflux社が25年契約でフラント設計・建設・運転管理を受注。東レからの膜エレメント納入は平成22年、稼働開始は23年の予定。
     これまで稼働中の膜法海淡プラントはイスラエルにある33万立方m/日のプラントで、今回はその5割増しの能力を持つ世界最大規模のプラント。今回同プラントに納入する膜エレメントは、世界最高レベルのホウ素除去性能を持ちながら、省エネかつ高造水量であることを両立させた高性能な新製品。従来、ホウ素を高除去するためには、高分子膜に空ける孔径を最小にする必要があったが、そのために造水量が犠牲となっていた。今回、東レが新たに開発した技術は、独自のナノテクノロジーにより、オングストローム(100億分の1m)の精度で孔径など微細構造を制御。これにより、高い造水能力を確保しつつ、ホウ素の除去率を高めている。
     目下、世界で最も深刻な水問題を抱える地域はMENA(中東・北アフリカ)地域で、その中でも特にアルジェリア政府は海淡法の採用に積極的という。今回のプラントを含めると東レの膜による造水量は、320万人分、同国民の1割分に達する。東レは現在、RO膜において、海淡および下廃水処理双方でトップシェアを持つ。この需要に対し、同社では既存の愛媛工場のほか、米国でも設備増設を実施。また、中国企業との合弁による工場も来年4月稼働の予定。これにより、同時期のRO膜生産能力は平成19年3月比でほぼ4倍になるという。

  • 導・送・配水関係

  • 日水協・ソフトシール仕切弁検査施行要項を改正(10/26日本水道新聞)
      日本水道協会は10月8日、第79回検査事業委員会を開いた。議事では、@水道用ソフトシール仕切弁検査施行要項の改正A水道施設に使用する資機材等の浸出試験に関する規則の改正B改正検査精度に基づく検査工場におけるシミュレーション実施結果および関係規則の一部改正C検査工場の登録の取消および検査の一時停止基準要綱の制定−の4議案を審議、了承した。併せて、平成20年度検査事業決算やJIS製品認証業務の進捗状況などが報告された。
     水道用ソフトシール仕切「弁検査施行要項の改正は、2月のJWWA B 120の規格改正との整合性と取ったもの。呼び径125mmを除いた75〜250mmのバルブに、耐震形としてNS形を追加したほか、ゴム弁座の種類も追加された。委員らは前日の7日に、前澤工業の埼玉製造所(幸手市)を訪れ、弁類検査の工程を視察している。工場では、担当者の説明に耳を傾けながら検査現場を写真に収めるなど、実際の工程を確認していた。

  • 日水協認証審査委・新素材の継手認証へ(10/1日本水道新聞)
      日本水道協会は9月15日、第25回認証審査委員会を開いた。久保田・品質認証センター所長は冒頭、「経済不況などで水道業界も大きな影響を受けているが、優れた審査を行い、お客さまから信頼されるようにしたい」と挨拶した。議案は@正・副委員長の選任A平成21年度登録維持料未納に伴う認証登録の取り消しB新素材を用いた架橋ポリエチレン管用継ぎ手の認証−で、いずれも了承された。
     議案@は、前期に引き続き委員長を務めることになった松井教授(北大大学院)は「給水用具や資機材、薬品など水に関わるものを扱う重要な役目だと認識している。委員の意見をよく聞き、課題を検討していきたい」と抱負を述べた。議案Aについては、21年度の登録維持料が未納であった7社の認証基本契約解除が決まった。議案Bでは、認証申込品として「締め付け接合形継ぎ手(ソケット、水栓エルボの2型式)」が紹介された。同製品の特徴は継手の材質がポリエーテルイミド樹脂で、水栓エルポの水栓をねじ込む部分が金属製でないことなどが特徴。耐圧、侵出性の基準は満たしているが、性能に関して同センターがいくつか確認中であり、問題がなければ認証することで合意した。

  • 横浜市水道局・管の直費購入を開始(10/1日本水道新聞)
      横浜市水道局は今年度から、直管や曲管などの配管材料の「直費購入」を開始した。従来の請負事業者が材料を調達していた方式に比べ、資機材の一括購入による調達単価の軽減、発注金額に計上していた緒経費の削減などにより、工費を縮減する。対象は100mm以上の直管や22・45度の曲管などの汎用品。置管は全使用量の90%程度、曲菅は30%程度を購入し、残材は請負事業者が局の資材仮置場まで運び、同局が管理・保管、他の現場へ運搬する。購入量を抑制することで、残材の発生量も抑制する。購入量は今年度の結果を見ながら検討する方針。請負金額は減少するが、工事事業者や商社からは好評である一方、現段階でもコスト縮減効果が見られるという。 わが国の水道事業では、近代水道の創設以来、水道事業体がメーカーや商社から直接購入して保管し、受注企業に支給する支給材制度が主流だった。
     同制度は、事業体が一括購入することで安価な調達を実現するとともに、現場で発生した残材の融通が利くというメリットがある。その一方で、膨大な資機材を保管・管理するための敷地や人員が必要になるなどのデメリットもあった。このため、現在ではほとんどの事業体で同制度を廃止し、発注金額に材料費と調達に関する経費などを組み込み、請負事業者が調達を行う現行の制度に変更。同局も平成13年度に支給材を管理していた部署を廃止し、14年度から現行の制度に移行している。
     現行の制度では、工事ごとに材料を調達するため、調達単価が高くなる傾向にあるのに加え、昨今の厳しい経済情勢の影響を受け、信用面のリスクから材料の調達に困難をきたす事業者も見受けられるなど、数々の課題を抱えていた。こうした状況下で同局は、中期経営計画(平成21〜23年度)を策定、この中に重点取組み項目として、更新・耐震化をベースアップさせることを盛り込んでおり、「限られた財源で少しでも布設延長を伸ばしたい」(同局担当者)などの理由から、直費購入を導入した。この方式では、4事業所ごとに年4回程度、一般競争入札で材料購入と搬送の事業者を公募・契約。この事業者は局の求めに応じ、現場に材料を搬入する。残材が出た際は請負事業者が局用地まで搬入する。残材の保管・管理、他現場への搬入は直営。管路工事請負事業者との契約・発注は別途行う。
     購入量を全使用量よりも抑えたことで、残材の発生量が少ないことに加え、イントラネットで在庫の情報を共有し、現在の職員で在庫の管理に当たっており、同制度のコスト縮減効果を最大化している。こうしたコストの縮減効果に加え、残材の融通が利くという支給材制度のメリットも享受可能だ。材料費と経費が削減されるため、請負金額自体は減少するものの、工事事業者の中には、昨今の経済情勢の悪化を受け材料の調達が困難な事例も出ているだけに、商社らは未収金対応・リスクの軽減が図れる一方、工事事業者も調達に関する事務作業が軽減可能で、おおむね良好な反応が得られているという。
     現在、同局ではクボタと共同で堀上管のリサイクルシステム構築を目指して、共同研究を進めている。同システムが完成すれば、リサイクル管を全て購入しなければならないため、直費購入方式との連携も視野に入れているという。同局は平成18年度から全面的に同一管種(NS形ダクタイル鉄管)を採用するなど、今回の直費購入方式の導入には、固有の条件はあるものの、大量更新時代を控え、コストの縮減に頭を悩ませる水道事業体にとって、新たな処方箋となりそうだ。

  • 給水関係

  • 給水財団・21年度主任技術者試験を実施、受験率は86.9%(11/12日本水道新聞)
      給水工事技術振興財団は10月25日、平成21年度給水装置工事主任技術者試験を、全国9会場(札幌市、仙台市、習志野市、東京都杉並区、愛知県三好町、大阪市、広島市、福岡市、那覇市)で実施した。受験票を交付した1万8289人のうち、1万5892人(速報値)が受験した。受験率は86.9%(同)。合格発表は12月10日。

  • 日水協・新JISメータ対応検討会の初会合を開く(11/9日本水道新聞)
      日本水道協会は10月22日、第1回新JIS水道メータへの対応に関する検討会を開いた。同検討会は、JIS規格を計量法の経済産業省令「特定計量器検定検査規則」に引用することに伴い、平成23年4月以降は全て新基準の水道メータに切り替えなければならないため、それまでの移行期間の課題と対応を検討するため設置したもの。初会合では委員のほか、厚生労働省、経済産業省のアドバイザーやメータ製造業者4社もオブザーバーとして出席。新基準メータの口径表示などについて意見を交わした。
     第1回検討会では座長の田口・日水協工務部長が挨拶の中で「23年4月までの経過措置について、51事業体にアンケートをとったところ、メーカーの生産・供給体制や他事業体の動向がわからないなど情報不足の声が聞かれた。スムーズな移行をするためにもここでそれぞれの立場から議論していただき、その結果を全国に情報提供していく」と述べ、委員に協力を求めた。アドバイザーとして出席した厚労省の伊藤・水道課課長補佐は「水道ビジョンの中でもメータは給水装置の一部として位置づけられており、使用者にも身近なもの。新基準への移行後もわかりやすい対応が求められる」と検討会での議論に期待した。日本計量機器工業連合会の山本・国際法定計量調査研究委員会副委員長が、水道メータのJIS化について、国際規格の動向などから説明した。
     新基準メータへの移行による主な変更点は、@標準流量と計測原理により計量範囲が決まっていたものを、定格最大流量と計量範囲を標準数列からの選択とするとともに、検定公差流量範囲の比を変更A器差検定流量を、任意の2流量点から固定の3流量点に変更−など。検討会では、メータの口径表示、計量範囲の合理的判断基準、新基準メータへの切替時期などについて議論していくこととしており、この日は口径表示の取扱いについて、目盛板への表示は行わないものの、蓋およびケースに従来通り口径表示(取り付ける給水管の口径)することを決めた。新基準では口径表示は規定されていないが、目盛板に表示すると、ほかに規定されている表示内容が読みにくくなることや、口径別料金体系の中では消費者にとってもわかりやすいことなどから、口径表示を標準とすることとなった。
     計量範囲の選定と切替え時期については、来年1月開催予定の次回検討会で決める。日水協が今年9月行った製造業者へのヒアリング結果も報告された。産業技術総合研究所から新基準で型式登録を受けた9社中8社(愛知時計電機、青森製作所、大豊機工、金門製作所、高畑精工、東洋計器、ニッコク、前澤給装工業)の型式承認登録状況、修理メータの対応、生産体制などについて聞き取り調査した。
     8社中3社が22年10月から新基準メータの製造を開始し、6社は23年3月まで現行メータを製造するとしている。ただし、部品供給面では22年12月までに数量を確定しておく必要があるという。日水協は11月5日、同協会ホームページ内に、新JIS水道メータへの対応についてのサイトを開設した。技術関係、料金関係のQ&Aや、検討会の内容などを掲載している。

  • 日水協指定事業者制度専門委・研修テキスト改訂を審議(11/2日本水道新聞)
      日本水道協会は10月7日、第6回指定給水装置工事事業者制度の運用に関する専門委員会を開き、最新の情報を加え第2版を作成する「指定給水装置工事事業者研修テキスト」について審議した。テキスト作成から3年が経ち給水装置を取り巻く状況などが変わってきたことから、7月開催した工務常設調査委員会で改訂することが決まった。改訂では、関連法令や制度のわかりやすい記載、給水装置に関する最新の行政情報や事故事例と防止のための留意事項を盛り込むよう検討。今回の委員会では各事業体から提供された給水装置工事のトラブル事例なども紹介された。東京都水道局は重要なポイントをフローチャート化するなど、メリハリをつけ試案を示した。22年3月の改訂を目指す。

  • 全管連・日水協の手引きを受け応急救援マニュアル改訂(10/26日本水道新聞)
      全国管工事業協同組合連合会は10月16日、東京・品川区の品川プリンスホテルで臨時総会ならびに第298回理事会を開いた。日本水道協会がこのほどとりまとめた「地震等緊急時対応の手引き」を受けた、平成8年に全管連が作成した「災害時の救援体制について」の改訂作業について了承されたほか、2団体の加入申込審査を受け、両団体の加入を承認した。
     全管連が現在改訂作業を進めている「地震等緊急時における応急復旧工事対応マニュアル(仮称)」は、今後さまざまな形で起こりうる災害に、より迅速かつ的確に対応するため、あらかじめ対応の基本を明確にして、関係者の認識を統一することを目的にしている。日本水道協会では、阪神・淡路大震災を教訓として平成8年にとりまとめた「地震等緊急時対応に関する報告書」を改訂するため、昨年「震災対応等特別調査委員会」を設置し、さらにワーキンググループとなる小委員会を3つ設置し、検討の結果、昨年12月に「地震等緊急時対応の手引き」をとりまとめた。
     全管連においても、同小委員会に複数の理事が参画。その中で、@応援要請の連絡体制における全管連(工事事業者)の位置づけA現地救援本部の参画B作業従事者(組合等)への費用負担項目の明記等を意見として同委員会に提出。完成した同手引きにおいて、これらの意見が反映されている。この新たな手引きを受け、全管連では「災害時の救援体制について」の全面見直しを行うこととし、現在改訂作業を進めている。新たなマニュアルでは、各支部の連携や賛助会員との協力体制を明記する。マニュアルは来年1月までに完成させ、全会員に配布する予定。
     大澤会長は「迅速な災害復旧はライフラインを司るわれわれの使命。常日頃から地域に貢献し、市民から信頼される組合になれば。また、連絡体制を強固にするためにも、1都道府県1連合会の体制づくりに向け、設立目標である節目の来年の第50回通常総会までの取組みをお願いしたい」と話した。また、連合会組織化に関連し、新たに奈良市上下水道協同組合と香川県管工事業協同組合連合会の加入申込みを受け、加入が承諾された。

  • 給水財団・水回りのマニュアル本を作成(10/15日本水道新聞)
      給水工事技術振興財団は、給水装置、給湯設備、排水設備を主体とした家庭等の水回り全般のマニュアル本「給排水と給湯システム−暮らしの水回り−」(仮題)を作成するため10月8日、第1回給排水・給湯設備マニュアル編集委員会を開いた。すでにおおよその内容構成、執筆者は決まっているが、この日の委員会で調整。今後、正式な執筆依頼を経て具体的な作成作業に入り、来年秋の発刊を目指す。
     現在、給水・給湯・排水などの家庭等の水回りに関しては、多くの法律や制度が関係しており、事業も水道事業者、ガス・電気事業者、下水道事業者などが関わっている。しかし、これらに関わる技術者や事業体職員が全て給排水設備全体についての知識・技術を備えているとは限らないのが現状だ。また、水の利用・排除は使用者にとって一連の流れでありながら、これまで一貫したトータルな指導・管理体制は確立されていない。そのため水道関係者も全体的な仕組みや管理について理解し、使用者の立場に立って対応することが重要となっている。しかし、そうした「家庭等における水回り」について、包括的に理解できるよう整理・記述されたマニュアルは極めて少ない。
    こうしたことから、今後、住民サービスの向上に役立つ最近のこれら設備の状況、技術的な解説、メンテナンスの要点、将来の展望等についての解説書、マニュアル本が必要になってくるとして、約2年前、刊行が企画された。同財団内に編集委員会と幹事会を設置することとし、これまでに執筆者や内容構成などを準備してきた。読者対象は、主として水道事業体の給水関係職員とし、給水装置工事事業者の初・中級技術者、家庭等の水回りに関心のある一般読者層も対象とする。そのため、記述レベルはあまり専門的とせず、実務上必要な知識を取得できるものとする。体裁はA5判約200頁で、発行部数は当初1000部程度を予定している。
    構成項目は、1章が水道における給水・給湯・排水の役割と今後の取組、、2章が水と生活、3章が建物内の水システムの概要、4章が給水設備、5章が給湯設備および浴場設備、6章が衛生器具設備、7章が排水設備および関連設備、8章が関連法規。2章では水道の歴史から水質管理まで言及。3章では誤接合についても解説。4章では配水管の穿孔・分岐から屋内配管に至るまでの設備を詳述する。8日開かれた第1回委員会では委員長に中村・山梨大学名誉教授を選任したのち執筆分担を確認し、項目の追加などを調整した。来年4月開催予定の同委員会までに最終原稿を上げ、来年10月の日本水道協会第79回総会(松山市)に間に合うよう発刊する。

  • 厚労科研早川委員会・貯水槽水道早川研究会が発足(10/15日本水道新聞)
      「水安全計画による貯水槽水道の管理水準の向上に関する研究委員会」(厚生労働科学研究早川委員会)の継続組織、「貯水槽水道の管理改善に関する研究会」が発足した。10月6日に第1回委員会が開かれた。科研費を使った研究は終了したが、引き続き貯水槽水道の管理レベルを格付けするランキング表示制度の実現に向け研究を進める。委員長は早川・麻布大学教授。
     ランキング表示制度とは独自の検査項目で貯水槽水道の管理を評価し、優良施設に対してマーク(表示)を付与するというもの。管理のインセンティブを高めるのが狙いだ。昨年度は横浜市域を検査対象とする貯水槽水道登録検査機関に依頼し、テスト実施を行っている。この日の委員会では今後のスケジュールなどを確認した。今年度は横浜での結果を踏まえ、東京都でテスト(12月〜来年1月)する。改善すべきこととして、奥村・副委員長(全国給水衛生検査協会会長)は@評価項目の整理A判定時間を短縮するための事前の書類整備−を挙げた。これらの課題を克服しテストに臨む考え。早川委員長は「平成22年4月までに最終報告を取りまとめたい」としている。

  • 泉大津市上下水道局・湾岸部に無線検針システムを採用(10/5日本水道新聞)
      泉大津市上下水道局は、有線を介した集中検針盤で検針を行ってきた湾岸部の大口径メータに、第一環境が提案したメータ無線検針システムを採用、今年7月から切替えを進めている。過酷な使用環境によるメータ故障や断線等の問題を解消、信頼性の向上を図っている。現在までに11カ所の切替えが完了、順調に推移している。
     同局では、平成8年4月から検針用ハンディターミナル、11年2月から自動検針システムを導入、港湾の接岸部付近の大口径メータ(約90個)にはこれまで、電子メータによる隔測方式と自動検針方式を採用してきた。湾岸部メータの設置環境は、海水の影響を受ける過酷な使用条件で、メータ故障や集中検針盤の不都合、断線などが頻発、その原因も即座につかみにくいといった課題を抱えていた。そこで、今回、湾岸部メータの設置切替えを計画、「湾岸部メータの購入業者選定」をプロボーザルで実施、応募のあった4社のうち、第一環境が提案した湾岸部メータ無線検針システムを採用している。
     同社の提案は高畑精工製の電子メータと大崎データテック製の無線ユニット「ラムダス」の組み合わせによる無線検針システム。無線端末のラムダスは特定小電力無線を使用、誤り検出機能など高いデータ信頼性、短い通信時間、検満期間に対応可能な長い電池寿命などの特長を持つ。また、第一環境はすでに八千代市上下水道局、流山市水道局、狭山市上下水道部、長野市上下水道局にハンディターミナル無線検針システムの導入実績がある。
     今回の導入について、同局の芦高・次長・水道業務課長は「料金をいただく上で、検針の信頼性が一番重要となる。(この無線検針システムは)実績があり、故障が少なさそうな点を評価している。また、他の提案に比べ、コストも低かった」と評価している。設置工事は7月から実施、検満メータや故障メータを優先し、現在までに11個の切替えが完了している。今後も順次、切替えを遣め、平成24年度には完了する見込みとしている。湾岸部メータは、厚い二重の鉄板蓋や泥水埋没などの悪環境の状況下にあるが、同システムは30m以上離れたところから検針できるなど、性能の良さが立証されているという。設置された機器はいずれも正常に作動し、すでに8月分の定例検針を順調に終えている。

  • 東京都水道局・2回目の指定工事店研修を開催(10/1日本水道新聞)
      東京都水道局は9月11日、都庁第一本庁舎で平成21年度第2回「東京都指定給水装置工事事業者講習会」を開いた。都の指定事業者は約5000者で、講習会は1事業者あたり、おおむね3年に1回の割合で実施することとしている。今回の講習には338者が出席した。講習界の冒頭、酒井・給水部長は「水道界全体の発展のためには、皆さまとの連携が不可欠」と挨拶。この後、山田・指定事業者担当係長と都丸・給水装置係長が指定事業者制度や給水装置工事施工について講義した。

  • 水質関係

  • 関西水道水質協議会・水質衛生技術研究会を開催(11/12日本水道新聞)
      関西水道水質協議会は10月26日、第58回水質衛生技術研究会を大阪リバーサイドホテルで開いた。関係者ら約140名が参加する中、京都大学の伊藤・大学院教授のオランダ水道における微生物リスク管理をテーマにした特別報告のほか水安全計画に関する関西事業体の報告などが行われ、水道水質に関する最新の知見について一同理解を深めた。報告内容は次の通り。
     ▽大阪府における水安全計画への取組み(大阪府)▽神戸市における水安全計画への取組み(神戸市)▽FT-IRによる水道水中の異物分析(京都市)▽シングルレバー混合栓から流出する緑白色異物について(大阪市)

  • 釧路市上下水道部、柏崎市ガス水道局・水道GLPを取得(10/15日本水道新聞)
      釧路市上下水道部は8月25日付で、日本水道協会の水道GLPを取得、9月29日、御園・専務理事から薮田・公営企業管理者に認定証が手渡された。認定対象は同部水質管理課、認定番号はJWWA-GLP052 同市の水源である釧路川の水は、屈斜路湖から釧路湿原を貫流しているため有機物が多い。また上流域は酪農地帯が広がっており、アンモニア態窒素が高いのも特徴。こうした水質状況の中で、GLPを取得した意義は大きい。薮田管理者は「職員の検査に対する自信が深まった。技術の継承にも役立つ」と胸を張った。折原・水質管理課長は「通常業務との両立が大変だった」と振り返りながら、「今後は市民の皆さまにもGLPを積極的にPRしていきたい」と笑顔で語った。御園専務理事は「道東の代表都市の釧路が取得したことで、周辺地域のGLP取得拡大につながれば」と期待を寄せた。
     柏崎市ガス水道局は8月25日付で、日本水道協会の水道GLPを取得、9月29日、御園・専務理事から村木・ガス水道局長に認定証が手渡された。認定対象は同局浄水課赤坂山浄水場、認定番号はJWWA-GLP051。赤坂山浄水場・浄水課の蓮池課長は「6人という少人数で、年度初めからずっと書類作成などを行ってきた」と、苦労を経ての取得に顔をほころばせた。村木局長は「10万人以下の小規模都市でGLPを取得したのはうちが初めて」話し、9月1日の市長会見でも発表したことを披露した。御園専務理事は「取得を目指す10万人以下の都市の励みになると思う。先鞭を切ってくれた。中小都市もどんどんGLPを取得して、水質検査の信頼度を高めてほしい」と語った。

  • 中環審水環境部会・環境基準等の見直しを答申(10/8日本水道新聞)
      中央環境審議会水環境部会は9月15日、「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて」、環境大臣に対し答申した。環境大臣が平成14年8月、同見直しを諮問していたもので、同部会が第2次報告をとりまとめたもの。16年2月に出された第1次答申の中で課題として残されていた事項を整理するとともに、WHOの飲料水水質ガイドラインの改定および水道水質基準の改定を踏まえ検討してきた。
     答申では、@公共用水域において新たに人の健康の保護に関する環境基準項目として、1,4-ジオキサンを追加A地下水においては新たに地下水の水質汚濁に係る環境基準項目として、塩化ビニルモノマー、1,4-ジオキサンを追加、現行のシス-1,2-ジクロロエチレンにかわり、1,2-ジクロロエチレンを新たに地下水環境基準項目に追加B1,1-ジクロロエチレンについては、水質環境基準および地下水環境基準の基準値を見直し、現行の0.02mg/Lから0.1mg/Lとする−としている。さらに今後、農薬に関する項目等について環境基準の見直し等を行うため、引き続き検討を進めるとしている。環境省では答申を踏まえ、所要の措置を講じることになる。なお、同省は7〜8月、見直しの内容についてパブリックコメントを実施した。

  • トピックス

  • 第43回水道展が閉幕(11/19日本水道新聞)
      11月、12日の2日間、堺市の金岡公園野球場で開催された第43回水道展(主催=日本水道工業団体連合会)が約1900人の来場者を集め閉幕した。天気予報では、両日は時折小雨が降ると報じられていたが、初日の11日は予報を上回る大雨に変わるあいにくの天気に。来場者の出足は鈍ったものの、「その中でお見えになるお客さまは熱心な方が多く、対応しがいがあった」との声も。2日目は雨もあがり時折晴れ間となり、来場者も増加、会場は賑わいを見せた。
    <管路資機材>
     今年の管路資機材の展示は、ニーズを反映し、経済性や維持管理性に優れる製品が目立った。クボタは、新型の小口径耐震管「GENEX」を出展。施工コスト低減や長寿命化などの特徴に対する関心は高く、展示管の周囲は常に来場者で溢れていた。栗本鉄工所も、推進・パイプインパイプ工法時の継手性能を開削工法時と同等に発揮させ、耐震性に優れるさや管推進工法「EPS工法」、管路の長寿命化を実現する亜鉛アルミ擬合金溶射管、高強度ダクタイル管等を出展した。
     積水化学工業は、配水本管から第一止水栓までの融者一体管路を実現する「エスロハイパー給水システム」やPE管を用いた非開削工法などで、耐震化とコスト低減をPR。クボタシーアイは、施工効率を高めるEF片受直管・EF継手について、新発売の呼び径50、200も含めて全口径を展示した。また、今回の水道展には、第3回IWA-ASPIRE会議を無事終え興奮いまだ覚めやらぬ台湾・台北市の台北自来水事業處の一行が来場。特に不断水でのバルブ施工工法に関心が高く、大成機工やコスモ工機等のブースを熱心に見て回った。その大成機工では、分岐バルブを残置せずに不断水で着脱できる「耐震型特殊丁字管」や、管内部から既設管を耐震化・水密性向上可能な「内面継手補強工法」等を展示した。 また、コスモ工機は、ニーズを容れて新たに開発したNS形異形管受口付不断水分岐バルブ「コスモバルブ耐震U型」等を展示した。日之出水道機器は、通行者や施工者の安全性を追求、維持管理性も優れる「ROシリーズ」鉄蓋を出展。明和工業は、国内初の水道事業民営化の事例となる新潟県東港水道事業の事例を紹介するとともに、仮設 <処理設備>
     クリプトスポリジウム対策の必要性の高まりを受け、アタカ大機、磯村豊水機工、ウォーターテック、荏原エンジニアリングサービス、神綱環境ソリユーション、月島機械、東芝、扶桑建設工業、前澤工業、理水化学等各社が紫外線照射装置を展示。特に月島機械では、Aqua10での研究「表流水を原水とする浄水場への紫外線装置の適用実験」をブースで紹介した。
     前澤工業は、MIEX有機物除去システムの樹脂回収性を来場者に理解してもらおうと、試験装置の傍らに磁石を置いて沈降分離性をアピール。また、PTFE膜の試験装置を置き、性能をPRした。また、水道機工は、次亜冷却システム「スイオー薬品冷却装置」で飲料を冷やして来場者に配布。メタウォーターは、膜処理設備の省スペース性について、セラミック膜モジュール実機とそれを乗せた色つきカーペットの面積でアピールする等、各社工夫を凝らした展示を行っていた。

  • NEDO・水循環プロ新規委託案件2件を追加(11/19日本水道新聞)
      新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、今年度から5年間実施する「省水型・環境調和型水循環プロジェクト」の新規委託先2件を決定。また、実施中案件の中で「ステージゲート審査」への申請があった案件のうち、4件について上位に位置するフェーズヘの移行を決定した。11月2日公表したもの。新規委託案件は、水道技術研究センターおよびメタウォーターによる「東南アジア地域での高濁度河川水利用型浄化供給システムによる水循環事業」と、大阪市水道局等4者による「水道システムにおける高度水利用と持続的運営管理の調査」。後者の案件は、NEDOの事業として初の水道事業体の参画となった。
     新規採択案件2件は、いずれもフェーズ1(実施内容の簡易設計等)で採択。水道技術研究センターおよびメタウォーターの「東南アジア地域での高濁度河川水利用型浄化供給システムによる水循環事業」は、タイ国またはベトナム国において、飲用水源として未利用である高濁度河川水を対象とし省エネルギー型膜ろ過システムによる浄水供給システムの構築を目指し、実施可能性調査を行うもの。 また、大阪市水道局、関西経済連合会、東洋エンジニアリング、パナソニック環境エンジニアリングによる「水道システムにおける高度水利用と持続的運営管理の調査」は、ベトナム国・ホーチミン市を対象に、水源から蛇口までの水道のトータルシステムについて、最適かつ持続可能な水道システムの構築を目的として、その実施可能性を調査するもの。実施に当たり大阪市水道局は、「国内の経営環境がますます厳しさを増す中、本市水道事業の国際展開に当たってはこれまで蓄積した技術や資産を有効に活用することで、水道事業の持続性の確保と向上に資することを基本とし、今後とも議会でのご議論を賜りながら市民のご理解を得て、一歩一歩着実に進めていきたい」としている。
     また、今回、「ステージゲート審査(フェーズ移行に関する評価を実施)」に申請があった案件のうち、4件について後のフェーズヘの移行が認められた。同プロジェクトで初となるフェーズ3(実証機器の設置、試運転、実証研究(運転管理))への移行は、今回3件が果たした。案件は次の通り。今回の発表では、実証場所も明らかになった。
     ▽「海淡・下水等再利用統合システム事業(委託朱=東レ、日立プラントテクノロジー、実証場所=北九州市、周南市)」▽「中東等の海外新興地域における小規模分散型水循環事業(委託先=日立プラントテクノロジー、実証場所=UAE)」▽「オゾン処理による中国湖沼浄化プロジェクト(委託先=日揮、実証場所=中国雲南省潰池)」 また、フェーズ2への移行は1件。(「中国唐山市の工業地域での水循環システム事業」委託先=双日)

  • 明和工業・新潟東港臨海水道民営化の事業譲渡着々と(11/19日本水道新聞)
      新潟東港臨海水道企業団から新潟東港工業団地への上水道供給事業を譲渡される明和工業(本社・新潟市)は、利用者説明会を開くなど準備を進めている。県と新潟市、聖龍町が出資する同企業団の解散や関連条例の改正案が9月議会で可決され、12月1日の事業譲渡が確定している。譲渡額は2000万円で、土地・施設を譲り受ける。同企業団の簿価は8億9857万円(平成19年度末)。公営上水道事業の民営化は全国でも初めて。
     新潟東港臨海水道事業は計画最大給水量1万2350立方m/日に対し現行の平均給水量が約1500立方m/日と、当初計画より需要が低迷し、年間約5000万円の赤字を生んでいた。累積赤字は平成20年度末で7億3540万円に上る。こうした状況を受け、同企業団を完全民営化する案が浮上。昨年末に同企業団と構成団体(新潟県、新潟市、聖能町)は民間事業者から民営化事業計画を公募し、今年の1月に優先交渉権者として明和工業を選定した。その後、交渉を重ね8月に仮契約を締結した。多難な船出と見る向きもあるが、関根繁明社長は「赤字だからこそ、民間の即意で挑戦する」と意欲的だ。
     最優先課題は給水量の拡大。同企業団は新潟東港地域水道用水供給企業団から受水し、東港工業団地内(約15平方km)の267事業者に水道水を供給している。1立方mの単価は222円。これは新潟市の約2倍に相当する。このため、工業用水を購入し自社で浄水している企業が多い。この地域への工水の供給量は約8万立方m/日で、「このうちの一部を水道水に切り換えることができれば、採算ベースに乗れる」(関根社長)と見込んでいる。
     この実現に向けては、大口利用者に対する割引制度を新設するとともに、量水器の交換費用を負担するなど、利用者サービスを向上させていく。大口利用者に対する特別割引制度は、例えば契約月量が3000立方m以上だと、1立方mあたり110円、7200立方m以上だと85円と、大幅に割引する。加えて、大口利用者に対する新規加入者割引制度も設け、適用から3年間は1立方m当たりの単価を20円下げる。もう一つの"切り札"が利用者サービスの向上。水道事業者による検針や量水器交換費用の負担、水道料金の口座引き落としなど、新たな業務に乗り出す。こうした利用者目線に立ったサービスの提供で、新規契約の増加を見込んでいる。また、食品業界の不祥事が続き、安全な水の確保も重要な課題となっている。こうした背景から、「水質面では、うちの方が安全で安心。工業用水からの転換を検討する企業は多いはず」(同)と自信を見せる。さらなる給水量の増加を図るため、将来的には多様な水ビジネスにも挑戦する方針。東港に立地する水道事業者として、港を活用した事業展開も視野に入れている。
     同社はこれらの取組みが成功すれば10年後の平均給水量は、5951立方m/日になると試算している。計画最大給水量は1万2350立方m/日で変わらず。事業運営は同社内に「新潟東港水道事業部」を新設し、10人(うち1人が専任)体制で臨む。配水施設維持管理や水質検査などは当面、これまで通り同用水供給企業団へ委託するが、段階的に同社が直営で行う方向だ。運転監視も現在、同用水供給企業団が行っているが、直営体制への移行を見据え、機械設備の24時間監視装置を社内に新設し、将来的には運転遠隔操作の設備も導入したい考えだ。既存設備の更新や整備も進める。ポンプや高圧受電設備など機械設備を中心に更新する。費用は今後10年間で、約2億円になる見通し。10年後以降も、法定耐用年数を迎えた施設から順次、更新を進める方針。管路更新は自社内のノウハウを生かし、コスト削減が可能としている。災害時の対応も重要な課題だ。関根社長は「日本水道協会に加盟し、他の水道事業体と連携していきたい」と話す。中越地震、中越沖地震をはじめとする災害復旧経験から「仮設配管などはうちの得意分野」と水道機器メーカーの強みも強調した。「まずは水道事業を軌道に乗せ、黒字化することが先決」。関根社長は力を込めた。
     県、新潟市、聖籠町は同社との協定書の中で、同社が事業を継続できなくなった場合は「三者の責任で安定供給の確保を図る」との規定を盛り込んでいる。また三者の承諾がない限り、譲り受けた水道設備や土地などを同社が第三者に転売できないとし、セーフティーネットも確保している。

  • 東京都水道局・主要事業計画を公表(11/19日本水道新聞)
      東京都水道局は、平成22年度の水道・工業用水道事業の主要事業計画を明らかにした。水道の財政収支は、収入が4628億1800万円、支出が4508億7100万円で、この額から平成19年度より積み立てている大規模浄水場更新積立金50億円を差し引いた実質資金収支は69億4700万円の黒字、累積でも84億8700万円の黒字を見込んでいる。資本的支出は1509億6800万円で、うち建設改良費は、対前年度比14ポイント・138億5900万円増の1115億6400万円。建設改良事業としては、管路の耐震性向上に向け、事業のペースをアップ。年間350kmを耐震管に更新するほか、平成25年の利根川水系の完全高度処理導入へ向けた施設整備が本格化。また、22年度の奥多摩水道の一元化に向けた施設整備にも着手する。
     22年度は次期経営プランの初年度に当たる。次期プランは経営問題研究会などで外部意見を取り入れながら策定を進めている。現段階で詳細は未定だが、現行の東京水道経営プラン2007の基本路線は踏襲・継続しつつ、アセットマネジメント手法の活用に加え、管路の耐震性向上に向け、年間の耐震管への取替え延長を、現行の291kmから350kmまで拡大するなど、今日課題や社会の要請に対応したものになる見通し。主な取組みは下表<重点施策の概要>の通り。
     このほか、新規施策としては、都内約400校の公立小学校を対象に実施している水飲栓直結給水化モデル事業の対象を公立中学校まで拡大。これにより対象が約200校増加する。また、指定工事店の窓口での負担を軽減するため、図面データの電子化をはじめ、給水装置工事の電子申請等を導入する。水源関係では、同局が小河内ダム周辺に保有する水源林近郊の民有林をモデル的に購入し、水源かん養機能の向上を図る。水道の年間配水量は、21年度予算費3212万立方m減の16億308万立方mで、給水件数は8万4000件増加するものの、給水収益も同比54億9700万円減の3165億9700万円と厳しい状況になっている。その一方で漏水率が同比0.2ポイント減の3.1%になるため、有収率は同比0.3ポイント増の95.5%となっている。
     主要整備事業には同比80億円増の980億円を計上。内訳は水源および浄水施設整備が320億円(対前年度予算比20億円増)、送配水施設整備が590億円(同50億円増)、給水設備整備が70億円(同10億円増)。水源および浄水施設整備事業には、八ッ場ダムの分担金などを30億円計上しているほか、25年度の利根川水系完全高度処理導入に向け、金町・三郷・朝霞浄水場の高度浄水施設の建設に210億7800万円を計上している。金町は23年度、三郷・朝霞は24年度に整備を終える予定。多摩地区については、青梅市の成木浄水所で小規模浄水所の整備を終えるが、22年度からの奥多摩水道一元化に向けた施設整備に着手。今年度は取水施設の改良工事などに1億3000万円を計上している。そのほか、金町浄水場の横型加圧脱水機の増設など、既存施設の更新に67億900万円を計上している。
     送配水施設整備事業では、224億8900万円を費やし送配水管を56km新設するほか、経年管や初期ダク管を耐震管に更新していく。送配水管の年間の取替え延長は168kmで、この部分の予算額は255億5000万円。全ての管路の更新延長は350km。このほか、江北・大谷口給水所の新設、多摩平浄水所の拡充などに84億6100万円を計上している。給水設備整備事業では、公立小学校を対象に進めていた水飲栓直結給水化モデル事業の対象を公立中学校まで拡大。来年度は60校で実施する。予算額は4億4200万円。このほか、大口径給水管435栓の耐震強化(9億6100万円)を進めるとともに、私道内の給水管整備等(52億9700万円)では49kmを新設する。私道内の給水管整備の基準を拡大したため、事業費が対前年度予算比11億4600万円増加している。
    <重点施策の概要>
    【安定給水の確保】▽安定水源の確保(安定した水源の確保)▽震災対策の推進(原水連絡管の二重化、水道施設の耐震強化、送配水管ネ、ツトワークの強化、耐震継手管への取替、給水所の新設・拡充、危機管理体制の強化)▽大規模浄水場の更新に備えた取組(大規模浄水場更新積立金の積立、アセットマネジメント手法の活用)
    【安全でおいしい水の供給】▽高度浄水処理の着実な導入(高度浄水処理の着実な導入)▽残留塩素の低減化(追加塩素注入設備の設置等、貯水槽水道における取組)▽貯水槽水道の適正管理(貯水槽水道の適正管理および直結給水化の普及・促進)
    【お客さまサービスの展開】▽お客さまの利便性の維持向上(お客さまの利便性の維持向上、給水装置工事の電子申請等)▽お客さまとの相互理解の推進(戦略的広報の推進、お客さまの声データベースの活用、地域に密着した取組の推進)▽水道施設のイメージアップ(施設の開放促進、給水拠点の周知等)
    【次世代を見据えた施策の推進】▽水道文化の継承(公立小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業、水道キャラバン、玉川上水の整備活用)▽低炭素型社会づくりへの取組(自然エネルギーの活用、配水池の地上化・直結配水化、トータルエネルギー管理システム、民有林のモデル購入による水源かん養機能の向上)▽国内外の水道界への貢献(国際貢献への取組)
    【経営基盤の強化】▽一体的事業運営体制の推進(一体的事業運営体制の推進、監理団体に対する指導監督の徹底)▽多摩地区水道の広こ域的経営など(多摩地区水道経営改善の着実な推進、奥多摩水道事業の都営一元化、近隣事業体との連携)▽多様な経営管理手法の活用(業務指標を活用した目標管理、外部の専門的意見の反映、民間企業に準じた財務諸表の試算、新た契約手法の導入)

  • 青森市企業局・創設100周年記念式典を開催(11/19日本水道新聞)
      青森市企業局は11月9日、市内のホテルで、水道創設100周年記念式典・祝賀会を開催、鹿内・市長はじめ、関係者約200人が出席した。同市の水道は明治42年12月、八甲田連峰を源とする横内川を水源に、全国13番目の近代水道として通水を開始。戦禍による中断を余儀なくされるも、水需要の増加に応じて3次にわたる拡張事業を実施、平成17年に浪岡町と合併、18年度には田茂木野簡易水道を統合し、計画給水人口35万3200人の水道事業となっている。
     また、創設の横内浄水場の水道水は、昭和59年に厚生省(当時)の「おいしい水研究会」から、科学的な数値と利き水から、一番おいしい水と評価された。その水源を守るため、平成4年から集水地域で植林を開始、21年度までに延ベ9,841人のボランティアが協力し、17万4000本のブナやミズナラなどを植えている。
     式典では、通水100年の歩みをDVDで上映した後、主催者の鹿内市長が挨拶。「(青森市の水道は)これまで市民の命と暮らしを守り、市民生活の向上と産業経済活動を支え、市発展の一翼を担ってきた。歴史を振り返ると、第2次世界大戦中の水道施設への攻撃の恐怖や、昭和43年に発生した十勝沖地震で市内の半数が断水するなど、決して順風満帆だったわけではない。また、構内川の水源地が森林伐採や工場建設などで周辺開発が進み、土砂流出による水質汚濁が問題になったため、上流部での開発行為を防ぎ水源環境を保全するため、要綱や条例で規制するとともに、緑のダムづくりを目指して植林事業を進めるなど、水源保護施策に重点的に取り組んできた。この結果、自然に近い状態で水道水を供給しているが、次なる100年に向けて、より一層おいしい水を守り育み、次の世代に確実に引き継ぐため、努力を継続していきたい」と決意を述べた。来賓の祝辞に続き、植林事業に対する寄付やボランティア活動に協力した方々に、鹿内市長が感謝状を手渡した。

  • 京都市上下水道局・琵琶湖疏水記念館、開館20周年でニューアル(11/19日本水道新聞)
      京都市上下水道局は10月30日、開館20周年を機に、琵琶湖疏水記念館のニューアルを行い、オープン式典を開いた。席上、門川・京都市長をはじめ、多くの関係者が出席する中、大正時代の疏水周辺の復元模型をはじめ、各種展示内容を充実させたリニューアル完了を祝った。西村局長は「今後とも市民に親しまれる記念館となるよう努めていく」と意気込みを語った。疏水記念館は、明治23年に竣工した疏水事業100周年を記念し、先人の遺業顕彰などを目的に平成元年に建設された施設。水道のほか、発電、電車関係の「京都市三大事業」の展示もある。

  • 東京都水道局・21年度研究発表会を開催(11/19日本水道新聞)
      東京都水道局は10月14、15、16日の3日間、新宿区の角筈区民ホールで平成21年度研究発表会を開いた。水源から給水装置、事務までの多様な分野から44編の報告があり、普段の業務で培った知見が披露された。「実規模下降管式オゾン接触層における臭素酸生成量の予測」では、供給水のpH低下、溶存オゾン濃度制御位置の前段への変更および濃度の調整などの臭素酸生成量を抑制する対策について、実験装置での実験結果をモデル化して、実規模施設での抑制効果を推定。その結果、平均的な供給水質の場合、臭素酸生成量は基準値の約17%と推定されるとともに、これらの対策を実施することで、生成量を35%低減できることを確認した。
     「貯水槽水道点検調査の結果報告」では、給水区域内の全ての貯水道水道を対象に実施した調査の結果を報告。16〜20年度には現状を調査し、改善が必要な貯水槽に改善指導を実施、18年度からはフォローアップ調査に着手しているほか、調査の際に、直結給水へ切り替える際の見積りとその内容説明を無料で行う「直結切替え見積りサービス」を紹介した。その結果、約7%がD判定(水質異常が認められる)、C判定(将来異常が発生する恐れがある)で、そのうち約7割がフォローアップ調査までに改善されていた。なお、C・D判定のうち、約45%が1立方m以下、約95が10立方m以下と報告、小規模貯水槽の管理が不十分な実態が浮き彫りになっている。
     「米軍基地内の火災事故に伴う水道料金の請求」では、横田基地内で発生した火災事故で消防用として使用した水道水の料金徴収が可能か否か、関係法令などと照らし検証。水道法の規定では不徴収となるが、日米地位協定等で、消防に責任を負う者として横田基地への消防用水の料金相当額を請求する権利は担保されており、計量した全水量に基づく金額を請求したことなどを話した。

  • 横浜市水道局ら・TAP YOKOHAMA 協力企業に感謝状(11/19日本水道新聞)
      横浜青年会議所、横浜市水道局、日本ユニセフ協会は10月29日、TAP YOKOHAMAの運営に尽力した26企業・団体を招き、感謝状贈呈式を開いた。TAP YOKOHAMAは、通常は無料で提供される"水"に募金をしてもらい、ユニセフが実施するマダガスカル南東部の13校の給水設備の設置、衛生状況の改善などのプロジェクトを支援するもの。7月23日〜8月31日までの約40日間、400を超える飲食店の賛同を得て435万円の募金を集めた。
     式典では、主催者である青年会議所の徳増・理事長、共催看である同局の斎藤・水道事業管理者水道局長が、感謝の言葉を述べた後、同協会の早水・専務理事が感謝状を手渡した。徳増理事長は、「当たり前のことに気付いて感謝して、その気持ちを形にしようと、水に関する活動に着手した」と活動の背景を説明。斎藤管理者は、「当たり前のように蛇口からおいしい水が出てくることに対して感謝の気持ちを持つように社会に広く訴えながら、TAP YOKOHAMA などの取組みを継続し、こうした気持ちを社会貢献に繋げていきたい」などと述べた。

  • 石見沢市水道部・通水100周年で記念史を発刊(11/19日本水道新聞)
      石見沢市水道部は、通水100周年を記念して、100年史を作成した。明治41年の近代水道創設から現在までの水道史を振り返るとともに、老朽管の更新などの現在の課題を指摘。この解決に向けて、平成18年の市町村合併に伴う水道料金の統一に併せ実施した、水道料金値上げの経緯などを解現している。また、管理不十分が原因の事故2件を詳細に解説し、当時の新聞のコピーも掲載。後世に水道水の管理の重要性を強調すると同時に、再発防止への注意を呼びかけている。
     未開の地に光が指したのは明治17年。集団移住により開拓の鍬が下ろされた。当初は井戸や川の水を生活用水に使用していたが、この地域は泥炭層で水質が悪く、水道建設の機運は高かった。実際に明治19年、利根別川の水を素焼土管で導水する開拓水道を布設している。これは明治6年に横浜で建設された木樋上水道に次ぐ、全国2番目、北海道では初の水道建設。近代水道の創設は、明治41年。これは北海道では函館に次いで2番目、全国でも13番目の給水開始で、当時の岩見沢村の年間予算の4倍もの巨費を投じたというから、いかに水道建設が望まれていたかが伺える。
     通水以来100年が経過し、老朽施設が増大。そこで同部では、送配水管整備&事業統合整備計画を策定、老朽管の適切な更新・耐震化、連絡管の布設、配水他の耐震化などを進めることを打ち出した。この事業費を確保するため、市町村合併に伴う料金統一と併せ、旧岩見沢市の水道料金を39%値上げしている。このうち19%を一般会計からの繰出しで賄うことで、市民の負担は20%に抑えている。料金改定は28年ぶりであることから、市民の理解を得るべく、渡辺・市長がリーダーシップを発揮し、市内10会場で市民説明会を開催している。100年史には、こうした岩見沢水道の歴史が凝縮されている。ご興味のある方は一読されてみてはいかがだろうか。

  • 中国長興県研修派遣団・水団体連会員企業などと意見交換(11/19日本水道新聞)
      中国・浙江省長興県の水道研修派遣団4名が11月13日から16日まで日本を訪れ、水道施設を視察するとともに、厚生労働省、日本水道協会、水道技術研究センター、日本水道工業団体連合会の会員企業などと意見交換した。昨年、北京で開かれた厚労省と中国・建設部による日中水道セミナーの中で、技術交流等について交わされた覚書に基づいて研修を受け入れたもの。
     意見交換では中国の住宅・都市農村建設部、長興県(市)建設局の幹部と民間水道会社2社の社長が、それぞれ中国の現状や課題、問題点を挙げ、日本側に@漏水対策A浄水場の省エネ対策B直接飲用C富栄養化(アオコ)対策D監視モニタリングなどの方策の助言を求めた。日本側は、中国での高度浄水処理の条件や可能性などについて聞いたり、管路情報の把握、調査の必要性を指摘した。中国倒が要望する技術テーマは昨年から上がっているもので、今年12月に予定している中国での意見交換でも引き続き話し合う。

  • 日本水道新聞社・20年度水道事業セミナーを開催(11/19日本水道新聞)
      日本水道新聞社主催の平成20年度水道事業セミナーが10月29、30の両日、「給水の安全性確保とお客さまサービス」をテーマに、大阪市のウェルシティ大阪で開催された。このセミナーは、水道事業が直面する問題点を取り上げ、全国の水道事業体の協力と日本水道協会の後援により毎年、開催しているもの。今回は日本水道協会副会長都市である豊中市上下水道局の協力により、関西地区を中心に水道事業体、民間企業などから約80人が参加。安全で快適な給水の確保を第一に、適切な給水装置工事のあり方やトラブル防止、悪質商法対策、さらにセミナーのサブタイトルの「蛇口の向こう側に向けた情報堤供を考える」を踏まえ、水道利用者の視点に立った活発な質疑、情報交換が展開された。
     基調講演は豊中市の水川・上下水道事業管理者と横浜市水道局の川名・経営企画担当部長。事例報告には、櫛田・堺市上下水道局営業部長、田中・大阪市水道局技術監、阪口・豊中市上下水道局経営部長、三浦・日水協工務部副主幹、濱崎・日本バルブ工業会水栓部会長、大江・給水システム協会が、それぞれの取組み、今後の課題等を中心に解説した。さらに、最終日のパネルディスカッションでは前日水協工務部管理監の石川剛氏をコーディネーターに、給水装置工事事業者の取扱いや情報提供などのお客さまサービスのあり方、また給水の安全性確保への取組みや第三者委託など水道事業の経営の効率化をテーマに、質疑応答が活発に展開された。

  • 外務省・ボリビアで水道整備の援助(11/19日本水道新聞)
      外務省は10月21日、ラパスでポトシ市リオ・サンファン系上水道施設整備計画のための贈与に関する書簡をボリビア多民族国政府と交わした。援助の目的と内容は、同計画を実施するために必要な生産物および役務の購入で、限度額は13億1600万円、供与期限は平成26年12月31日まで。

  • 神鋼環境ソリユーションら4者・周南市で先進的モデル事業の見学会(11/19日本水道新聞)
      神鋼環境ソリユーション、東レ、日立プラントテクノロジー、山口大学の4者が実施している経済産業省の平成20年度「低炭素社会に向けた技術シーズ発掘・社会システム実証モデル事業」である「臨海工業都市における水資源循環システムの低炭素・低動力プロセスの開発」の現地見学会が10月28日、周南市の徳山東部浄化センターで開催された。同事業の協力機関は、山口県および周南市。
     同事業は、臨海工業都市の水不足対応を目的に、下水処理水の再生水と海水淡水化処理を複合した「低動力造水プロセス」により、造水プロセスの省エネルギー・低炭素化を自指すとともに、地域の渇水対策や海外の水資源問題対策への貢献に努めるもの。プロセスは、下水の膜分離活性汚泥法(MBR)とRO膜による下水再生処理、およびRO膜による海水淡水化処理を組み合わせるもの。RO膜を通した低塩濃度の下水再生水で海水を希釈することで、海水の浸透圧を下げ、従来の海水淡水化と比べてポンプ動力を低減させることが可能となる。また、下水・海水の処理がともにRO膜を用いることから、安定して良質な造水にもつながる。
     同見学会は、周南市が主催。当日は、島津・周南市長、八戸市議会の港湾振興対策特別委員会など大勢の関係者が現地の試験装置(生産水量=50立方m/日)を視察。先導的なモデル事業に対する関心の高さを伺わせた。同市では、「周南石油コンビナートの安定的操業や生産拡大、臨海部への企業進出等を図る上で、渇水時期の工業用水不足を解消し、また新たな水資源を確保することが急務となっている。今回の実証モデル事業は、本市にとって水資源確保方策の重要な知見となるもの。また、本市においてこうした地球温暖化防止に向けた先進的モデル事業が実施されることは、環境立市周南市の実績を積み上げるもの」と期待を寄せている。今後、ベンチ試験装置では、消費電力の低減効果やCO2削減効果などを検証していく。

  • 水道技研セ「水道サロン」・100回目を迎え河村勧さんの記念講演(11/19日本水道新聞)
      100回目を迎えた水道技術研究センターの「水道サロン」が先月末、米国水道協会の「水道殿堂」入りを果たした河村勧さんを迎えて記念講演を行った。河村さんを紹介した理事長の藤原さんは 「かつて米国での会議の帰りロサンゼルスの浄水場を見て驚いた。当時の日本では設計指針に基づいて作られていたが、米国は違って自由で大胆な設計になっていた。その設計者を聞いたらなんと日本人の河村さんだった」と米国での活躍ぶりを賞賛。
     河村さんは「南十年も日本語をしゃべっていないので、うまく話せないかもしれませんが」と前置きしつつも、凝集剤について「なぜ日本ではポリマ(カチオン系高分子凝集剤)を使わないのか。世界中が使っているのに」。ろ過池の洗浄について「日本の逆洗は長すぎる。8〜10分くらいでいい」とデータを示しながら刺激的かつ示唆に富む話を披露。さらに「日本はおいしい水(の追求)ばかりではダメ。世界に通用する議論を」「官民連携は米国では当たり前。お互いに尊重し合っています」とまさに日本の水道にカンフル剤を打つような言葉。
     河村さんの渡米のきっかけは「若い頃、長い間苦労して蓄積した自分のデータを先輩の論文に横取りされたことから、自由で実力で勝負できるアメリカに渡った」のだという。その不屈の闘志と意志が、ジャパニーズ・サクセス・アメリカン・ドリームを実現したのだと改めて納得。

  • 第43回水道展が開幕(11/12日本水道新聞)
      日本水道工業団体連合会の主催、堺市・日本水道協会・本社などの共催による第43回水道展が、堺市・金岡公園野球場で盛大に幕を開けた。当日は、時折雨が強く降るあいにくの天気。しかしながら、1年間の水道関連技術の集大成の場とあって、開場入口には傘をさす大勢の来場者が集まり、開場を待ちかまえていた。恒例のテープカットは、会場入口で催され、開催地・堺市の澤野・上下水道事業管理者をはじめ、粕谷・厚生労働省水道課長、御国・日本水道協会専務理事、渥美・日本水道工業団体連合会副会長が並んで紅白のテープを切り、水道技術の祭典がスタートした。

  • 大阪府水道部、大阪市水道局・府市水道統合の説明会を開催(11/12日本水道新聞)
      大阪府水道部と大阪市水道局は10月28日、府市水道事業統合に関する説明会を開いた。府市は9月に、市が府の用水供給事業を無償で受託する「コンセッション型指定管理者制度」の導入などで合意。説明会は合意後初めて受水市町村を対象に開催したもので、42市町村全てが参加、府の担当者からこれまでの協議の変遷や同制度の概要などが説明された後、質疑応答を行った。受水団体からは、「今のままではメリットが見えない」「府民のガバナンスは担保できるのか」などのさまざまな意見が出された。今後受水団体は、府営水道協議会で意見や不安を集約し府へ提出、府市からの回答を判断材料としてそれぞれの首長へ提出する意向を示した。
     市は当初、市議会が議決権を持つ協議会方式を提案していたが、民意の反映が担保されないなどの反対意見が出ていた。そこで協議会方式を凍結し、3月の知事・市長意見交換会でコンセッション塾指定管理者制度を提案。知事の賛同も得ていたが、5月に府が単独で料金を値下げすると表明。その原資の考え方や統合協議に及ぼす影響などについて協議し、最終的には9月にコンセッション方式の導入に向け、両者が協力していくことなどを合意している。現在、府による単独値下げは撤回、市が提案していた25年度からの料金値下げを3年前倒し、22年度から料金を値下げするよう検討を進めている。
     説明会では、府の担当者がこれまでの協議の経過やコンセッション方式について説明。同方式は、市がコンセッション型の指定管理者として、運転管理や建設改良、料金徴収を含む府の全ての事業を受託するスキーム。事業権の譲渡に当たっては、府と市が基本協定を締結し、年度ごとに事業計画などに関する契約書を取り交わす。施設は府が所有したまま市に無償貸与。受託期間は23年度から20年間程度を予定している。料金の決定などは府議会が行い、浄水場の運転管理等に従事する府の職員は派遣という形で市が受け入れる。
     市の余剰水量70〜80万立方mを府域に送水することで、府の施設整備費用を2460億円程度削減、25年度から用水供給料金を10円/立方m程度引き下げるなどとしている。このスキームでは、大阪市からの送水を補完する府市連絡管の整備が必要になるため、説明会では受水市町村へ理解と協力を呼びかける場面もあった。受水市町村は、府営水道が毎年30〜50億円黒字を計上しているのに加え、琵琶湖総合開発の負担金支出が終了すれば、さらに経営が安定するとして、統合協議と別個に料金値下げを要望している。一方、府は5月に単独で10円値下げすると表明していた。
     説明会では、こうしたことに触れながら、「さらなる料金の値下げや安定性の強化などのメリットが明確にならなければ、直ちに統合しなければならない理由が見えない」「"こう変わる"だけではメリットが見えないし、府市統合で料金値下げが消えるのならば、何のための統合なのかわからない」などの短期的利益を求める声が寄せられていた。そのほか、「府営水道の既存計画の継続」「受水市町村の意見の反映」「契約期間中の安定供給の担保」「府民全体のガバナンスの保証・担保」「用水供給事業の利益配分」など、スキームに対する疑問が数多くあった。

  • 京都市上下水道局・簡水が竣工、20地域全ての簡易水道整備が完了(11/12日本水道新聞)
      京都市上下水道局は11月3日、別所・百井簡易水道(左京区、給水人口180人)の竣工を祝い、式典を開いた。同簡易水道の竣工により、20地域全ての簡易水道整備が完了したことになる。式典には、門川・京都市長をはじめ、多くの関係者らが出席する中、通水セレモニーなどが行われ、地元住民待望のライフライン整備を祝った。同局では、住民からの要望を受け、19年10月に同簡易水道工事に着手した。深井戸を水源とし、浄水方式は急速ろ過。給水量は81立方m/日となっている。このほか、配水池(52立方m×2池)、配水管(総延長約3420m)、消火栓24基などを整備、事業費は約5億4200万円を計上している。

  • 土木学会・21年度土木遺産に2水道施設(11/12日本水道新聞)
      土木学会は平成21年度土木学会選奨土木遺産の認定施設を公表。水道関係では、剣崎浄水場(高崎市)と小ケ倉(水道)堰堤(長崎市)が認定された。剣崎浄水場は明治43年に竣工。緩速ろ過の貴重な浄水場として評価された。小ケ倉(水道)堰堤は、大正15年に竣工した。中島鋭治氏による設計で、当時としては、日本で最も高い水道専用ダム。瀬戸内産の御影石を張った重厚な壁体は遺産としての価値も高い。

  • 工水協・51回通常総会を開催(11/9日本水道新聞)
      日本工業用水協会の第51回通常総会が10月30日、都内のアルカディア市ヶ谷で開かれた。会員ら約120人が出席した。これまで前年度事業報告・決算のため6月に行っていた臨時総会を通常総会として開催することなどを盛り込んだ22年度事業計画案のほか、収支予算案、後任役員の選任案などが審議了承された。また、公益法人制度改革に伴う公益社団法人か一般社団法人かの移行に関しては、それぞれのメリット・デメリットを勘案し、同協会の方向性を定めるとした。23年度中にいずれかの認可を受ける方針であることも明らかにした。
     議事終了後、経済産業省地域経済産業グループの斉藤・産業施設課長が「工業用水道事業を巡る動向」について講演した。その中で、地方分権改革推進委員会が、地方自治体に対する国の義務付け・枠付けや国の出先機関の見直しを求めていることに言及した。工業用水道事業では「工業用水道の施設基準」や「経済産業局事務・権限のうち、自家用工業用水道布設の届出等に係るもの」について、見直される可能性があることを示唆した。
     工業用水道事業関係予算の説明では、21年度補正予算は大幅な見直しはなく、約4億円が執行可能であることを報告した。ただ、22年度予算は前年度予算と比べ2割減の約24億円となる見通しであるで伝えた。神田会長(愛知県知事)は挨拶で「協会として、工業用水の安定供給や事業経営の健全化に向け、どのような役割を果たしうるのか、何をどう改善すべきかを真剣に検討すべき時だ」と語った。

  • さいたま市水道局・検討委が改訂長期構想を報告(11/9日本水道新聞)
      外部環境の変化を受け、平成16年に策定した水道事業長期構想のフォローアップを進めていたさいたま市水道局は10月30日、検討委員会の最終会合を開き、改訂版水道事業長期構想を報告、承認。渡辺・水道事業管理者に報告した。改訂版では、50施策のうち11施策の内容を見直したほか、新たに2施策を追加。このほかの施策は引き続き継続していく。既存プランの見直しであるため、議会への報告・議決を経ずに来年の1月下旬にはホームページなどで公表する。同構想の内容は、来年度から策定に着手する新中期経営計画(23〜27年度)に反映させていく。
     同局は平成16年9月、水道事業のあるべき姿と今後の方向性を指し示すべく、「水道長期構想」(16〜32年度)を策定。「いつでも信頼される水道」「たくましい水道」「環境にやさしい水道」の3つの基本理念を掲げ、その下に6つの基本施策を設定。その実現に向けて50の施策を示している。この長期構想の実現に向け、18〜22年度の5年間の実施計画「中期経営計画」を策定し、着実に事業を進めてきた。
     長期構想策定後、17年には岩槻市と合併し、20年には水安全計画の策定ガイドラインの取りまとめ、改訂版水道ビジョンの公表、技術的基準を定める省令の一部改正が行われるなど、同市水道事業を取り巻く環境が大幅に変化。このため、同局は学識者や使用者で構成する検討委員会を設置し、長期構想のフォローアップを行ってきた。フォローアップに当たっては、継続中の事業も多いことから、現段階で直ちに数値目標は見直さず、構想の基本的な方向性は維持しつつ、施策の達成状況をレビューした。
     その結果、水安全計画の策定と小中学校の直結給水推進を新たに追加。このほか、耐震化の進め方を改正省令に準じて見直すとともに、環境や国際貢献、人材育成に関する施策により具体的文言を盛り込むなど、9施策の内容を見直している。水道GLPや環境会計の導入については、目標を達成したが内容を見直して継続。これ以外の39項目は引き続き継続する。具体的数値目標は来年度から策定に着手する中期経営計画(23〜27年度)で定めていく。新たな長期構想が盛り込まれるのはこの計画から。
     30日の委員会では、事務局が水道事業長期構想(改訂版)の案を説明、満場一致で承認された。委員会終了後には、報告会が開かれ、石井委員長が渡辺管理者に報告書を手渡した。渡辺管理者は、「水道を取り巻く社会情勢は非常に厳しい時代だが、『いつでも信頼される水道』であり続けるため、長期構想を指針として、より良い水道サービスの提供に全力で取り組んでいく」と力を込めた。内容を見直した9施策は次の通り。
    【安全】▽貯水道水道への関与・調査を強化するとともに、直結給水システムを普及・拡大する
    【震災】▽水道施設の耐震化を推進する
    【サービス】▽給水装置、小規模貯水槽水道などの訪問点検サービスを実施する▽水道局電話受付センターでの窓口サービスを強化する
    【健全】▽中長期の財政計画を策定し、財政とバランスのとれた施設整備を進める▽コスト縮減や民間活力の導入などにより、事業の効率化を図る▽人材開発計画を作成し、職員の能力開発に努め、研究発表や技術報告、国内関連団体への派遣等を積極的に行う▽発展途上国などへ職員を積極的に派遣し、水道を通じて国際貢献を推進する
    【環境】▽水道工事における3Rを積極的に推進する

  • 川崎市水道局・水道料金を3年間限定で値下げ(11/9日本水道新聞)
      川崎市水道局は、22年4月1日から水道料金および工業用水道料金の改定を行う。水需要の伸び悩みや大口使用者の減少などの事業環境の変化に見合うよう料金制度を見直すとともに、平成14年から進めてきた行財政改革の効果を期限付きで利用者に還元する。具体的には、基本水量や最高単価の引き下げを行うほか、3年間の期限付きで一律50円/月(税抜き)値下げする。改定額は合計で年間マイナス6.2億円。内訳は、基本水量・最高単価の引き下げなどがマイナス約1.9億円/年(改定率=マイナス0.8%)、期限付き一律値下げがマイナス約4.3億円/年(同=マイナス1.86%)。
     同局は、耐震化計画を策定して、施設や管路の耐震化を進めている。今回の値下げは、あくまで耐震化の余剰分で賄うため、計画に影響はないとしているが、施設更新の財源確保のための値上げに踏み切れない事業体が多い中、水道界への影響は大きそうだ。料金制度の見直しは、同局の諮問機関が2月にとりまとめた答申「川崎市水道事業及び工業用水道事業の料金制度のあり方について」を踏まえたもの。基本水量を10立方m/月から8立方m/月に引き下げ、従来10立方mと8立方mの2段階だった基本料金を統合した。最高単価についても、1月500立方mを超え1000立方mまでの超過料金を346円から343円に下げるとともに、月1000立方mを超える区画では、360〜411円とばらつきのあった超過料金を357円に統合。水量区画も13区画から10区画に整理した。
     行財政改革の効果還元では、施設の耐震化による安定給水の確保という形で市民に還元するほか、3年間限定で月額50円値下げする。耐震化計画では、平成30年度までに、配水管の更新率を現在の1.38%から1.68%に引き上げて60年サイクルで更新していくほか、管路の耐震化率を現在の15.3%から30.9%への引き上げを目指していく。工業用水道料金は基本料金を1立方mにつき40円50銭から34円40銭に引き下げるとともに、使用料金を新設して、基本料金と使用料金の二部料金制を導入する。

  • PFI/PPP推進協議会・仏の包括委託手引きの日本語版発刊(11/9日本水道新聞)
      フランスで最もよく利用されている独自の包括委託の手法について解説した「水道アフェルマージュ標準契約の手引き」の日本語版が刊行された。アフェルマージュは、フランスの水道分野ではごく一般的な契約概念で、日本での包括的民間委託とは異なるもの。浄水場などの運転管理業務を委託するのではなく、水道サービス全体の業務を委託して、受託者はその対価としての水道料金を住民から徴収するという契約方式。公民連携が課題となっている日本にとっても参考となりそうだ。
     「手引き」ではアフェルマージュの基本概念とともに、アフェルマージユ契約の標準契約条文を示し、解説している。2001年にフランス自治体長会により刊行されたものを、今年、日本のPFI/PPP推進協議会(自治体77団体、民間企業34社)が日本語版として発刊した。翻訳は美原融氏で、協力はヴェオリア・ウォーター・ジャパンの池田修理事。購入申込みは同協議会事務局 電話03(3502)4444 まで。

  • 日水協・新パンフ「日本水道のネットワーク」を作成(11/2日本水道新聞)
      日本水道協会は、協会の組織や活動を紹介した最新のパンフレット「日本水道のネットワーク」を作成した。日水協が地方自治体による地方自治体のための組織で、地方支部や都府県支部などが相互に支え合うネットワークであることをあらためて示したもの。特に首長や議員、一般市民に向けたアピールとなっている。11月11日から大阪・堺市で開催する第78回総会会場で配布する。

  • 東京都水道局・課題解決へ研究着々(11/2日本水道新聞)
      東京都水道局は、研修・開発センターを中心に、局事業の課題解決に向け、水道メータや管内の爽雑物除去など、さまざまな分野の研究開発を行っており、今年度の研究開発報告会でも7題の研究会開発の状況が報告されている。現在研究が進められている案件の中から、来年度をめどに実機の製作や試験採用に進むなど、実用化に近い技術「小型管内調査ロボット」「モバイル型検針」の2件を紹介する。
     開発した「小型管内調査ロボット」は、口径400mm以上の管路を不断水で調査できるもので、口径75mmの空気弁から不断水で挿入、下流に流されて進みながら、本体の傾きだけで姿勢を制御し、前方と側方に設置したカメラで管内を撮影、ケーブルを通して地上に設置したモニタへ映像を送る。オペレータは管内の状態を見ながらロボットを操作する一方、映像を記録する。ケーブルの長さは約100m。水中で撮影した画像のゆがみを補正するソフトなどを開発し、視認性も高めている。東京大学生産技術研究所の浦研究室との共同研究。
     同ロボットの開発に先立ち、同局は平成12年度から4年間、三井造船に委託し、口径800mm以上の送配水本管内を不断水で調査するロボットを開発、口径1100〜2000mmの送配水本管5カ所で調査を行ってきた。このロボットは躯体が760mmと長いため、空気弁から管内に挿入すると800mm未満の管路には入らなかった。その一方で、同局の送配水本管は400mm以上が約6割を占めることから、小型管内調査ロボットの開発に着手。既存の開発品で培った技術を土台に、中口径に特有な技術を開発・肉付けしていった。口径400mm以上の管路に空気弁から不断水でロボットを挿入するためには、躯体を400mm以下に抑える必要があり、既存技術の組み合わせでは躯体の小型化は困難と判断。専門的見地からの助言を仰ぐべく、同研究室との共同研究を選択した。躯体の小型化に向けては、姿勢制御と動力のためのスクリューを撤去。動力には水流を活用、下流に流されながら管内を進んでいく。姿勢は、本体後方のケーブルの角度を調整し、本体前方の翼に当たる水の角度を変更することで制御する。速度は流速により異なり、今後実機によるデータ収集を通して、標準的な速度を明確にしていく。
     こうした改良を加えたことで、直径69mm、長さ350mmと小型化に成功、400mm以上の管路への適用を実現している。本体とケーブルはコネクタ接続のため、取り外しが可能。オリジナルソフトの開発により、リアルタイムでの寸法測定を実現するとともに、画像の視認性も向上している。画面上のレーザー点を用い本体から壁面までの距離を自動的に計算する画像処理システムを開発、これによりリアルタイムに管壁までの距離を計算すると同時に、画面上への寸法スケールのダイナミック表示が可能。また、水中で撮影した画像のゆがみを補正するソフトも開発したほか、前方カメラと側方カメラの映像を一つのモニターで表示できるようにしている。ロボットの製作に併せ、不断水挿入装置も製作。表面にアルマイト処理を施したアルミ製にしたことで、耐久性を担保しながら軽量化を図る一方、装置内の水位を一定に保つ制御を行うことで水密性を確保している。′不断水挿入装麿の設置からロボット挿入までは約1時間と従来の方式の半分以下、操作は一人でも可能。今後実機を製作して実績を重ね、管路の診断に適用していく方針。
     「モバイル型検針」については、今年度末からの試行導入に向け、平成20年12月から平成21年3月末まで都内90カ所の実フィールドで実証試験を実施した。試験で採用したのは、「検針用小電力無線標準方式」で、無線子機の最適な設置方法や、周辺環境の違い等による通信の信頼性などを確認した。この結果、近距離では通信成功率が90%以上(電界強度レベル6以上)であることを確認し、実験フィールドで機器の設置方法などを確立、層入時に活用する設置マニュアルと機器仕様書を作成した。来年2月からモデル事業に着手、難検針箇所および隔測表示器付大口径メータなど5万7000件のうち、検満メータの更新を迎えた箇所から無線子機を設置していき、1年間で費用対効果などを検証、良好な結果が得られれば順次検満メータの更新に併せて子機を設置していく。
    東京23区内では、繁華街の飲食店などの難検針箇所の解消が急務となっていた。そこで、同局は検針業務の軽減や検針時間の短縮が期待できるモバイル型検針の導入に向けて検討を開始。モバイル型検針は、一部の都市で実績があり、東京の都市形態や都市ノイズが通信に及ぼす影響、検針業務の変更に配慮し、導入に先立ち実証試験の実施を決定した。モバイル型検針には複数の方式があり、互いに互換性が無いため、既存の通信方式の中から選定する必要があったことから、審査委員会で複数の方式を比較検討、同年8月には、国内での実績を持つ民間8社に機能や性能、仕様の公開の有無などについてヒアリング。
    その結果、実証試験に対応が可能な方式は、東京ガスや北海道別海町で実績のある「検針用小電力無線標準方式」と判断、同方式の採用を決定した。同方式は、ハンディターミナルに接続した無線親機と、電子式メータに接続した無線子機との間で特定小電力無線による通信を行うことで、メータの数値を読み取るもの。ハンディターミナルと無線親機の間は、ブルートゥース機能で通信、親機と子機の間は特定小電力無線で通信する。水道局で使用可能なチャンネルは2つで、近隣から同周波数での通信が行われ、通信ができなかった場合も、自動的にチャンネルを切り替えることで通信可能。検針に必要な時間は20秒/件。
     実験では、一括検針の有用性についても確認。12件の集合住宅を個別に検針した場合、合計で240秒必要だが、一括検針は合計69秒と、検針時間を1/3以上短縮できることも確認している。最大で地上⊥6階建て、45件程度まで適用可能。無線子機は通常の消費電力を抑える機構を備えており、電池は8年間以上使用できる。無線親機はタバコ大のサイズで現場での持ち運びが容易。電源は単4電池で、1日程度使用したら電池を充電する。この検針方式の導入により、検針業務の効率化や検針員の安全性の向上、お客さまのプライバシー向上などの効果が見込まれるという。

  • 水コン協関東支部・21年度見学会で横浜市の西谷浄水場を見学(11/2日本水道新聞)
      全国上下水道コンサルタント協会関東支部は10月14日、平成21年度見学会を開いた。見学先は、横浜市水道局の西谷浄水場と同市環境創造局の惟子川右岸雨水幹線シールド工事現場。見学に先立ち、同支部の山下・技術委員長は「西谷浄水場は規模が大きいが、規模にかかわらずシステムを勉強してほしい。互いに声を掛け合って有意義な見学会にしてほしい」と話した。西谷浄水場は、大正4年に創設された、急速ろ過方式の浄水場。水源は道志川と相模湖から取水している。創設当時の7万3360立方m/日から、数回の拡張工事を実施。昭和55年に実施した第8回拡張工事により、現在は1日当たり35万6000立方mと横浜スタジアム約1.1杯分の水を1日で処理できる能力を持っている。
     まず、一行は、職員の案内で水質課の水質検査室を見学。有機物検査室や化学検査室などを回り、さまざまな検査機器、分析機器を興味深そうに見学していた。続いて、鈴木・浄水係長から概要説明を受けたあと、鈴木係長の案内で浄水場へ。鈴木係長は「おいしい水へのニーズが高まっていることもあり、国の水質基準よりも厳しい基準で、品質確保に努めている」と説明。その後、着水井や沈澱池(横流式傾斜板付9万立方m/日×4池)、急速ろ過池(第1=116平方m×10池、第2=90平方m×16池)などを見学した。特筆すべき見所は、大正4年に西谷浄水場が完成した際に建てられた「ろ過池整水室上屋」。同浄水場が庭園風デザインで整備されたことを現在に良く伝える煉瓦造り平屋建て、銅板葺の象徴的な建物であり、平成9年には登録有形文化財に登録されている。見学者一行は、この上屋をアングルに収めた写真を撮る一方、熱心に職員に質問するなど、有意義な時間を過ごしていた。
     また、同市環境創造局の唯子川右岸雨水幹線シールド工事現場では、実際に幹線内に入り見学。同幹線は、同市保土ヶ谷区仏向地区の浸水被害の軽減のため、整備を進めているもの。管径はΦ2600mmで延長は約2.1km。完成後の同地区は、時間当たり50mmの雨水に対して安全となる。見学者は、シールド工事現場内にはなかなか入れないとあって、熱心に質問や撮影を繰り返していた。

  • 都立戸山高校・「なぜ市販の水を買うか」で調査(11/2日本水道新聞)
      「水道水があるのに人はなぜ市販の水を買うのか」。調査したのは、都立戸山高校の1年A組。9月に行われた戸山祭でのこと。戸山祭では、伝統的に問題提起を含む研究発表が行われている。テーマ設定のきっかけは、クラスで市販のミネラルウオーターが流行していたから。発表では、街頭アンケートや、市販の水と水道水の飲み比べの結果や、市販のミネラルウォーターの製造工程や水道水の浄水の仕組みなどを紹介。
     アンケート調査は、他袋と高田馬場の駅前で通行人100人に対して「あなたは水を買いますか」と質問。49人が「買う」、51人は「買わない」と答え、ほぼ半々という結果だった。校内など15人ほどで行った飲み比べでも、水道水が「おいしい」と答えた人はいたものの、「おいしくない」という意見が多く見られた。校内の数箇所に冷水器が設置されているものの、直結給水ではないそうなので、それも原因の一つだろうか。調査の結論として、水道水の信頼が高まっているが、美容や健康保持を理由に挙げている。

  • 経済産業省・「水ビジネス国際展開研究会」の初会合を開く(10/26日本水道新聞)
      経済産業省は10月15日、水ビジネスの将来展望・海外展開の課題と対応策等を検討する「水ビジネス国際展開研究会」の初会合を同省で開いた。会合では、商社、エンジニアリング会社、機器メーカー、地方自治体、関係機関の首脳級が委員に名を連ね、それぞれの問題意識について自由討議を行った。今後2度の会合を予定し、年度内のとりまとめをめざす。
     研究会では、具体的な検討課題として▽世界の水市場ニーズの把握▽国際展開を拡大する上での課題の明確化▽優先して取り組むべき分野・地域の特定▽有望なプロジェクトの絞り込みと実施可能性調査の実施および必要な施策の検討−の議論をめざす。議事に先立ち、伊丹座長(東京理科大院教授)と経産省の松下・副大臣が立ち、伊丹座長は、世界で顕在化する水問題に対して日本が貢献する意義を強調し、幅広い見地からの意見を期待した。松下副大臣は「経済成長戦略の大きな核にしたい」と水ビジネスヘの大きな期待を示した。
     議事では、事務局を務める経産省の三橋・水ビジネス・国際インフラシステム推進室長が、水ビジネスを取り巻く状況を解説し、資源としての水問題、世界の水ビジネスの現状、わが国の水ビジネスの現状について整理し、分析結果を提示した。主な論点として▽「水ビジネス」の将来性の考え方▽水ビジネスの海外展開にあたり強化する地域、分野▽水ビジネスに参加する企業が直面する課題▽自治体ノウハウの有効性と活用策▽企業が海外展開を行う体制▽他分野を含めた学ぶべき成功事例−が示されたうえで、委員が自由に意見を交わした。
     委員からは、水事業が公的要素を強く持つ視点からの国・地方公共団体などの公的セクターが関与する必要性、海外進出における電力分野の類似性、潜在的な技術・ビジネスニーズの発掘の必要性など、活発な意見が出された。今後、滝沢・東大院工学研究科教授を座長とするワーキンググループを設置し、具体的な検討を進め、研究会で審議・承認する方式を採る。ワーキンググループの検討状況に応じ第2回研究会を開き、とりまとめ骨子案を示し、年度内に最終とりまとめを行う予定。

  • 埼玉県広域検討委・県内を12ブロックに分けた広域化を議論(10/26日本水道新聞)
      埼玉県は今年5月に埼玉県水道広域化協議会を設立し、広域化の検討を進めている。有識者による第三者委員会「埼玉県水道広域化検討委員会」も発足し、21年度中に将来の県内水道について県に提言し、22年度策定予定の埼玉県水道ビジョンに反映させる考えだ。その第2回委員会が10月23日、さ小たま市内で開かれた。委員ら11人が参加する中、県内を12ブロックに分けた具体的な広域化議論が行われた。
     この日のテーマは「20年後の広域化形態」。まず、事務局が▽核となる事業体を中心に近隣事業体との統合(水平統合)を進めるブロック▽県営水道を軸としてモデル的に統合(垂直統合)を進めるブロック▽大規模事業体として埼玉県の水道事業を先導するブロック−の3形態で、県内66事業体をそれぞれ12ブロック化した案を提示。例えば、1ブロックは9事業体を水平統合し給水人口57万4443人、6ブロックは8事業体を垂直統合し給水人口は21万1789人。8ブロックは1事業体の先導型で給水人口は119万3695人という具合だ。
     構成事業体名は非公開だった。ブロック化に当たっては、埼玉県市町村合併推進構想や埼玉県消防広域化推進計画なども参考にしている。さらに、ブロック別の現状評価と事業運営の見通しも検討した。18〜20年度のPIを活用し、@安心A将来の備えB災害対策C持続(収益怪、健全性、水道料金、生産性、資産活用度)−に該当する値を算出し点数化したところ、全国平均を上回っていた。12ブロック化に関して、各事業体から「最初から県内水道の1本化を進めるべきでは」や「ブロックの移動を希望」といった声もあるという。委員からは「他県を含めた広域化も考える必要があるのでは。実際に、埼玉県内に東京都の浄水場がある」「広域化を進める中で、水質は担保されるのか」「スピード感が必要」などの意見が出た。
     委員が「広域化を前倒しするにあたってのネックとは」と質問すると、事務局は「66事業体もあると、広域化の理解に関して後ろ向きな事業体もある。水道事業管理者の意向もある」と説明した。県は、半世紀後には県内水道の1本化を目指している。県営水道は利根川を水源とする庄和、行田、新三郷浄水場と荒川を水源とする大久保、吉見浄水場の5つの浄水場から供給している。県営水道の供給区域は、平地部の埼央広域水道圏の61事業体であり、秩父広域水道圏には供給されていない。県営水道との垂直統合を検討する場合は、送水管網が大きな課題となる。第3回検討委員会は12月を予定しており、「段階的な目標裁定と広域化方策」を話し合う。

  • 名古屋市・伊勢湾台風から50年で講演会やイベント開催(10/26日本水道新聞)
      今年は、各地に大きな被害をもたらした昭和34年の伊勢湾台風襲来から50年になる。名古屋市は9月22日、名古屋都市センターで、伊勢海台風50年企画講演会「災害に強いまちづくりをささえる」を開催、当日は市民ら約80人が参加した。講師は大館・消防局防災室主幹(地域防災計画担当)と小野田・上下水道局計画部主幹(緊急雨水整備計画担当)。
     大舘主幹は自らの伊勢湾台風の記憶を交え、近年の水害による被害の実例を語ったほか、地域の中で町内会などを通じて助け合う仕組みづくりの大切さも強調した。小野田主幹は東海豪雨や平成20年8月末豪雨を受け、1時間に60mmの降雨に対応できるよう雨水排出ポンプの増強や雨水調整池のハード面を整備していることを説明。現在、名古屋市洪水・内水ハザードマップの作成も検討していることを紹介した。
     また同センターでは、9月22日から10月8日まで伊勢湾台風50年企画展を開催。伊勢湾台風の概要、水道・下水道の被害と復興活動、浸水対策・応急給水施設を紹介するパネル展示や、当時の高潮や浸水の高さを実際に表現したり、伊勢湾台風災害記録映像の上映などが催された。名古屋市下水道科学館でも9月8日から10月4日まで、伊勢湾台風襲来後の水道・下水道の復旧活動のパネル展示や災害発生時の貴重な資料などが公開された。

  • 横浜市水道局・アフリカ6カ国から研修生受入れ(10/26日本水道新聞)
      横浜市水道局は10月13〜30日までの3週間、エジプトやエチオピア、スーダンなどアフリカ6カ国から10人の研修生を受け入れている。昨年5月に横浜で開催された第4回アフリカ開発会議を契機に、国際協力機構(JICA)と協力してアフリカ諸国から水道分野の研修生の受け入れを行っている。昨年度から3カ年の予定で、数週間の短期研修が中心だ。
     10月14日は、研修生が自国の水道事情と研修の受講目的・活用方法を発表した。同局の人材開発課や国際協力専門委員ら約50人が見守る中、少し緊張した表情でパワーポイントを使って説明していた。エジプトのカリル・メヘル国立上下水道局研修技術者は「スタッフの技術力が低い」ことを課題に挙げた。その理由として、「技術力を身につけてもその後、民間企業に転職してしまう」と話していた。研修生らは29日まで、水道に関する講義や水道施設での現場研修を受け、最終日は、帰国後の行動計画を発表する。

  • 日水協東北支部・13回水道技術事例発表会を開催(10/26日本水道新聞)
      日本水道協会東北地方支部は10月8、9日、仙台市内で第13回水道技術事例発表会を開いた。技術系職員が業務上の経験や工夫、研究などを発表する同支部の恒例行事。今年も13の事業体が浄水処理や水質管理、工事施工など幅広い分野の発表を行った。これまで聴講参加対象を正会員としてきたが、今年から全会員に拡大した。このため、特別会員3人、賛助・準賛助会員別人を含む約200人が参加した。
     塩竃市水道部は、平成20年に埋立地の北浜地区で発生した呼び径200および100のダクタイル鋳鉄管漏水事故の調査結果を報告した。それによると、ダクタイル鋳鉄管が埋戻し材(発生土)と接し、酸素濃淡(通気差)によるマクロセル(巨大腐食電池)が形成され腐食が進行した。また、埋設環境が悪く腐食性が高い土質であることから、腐食が速い速度で進行したことが判明したという。現在はこれらに対する対策を強化している。
     仙台市水道局は、将監第一配水所で行ったロボット清掃について発表した。清掃作業はロボットに取り付けたカメラの画像を監視しながら、オペレーターが遠隔操作で動かす。ロボットから伸びるホースにポンプを接続して、汚泥を吸引するという仕組み。配水池内の底面部分だけの清掃であるため、壁面や内部配管などの清掃はできないといった課題もある。しかし、池内の水を全量排水することなく清掃が可能で、今後も積極的に活用していくそうだ。
     開会式では同支部を代表して仙台市水道局の田元・理事が挨拶。「発表や聴講を通じて、他の技術者の知見や意欲を感じ取り、今後の課題解決に生かしてほしい」と語った。発表に先立つ特別講演も行われ、東北学院大学工学部の吉田・教授が「過去の地震から学ぶー地震災害と市民生活−」と題して話した。地震のメカニズムや過去の地震の教訓、耐震設計の歴史などを解説。地形上、特に地震対策が必要な場所や、地震災害と水道被害についても写真を用いて説明した。

  • 企業団協北海道地区・21年度調査研究会を開催(10/26日本水道新聞)
      全国水道企業団協議会北海道地区協議会は10月1日、恵庭市内で21年度調査研究会を開き、会員提出課題2題、事例報告2例などを意見交換した。無人施設の防犯・侵入監視装置の設置状況など、昨年の会員提出課題について、提案都市がその後の経過を報告。続いて、石狩東部広域水道企業団が新型インフルエンザの対策状況、桂沢水道企業団が浄水場の運転管理委託を提案し、各会員が取組み状況を説明した。
     新型インフル対策では、3団体が行動計画を策定済みで、ほぼ全団体で国のガイドラインなどに基づく職員への周知を徹底している。浄水場見学を一時中止したり、職員や立入業者に罹患の疑いがあれば、自宅待機や立入禁止の措置を執っている団体もある。運転管理の委託では、提案団体の桂沢水道企業団が、3カ年の長期継続契約を締結し、7月から一部業務を委託した経緯を説明、第三者委託など他団体の検討状況の説明を求めた。
     道内では上水4事業者、簡水4事業者が第三者委託を実施している。それに対し、5団体が一部委託を実施、委託範囲と期間などは各団体で異なっており、包括委託は検討に挙がっているものの、事業の継続性を踏まえると、競争入札で委託業者が変更した場合に引き継ぎがスムーズに進むのかなど、現状の課題も浮き彫りとなった。
    事例報告では、桂沢水道企業団が老朽管の更生工事、石狩東部広域水道企業団が庁舎・分庁舎の統合を説明。また、来賓の伏見・北海道環境局環境保全課主任が権限委譲に伴う立入検査について、今月中に全23事業の検査を終える予定で、用水供給事業では構成団体との連携に関わる事項を助言したと述べた。

  • バルトン記念交流事業実行委・スコットランドで記念事業を開催(10/26日本水道新聞)
      バルトン記念日英交流事業2009実行委員会は、英国スコットランドでの記念事業を開催した。今回の訪英団はバルトンの子孫の方を含む8人。訪英団は9月11日に、日英交流150周年の一環として在エディンバラ日本総領事公邸で開かれた日本・スコットランド交流レセプションに参加。12日には、ロブ・マン・エディンバラ市副市長の臨席のもと、日本から寄贈した大理石ベンチの除幕式と桜の記念植樹をエディンバラ・ナピーア大学構内で行った。
     併せて、第2回バルトン賞の授与や記念講演を行った。第2回バルトン賞を受賞したのはスコットランド在住のバルトン研究家であるアン・ジョーンズ氏とバルトン記念日英交流事業に多大な貢献があったアラン・ウィルソン氏(前スコットランド産業振興協会CEO)。記念講演では、酒井訪英団長がバングラデシュで行っている日本下水文化研究会のトイレ普及活動について、アン・ジョーンズ氏がバルトン研究について、日本スコットランド協会理事の稲永丈夫氏がバルトン死後110年と不平等条約の改正などについて、それぞれ有意義な講義を行った。

  • 日水協・施設管理技士登録更新11月15日まで(10/26日本水道新聞)
      日本水道協会は現在、平成21年度水道施設管理技士登録更新のための更新講習(e-ラーニング)の受講申込みを受け付けている。受付期間は10月15日から11月15日までで、受講料は6800円(税込み)。e-ラーニング受講期間は平成22年1月12日から2月12日まで。詳細は同協会HPで。

  • IWAリーダーズフォーラム・気候変動などをテーマに(10/22日本水道新聞)
      水道事業の運営を担う関係者が集い、共通課題を議論するIWAのウォーターユーティリティリーダーズフォーラムが10月18日、台北市で開催のASPIREの会場に隣接するホテルで開かれた。「気候変動と人口増加への対応」をメインテーマに9題の講演が行われ、新たな水源の確保、汚染管理と良質な水質の維持などに向けた各国の取組みが紹介されるとともに、会場を交えて意見を交換した。
     日本からの発表は2題。東京都水道局の師岡・浄水部副参事は、関東地方の一人あたりが使用できる水資源量は少ないのに加え、気候変動による積雪量の減少で渇水の回数が増加するため、将来も安定的な給水を確保するためには新たな水源が必要と強調。そのための取組みとして、配水本管の計画的な更新、メータ一次側までのステンレス化、直結給水の推進など、漏水防止の取組みを紹介した。神戸市水道局の松下・技術部参事は、安全な水質の確保に向けた同局の取組みを紹介。水安全計画を策定し水質の管理に努める一方、P-DES(パイプネットワークシステム)を用いた計画的な更新、配水区域のブロック化などのハードの取組みを紹介。今後はP-DESを用いて更新優先順位を定めると同時に、ベテランの知識と経験を組み合わせ、最適な維持管理計画を策定、技術の継承を図っていくなどと話した。
     このほか、韓国からは大規模な商業・住居エリア「スターシティー」での雨水利用の取組みなどが紹介された。雨水を貯留・処理・供給するシステムを構築することで、洪水の抑制、既存水源の使用量の低減、緊急時の水の確保が可能になると強調。雨水は水質もよく、処理コストも安いなどと、その有効性を強調した。ただ、集水エリアが5万1200立方mに対して、タンクの容量は3000立方mで、あくまで補助水源として位置づけられそうだ。また、現在韓国では政府主導で雨水を有効利用するため、各都市で雨水を再利用するための施設を建設し、降水量を国の機関が一元的に監視・管理するシステムを検討しているという。このほかの参加国は次の通り。▽シンガポール(PUB)▽オーストラリア▽中国(マカオウォーター)▽マレーシア▽フィリピン(マニラウォーター)▽オランダ

  • 東京都水道経営問題研・施設更新や環境負荷の低減等で議論(10/22日本水道新聞)
      東京都水道局は10月1日、都庁の第二本庁舎で第23回東京都水道事業経営問題研究会を開いた。今年度は東京都水道事業経営プラン2007(平成19〜21年度)の最終年度に当たる。これに続く新たな経営計画を策定するため、今年は研究会を3回実施し、事業運営上の課題を検討している。7月31日に行われた第22回研究会では安定水源の確保、施設の耐震化、安全でおいしい水を議題に検討。今回は@大規模浄水場の更新A環境負荷の低減B広域化、広域連携−に関する同局の取り組みや方向性を報告し、委員らに意見を求めた。
     大規模浄水場の多くがまもなく法定耐用年数を迎えるが、その経費には1兆円が見込まれる。このため、同局では大規模浄水場更新積立金として、19年度から年間50億円を積み立てていることや職員定数削減などの経営努力で経費を縮減し更新費に当てる考えも説明した。環境負荷の低減では、太陽光発電や小水力発電に取り組んでいることを紹介。また更新を契機として、電力を多く使用する送配水過程で、高低差を考慮した水道システムを構築しCO2を低減したいとした。
     広域化では多摩地区水道の都営一元化計画を示し、平成24年までに多摩地区25市町のすべての業務を都に移行する方針を明らかにした。委員からは「公営企業にも準備金などの制度を」「荒廃した民有林の管理も必要では」「管路の耐震化率が他の施設と比べると低い」などの意見が出た。

  • 横浜国大・持続可能な水道構築で公開講座(10/22日本水道新聞)
      横浜国立大学大学院工学研究院は10月13〜15日の3日間、キャンパス内と横浜市水道局西谷浄水場で公開講座「持続可能な水道システムの確立」を開催した。全国から水道関係者ら約100人が参加した。水道施設が更新期を迎える中、持続可能な水道システムを構築するための方策を学術的な観点と実務的な立場の両面から模索することが狙い。座学やパネルディスカッション、浄水場での実務研修などを通して産官学の交流を深めた。主催者である横浜国大の石原・工学研究院長は冒頭「水道のライフラインは整っている。これをどう持続させていくか。講座を通して、ヒントが見つかることに期待する」と語った。協賛者の横浜市水道局からは高橋・担当理事・水道技術管理者施設部長が挨拶。「水道事業も産官学の連携が求められる時代。水道事業の大きな課題である更新をどう進めていくかを考える一助になれば」と話した。
     この後、学識者や局職員ら8人が最新の水道に関する研究内容を報告した。トップバッターは首都大学東京の小泉教授。「管路更新の考え方と研究事例」と題して講演した。その中で、水道管路の孔食診断モデルに関する東京都水道局との共同研究を紹介。孔食診断モデルを構築し、孔食による事故の予防保全を検討した結果、「ポリエチレンスリーブが局部腐食についてはかなり効果があることがわかった」と成果を述べた。また、小泉教授は管路の老朽化を放置すれば事故発生の確率が増え続けると警告し、「水道施設の更新率・耐震化率といった整備指標を掲げ、国民的コンセンサスを得る積極的なアピールが必要」と強調した。このほか、横浜市水道局の板谷・給水部給水課給水係主任が「水道管路更新判定手段としての腐食センサーの開発」、ベンチャー・アカデミアの永井・取締役は「長期断水ができない水路橋の内面への電気防食の適用」と、聴講者の注目を集める発表が続いた。
     14日は「持続可能な水道システムはいかにあるべきか」と題してパネルディスカッションが行われた。コーディネーターは横浜国大の永井非常勤教員・前横浜市水道局給水部長が務め、6人のパネラーが意見を交わした。横浜国大の朝倉・特任教授は「大学は水道事業の課題解決のためにできることがいっぱいあるはずなのに、宝のもちぐされになっている」と指摘。横浜市水道局の遠藤・給水課長は「大学と事業体がうまくコラボできれば特許につながるような技術が開発できるかもしれない」と大学との共同研究に意欲を示した。川崎市水道局の亀山・計画課長も「事業体にはフィールドがある。これをうまく活用して、大学とともによりよい水道システムをつくりたい」と希望を語った。
     元横浜国大客員教授の石原只雄氏は「全国の水道事業体間の情報の共有、データベース化はできているのか」と質問。これに対して日水協の久保田・検査部長は「100%とはいえないが、協会で事故事例集を発刊するなど情報共有を強化している」と答えた。また、さいたま市水道局の有吉・給水部参事は「水安全計画というと水質だが、管路の水安全計画をやってもいいと思う」と提案。遠藤課長は「100年もつパイプが新たに販売されようとしている。バルブがこれより先に老朽化するとネックになる。メーカーの方にはぜひ改良して」と、技術の進歩に期待を示した。15日は西谷浄水場で、ポリピックによる管洗浄見学や漏水発見実習などが行われた。

  • メキシコ市上下水道局から名古屋市副市長に親書(10/22日本水道新聞)
      名古屋市で研修中のメキシコシティ水システム(上下水道局)技術職員は9月30日、メキシコ市上下水道局からの親書を携えて、山田・名古屋市副市長を表敬訪問した。同技術職員が「メキシコ市水道水質管理プロジェクトの実施を通じて、山田副市長は日墨交流の第1人者になられた。このプロジェクトも第2ページに入り、着実に前進している。今後も協力を続けていくことで、日墨交流を実りあるものになると賄っている」などと親書を読み上げ、感謝の意を表した。
     山田副市長は「大変光栄なこと。こんなに心のこもった親書をいただき、私も職員の力を借りながら一員として携わってきた。評価をしていただき、うれしい。局長さんに感謝のメッセージを伝えてもらいたい」と応えた。研修について、同技術職員は「広い範囲の研修を受け、たくさんのことを学び、その多くをメキシコで適応できる」と成果を述べた。山田副市長は「メキシコには、汚れた水の中でも生息するカダヤシという絶滅危惧種のメダカがいる。当市の東山動物園にはメダカ館がある。メキシコと名古屋の新しいテーマとして去年から研究しているが、あまり前進していない。水でつながったリンクであるが、できるだけいろんな分野でリンクを増やしていきたい」と伝えた。

  • 素野市水道局・「おいしい秦野の水」ラベル刷新(10/22日本水道新聞)
      秦野市水道局は、平成20年10月から販売しているペットボトル水「おいしい秦野の水〜丹沢の雫〜」のラベルデザインを一新、10月1日から新ラベルでの販売を開始した。従来は、市の公共施設など10カ所で委託販売していたが、販売開始から1年経つのを期に、販売方法を見直し、併せて商品としてのアピールカ向上を図るため、デザインを変更した。
     ラベルデザインは外注。7社でコンペを行い、同市の戸川公園を流れる水無川の写真を用いて、清流と森林を強調したデザインが選ばれた。委託販売時は100円だった価格もオープン価格に変えた。現在、コンビニや観光協会など9事業者と年間販売契約を交わすとともに、同局のホームページで販売店を募集も行っている。同局は「家庭で備蓄してもらえるように、将来的には市内のどこでも買えるようにしていきたい」と話している。

  • ASPIRE展示スペースにジャパンパビリオンを出展(10/22日本水道新聞)
      日本水道協会と民間企業9社は共同で、IWA-ASPIRE2009の展示スペースにジャパンパビリオンを出展。日本の優れた製品・技術をPRするととも2年後に東京で開催されるASPIRE2011への参加を呼びかけた。10月19日の開会式・基調講演終了後には、オープニングセレモニーを行い、IWAのデビッド・ガーマン会長やポール・ライター専務理事、台北市自来水事業處の郭瑞華處長らがテープカットを行った。日本からは東京都市開発の川北・相談役(元日本水道協会専務理事)、京都大学の松井・名誉教授が参加した。
     ジャパンパピリオンに出展したのは、クボタ、大成磯工、メタウォーター、日立製作所、栗本鉄工所、前澤給装工業、東京水道サービス、キッツ、昭和螺旋管製作所。このほか、コスモ工機と愛知時計電機が単独で出展。昭和螺旋管製作所は単独でもブースを出展している。水をイメージしたブルーのライトに照らされた純白の5本柱を中心にブースを構成、パビリオンの看板横に設置されたモニターでは、日本の良さをPRするVTRを繰り返し上映したほか、ブース内で東京水や開催案内のパンフレットを配布、2年後の東京会議参加を呼びかけた。

  • 科学技術振興機構・水利用技術の研究7件を採択(10/19日本水道新聞)
      科学技術振興機構は、戦略的創造研究推進事業(CREST)の平成21年度新規採択研究代表者および研究課題を決定、公表した。このうち研究領域「持続可能な水利用を実現する革新的な技術とシステム」には43件の応募があり、その中から今年度は7件を採択。気侯変動等により深刻化する水問題を緩和し持続可能な水利用を実現する革新的技術の創出」という戦略目標を達成するため、およそ7年半にわたる研究がスタートする。水分野の研究領域としては、平成13年度に始まり昨年度に終了した「水の循環系モデリングと利用システム」に続くもの。研究総括には国立環境研究所の大垣・理事長が、副研究総括には日立製作所情報制御システム事業部の依田・技術主管が就任。今年度採択した7件のほか、22、23年度にも研究課題を採択し、全体としては28年度までの予定で研究を推進する。各研究課題の研究実施期間は、それぞれ約5年半となっている。
     CRESTは、国が社会的・経済的ニーズを捉えて設定した戦略目標に対して設定され、社会的効果が大きいイノベーションシーズを創出するためのチーム型研究。JSTの研究費のうち約45%を占める。同機構の主夢事業となっている。研究の実施に当たっては、研究代表者のウェイトが重いことがCRESTの特徴の一つ。研究は、研究代表者の構想が大きく左右する。研究代表者は、研究全体の責任を持つほか、研究の実現のために不可欠な場合は、所属研究機関の研究者のみならず、他の機関の研究者も共同研究者として参加させることも可能。
     今回設定された研究領域「持続可能な水利用を実現する革新的な技術とシステム」は、現在、あるいは将来気候変動等によりさらに深刻化すると予想される国内外の水利用の課題を解決するため、物理的・社会的な水利用システムの創出を目指すもの。革新的水処理技術や水資源管理システムにより、水の質と量の統合的な最適化を行い、エネルギーやコスト、環境負荷、健康・環境への安全性、地域社会の状況等の観点から最も合理的で持続可能な水資源の利用システムについて、研究領域全体として提起することを目的としている。また、実社会への適用性を十分配慮した研究展開を図るという。
     採択課題は、研究総括、副研究総括に加え、領域アドバイザー9人が選考を実施。応募のあった43件を書類連考した結果、面接選考対象として14件を選定。最終的には7件に絞った。今回は研究の初年度であることから、研究テーマを絞らず幅広く提案を募った結果、「水処理の統合的管理システム」に関する提案が3件、「都市圏水利用システム」「農業地域の水管理・資源循環」「荒廃人工林の管理手法」「グローバルスケールの水利用長期ビジョン」が各1件と、多様な研究課題が挙がった。研究期間中の予定としては、2〜3年後に中間評価、最終年度には事後評価を実施。また各年度の初頭には、研究代表者に年次計画書や年次報告書の提出を求めることとなっている。サイトビジットとして、研究総括副研究総括、領域アドバイザーによる研究現場視察や研究者とのディスカッションも予定されている。また、研究成果の公表のため、研究領域主催のワークショップや外部向けシンポジウムの開催も予定。各研究チームにおいても、ワークショップやシンポジウムの開催を推奨しているという。
     大垣研究総括は、「戦略目標の達成のためには、世界と日本の水利用のこれからの課題を把握し、その課題解決のための革新的技術とシステムを普遍的科学技術として提案しなければならない。また、水利用に関わる科学技術は、他の分野と比べて非常に多様な要素から構成されているため、個々のプロジェクトの研究領域全体としての有機的連携を重視して研究を進めていきたい」としている。これについて、来年度および再来年度にも研究課題の採択を予定。その際には、今年度の採用課題で欠けている分野や各研究課題の連携強化のために必要な分野、または新たな視点を加えるような分野を加えていきたいとしている。
    【研究課題・研究代表者と概要】
    ○水循環の基盤となる革新的水処理システムの創出<北大院工学研究科・岡部教授>
     膜分離技術を核とした革新的な上水、下・廃水処理システムの開発、および微量汚染有害化学物質と病原微生物を対象とした水の安全性評価・管理手法の開発を行う。加えて、実証プラントを運転し、新規水循環システムとしての妥当性を総合的かつ多角的に検討し、社会への適用を目指す。
    ○荒廃人工林の管理により流量増加と河川環境の改善を図る革新的な技術の開発<筑波大院生命環境科学研究科・恩田教授>
     荒廃した人工林において強度な間伐を行い、流量増加や水質改善の状況について包括的な調査を行う。それらのデータをもとに、人工林の管理が流域からの水供給量に及ぼす影響を定量化するための水資源管理モデルを構築する。
    ○世界の持続可能な水利用の長期ビジョン作成<東工大院情報理工学研究科・鼎准教授>
     さまざまな将来シナリオ下での水需給の長期見通しを作成し、持続的な水利用のCritical Levelを決定し、危機回避のビジョンを作成する。そのため、最先端の世界水資源モデルを活用し、この一連の情報創出を成し遂げ、水の安全保障に貢献することを目指す。
    ○21世紀型都市水循環系の構築のための水再生技術の開発と評価<京大院工学研究科附属流域圏総合環境質研究センター・田中教授>
     リスク要因を制御する新しい水処理システムを開発し、利用用途と安全性、エネルギー、環境負荷の特徴を明らかにする。また、新しいシステムと従来型の都市水利用システムを安全性、エネルギー、環境面で比較、評価し、地域に適したカスタムメイドなシステムを提案する。
    ○地域水資源利用システムを構築するためのIntegrated Intelligent Satellite System(IISS)の適用<工学院大工学部・中尾教授>
     まったく新しい独創的な地域水資源利用システム(IISS)の構築を目指す。中核となる膜技術の研究では、膜表面の水構造という分子レベルのミクロな視点から、新たな低ファウリングNF/RO膜を開発する。また、ファウリングを抑制するMBRシステムを開発する。
    ○気候変動を考慮した農業地域の面的水管理・カスケード型資源循環システムの構築<高知大教育研究部・藤原教授>
     農業地域の分散した汚濁物質排出源に対応した面的な水再生技術、ならびに面的に存在するバイオマス資源の質と分布状況に応じた「カスケード型資源循環システム」で構成する新規水管理システムの構築を目指す。また、同システムが気候変動への適応策・緩和策と両立できるための適用条件を明らかにする。
    ○気候変動に適応した調和型都市圏水利用システムの開発<東大院工学系研究科・古米教授>
     水資源の局在性に対応するため、新たな水質リスクや水質安定性の評価手法、環境コスト評価や利用者選好を考慮した水利用デザイン手法を開発する。さらに、流域圏の気象・水文変動や水量・水質変動の予測を行い、供給と需要のバランスのとれた調和型の都市圏水利用システムを提案する。

  • 外務省・大使館員水担当に、海外ビジネスを後押し(10/19日本水道新聞)
      外務省は、水・衛生分野で国際的に積極的な貢献を行っていくため、在外公館に水・衛生の担当官を設置することを明らかにした。水の安全保障戦略機構が水問題に関する関係省庁連絡会を通じ政府に対して行っていた要望を受けたもので、民間ベースのニーズを吸い上げて政府の施策として反映させていく同機構の役割が活かされたケースとなった。同省は今後、各国大使館に通知を発令し、各国大使の任命権により指名を行う。既存の大使館員を指名するもので、専門職員の増員などは行わない。  水・衛生担当官の役割は▽任国政府の水・衛生担当部局、関連の研究機関・国際機関等と良好な関係を構築し、必要に応じて任国企業との接触を通じ、現地の水・衛生問題に関して情報を収集▽ODA対象国では国別援助計画を踏まえ、水・衛生分野の援助案件を発掘▽日本企業の現地におけるビジネス展開について「日本企業の海外における活動支援のためのガイドライン」に従い可能な支援を行うこと−としている。「活動支援のためのガイドライン」では「団体のみならず、個別企業からの支援要請にも対応する」との考えが打ち出されており、海外展開を行う民間企業にとっても強い追い風となりそうだ。

  • 羽村市・水道ビジョン策定づくりが本格化(10/19日本水道新聞)
      平成14年度に首都圏で初めて膜ろ過を導入した東京都羽村市で、地域水道ビジョンの策定が本格化している。8月下旬に策定推進懇談会がスタート。今月7日に第2回会合が持たれ、水道施設の現状と課題を集中的に議論した。引き続き、経営面や施設整備計画などを検討、12月早々にも成案をまとめ、パブリックコメントを募集する。草案は同市水道事務所のスタッフが用意しており、間もなく通水半世紀を迎える小規模水道の大きな挑戦として注目される。
     東京の都心から西へ約45km。多摩川の北東岸に展開する羽村市は面積約10平方km、給水人口5万7000人、水道普及率100。江戸時代に開削された玉川上水の取水口、羽村堰で知られる。武蔵野の雑木林に包まれ、職住接近の街づくりによって住宅地と自動車工場などがはどよくバランスしている。カタツムリに似た「まいまいず井戸」に飲料水を頼ってきたが、およそ半世紀前頃から工場立地が進み、昭和36年に深井戸を水源として近代水道が通水した。当時の計画給水人口は1万2000人。引き続き東京都水道局からの分水と浅井戸の新設により、工業化や人口増に応じて4次にわたり拡張し、クリプトスポリジウムによる水源井の汚染を未然防止するため平成14年に日量3万立方mの膜処理を導入した。水道料金は安価な水準。
     平成13年度末が最終期限とされた都営水道への一元化には参加しなかったが危機管理対策として都水からの受水体制は継続中。現在、同事業所は12人体制で運営している。計画日最大給水量は2万7500立方m。平成18年4月から水道施設の運転管理業務を全面委託。19年4月からは検針など水道料金に関する一連の業務を包括的に委託し、民間事業者の活用で業務効率を高めている。地域水道ビジョンの策定は、厚生労働省の勧奨に応じ、将来にわたって安全な水道水を安定供給し続けるため、水道事業の現状と課題を踏まえて今後の方向性を明らかにして達成の道筋を示すのがねらい。23年度を目標とする市の第四次長期総合計画にリンクしつつ、次の第五次計画に長期的な方向性と基本的な考え方を反映させて整合を図る。
     懇談会の初会合は8月26日に市水道事務所で。事務局の廣瀬・所長が水道ビジョンの意義や策定趣旨、昨年来の事務所内での現状分析と今年度からの策定検討委員会の活動などを紹介し、「市のワンサイドではなく、それぞれのお立場からのご提言を反映したい」と懇談会の設置趣旨を説明。委員の互選で秋元・日水協総務部長を座長に選任し、今後の進め方などを決め、配水場や浄水場を見学した。
     第2回会合は10月7日。水道施設の現状と課題がテーマ。水需要の状況、取水、浄水、送・配水、給水装置、水質管理、危機管理対策、環境配慮の各事項にわたり、事務局が現状と課題に分けて説明。委員から「市民目線での説明表記を」「耐震化の姿勢をしっかり組み込んでほしい」などの意見が寄せられた。今後、経営の現状と課題、目指すべき方向性、施設整備計画などをテーマに懇談し、12月早々にも提言をまとめ、引き続き市民からパブリックコメントを募って、策定に漕ぎ着ける。厚生労働省は今年度末までに中小規模を含め全ての水道事業体にビジョンを策定してもらう意向。各地の策定済みの事業体から「やってみて改めて課題がしっかり把捉できた。市民にきちんと説明できる基盤ができた」といった声が出ている。職員自らの取り組みを基本に進むビジョンづくりは、羽村市水道の見えない資産となりそうだ。

  • 岐阜県・技術継承の研修会を実施(10/19日本水道新聞)
      岐阜県は10月14日、土岐市肥田町内の肥田調整池で「技術の継承」研修会を行った。静岡県企業局や愛知県企業庁からも職員が参加した。県営水道は、供用開始30年以上が経過し施設改修や大規模施設の更新を迎えている。しかし、経験豊富な技術職員の大量退職を目前に控え、経営や組織の合理化に伴う外部委託等により、職員が現場で技術を習得する機会が減少。このため事故・災害等に対する初動対応力の低下も懸念される。
     そこで、日常的には行わない管路施設の操作を経験豊富な職員が継承しようと、若手職員を対象に送水管路の水張り訓練を実施した。午後から、瑞浪市釜戸町の東部広域水道事務所に移動し導送水管管理システム研修を受け、同事務所の小水力発電所も見学した。 松葉・岐阜県営水道担当技術課長補佐は、埋設漏水現場の土工事の心得として@漏水現場は段取り八部A掘削は予想外に苦戦B適切な仮設材の準備が肝心C大きめの排水ポンプと発電機が必要D先々を読んだ資機材の手配E管工事(溶接)前に1時間の余裕−を挙げた。

  • 横浜市など・コスモアカデミーを開催、日中露の学生、水学ぶ(10/19日本水道新聞)
      横浜青年会議所、日中友好会館、日露青年交流センター、国際連合大学高等研究所および横浜市は、10月14〜21日まで「コスモアカデミー2009」を開催している。将来を担う日本、中国、ロシアの学生40人を対象に、近代水道発祥の地である横浜で「水」をテーマに環境を考えるセミナーだ。青年会議所の岡部・国家問題検証特別委員会委員長は「水を資源と考えた時、近隣で国土の広い中国やロシアの学生と交流することはおもしろいと思った」と企画の趣旨を説明する。問題解決に必要なパートナーシップを強化し、次世代の環境リーダーを育成することが目的。期間中は水道施設見学や勉強会が行われる。
     15日は横浜市の水源地である山梨県道志村や同市水道局の西谷浄水場を訪れ、水道水がつくられる工程を学んだ。浄水場では鈴木・浄水部浄水係長が各施設を案内した。学生らは熱心に質問したり施設を写真に収めていた。ロシアのウラジオストクから来日した極東国立大学のプロクダ・ナクリアさんは「大学では水の有効利用について学んでいる。日本の浄水システムに関心があったので、今日の体験は将来に生かせそう」と話していた。学生らを引率した同局横浜の水プロモーション担当の村上・チームリーダーは「道志村の水源林で、森林を守ることが水を守り、また洪水を防ぐ機能もあることに学生らは非常に興味を示していたのが印象的」と振り返った。 19日まで市内の北部第二水再生センター、京都の琵琶湖疏水などの見学やグループディスカッションが予定されている。20日はアカデミーで得たことを学生が発表し、これから何をすべきかを宣言する。この日は今回のプログラムを監修した東大の沖教授も参加し、基調講演を行う予定だ。

  • ミツカン水の文化センター・観光資源と水文化について4人の識者が討論(10/19日本水道新聞)
      ミツカン水の文化センターは10月7日、東京・渋谷区の東京ウィメンズプラザで水の文化交流フォーラム2009を開いた。「アクアツーリズム〜これからの観光資源と水文化」をテーマに4人の専門家が講演。講演者によるパネルディスカッションも行った。「水文化は観光の未来を拓くか〜アクアツーリズムと次世代ツーリズム」を問題提起した石森・北大観光学高等研究センター長は、成熟社会における新しいライフスタイルに対応した次世代ツーリズムとして、豊かな水文化を育むグリーンライフ・ツーリズム等を提唱した。
     陣内・法政大建築学科教授は、イタリアでのチッタスロー(スロー都市)の動きを紹介。運河や港などの水辺の何でもないものの再評価を提案。また、東京の水辺の再発見・再評価の取組みについても紹介した。橋爪・大阪府立大21世紀科学研究機構教授は、「水都大阪の再生〜環境先進都市とアクアツーリズム」として、自らがプロデューサーを務め、10月12日まで開催された大阪市のイベント「水都大阪2009」を紹介した。
     「飲める水と生食文化〜旅の歴史と未来」をテーマに講演した神崎・旅の文化研究所所長は、疫病予防で京都の水道がいち早く布設された事例などを紹介しつつ、現代のペットボトル水が井戸水の何千倍ものコストであることにも言及。日本の旅が発展したのは、江戸時代の参勤交代とどこでも飲める安全な水があったからだという。さらに水道の普及とペットボトルの普及により海外旅行も安心して行けるようになったと旅と水の密接な関係性を論じた。

  • 水コン協・7地区目名古屋会場でAM講習会が終了(10/19日本水道新聞)
      全国上下水道コンサルタント協会は同中部支部と共催で10月7日、名古屋市内のレセプションハウス名古屋逓信会館で、水道のアセットマネジメントに関する講習会を開催した。同講習会は全国7支部で開催され、名古屋会場が最後。水道事業体や同協会会員ら約160人が参加した。越智・同支部長は挨拶で、「これまで蓄積された膨大な水道資産を健全な形で次世代に引き継ぐことが、水道事業関係者にとって重要な課題だ。アセットマネジメントはコンサルタントにとっても、新規分野の拡大という点でも関心が高い。この講習会を契機に、より実用的なアセットマネジメント手法の構築を願っている」と強調した。
     この後、山田・厚労省水道課技術係長が「水道事業におけるアセットマネジメントに関する手引き」第T編〜第U編を説明。若松・日水コン名古屋水道部部長が同第V篇〜第W編を説明。松葉・岐阜県水道企業課技術課長補佐が「岐阜県におけるアセットマネジメントの取り組み」について講演した。このうち、松葉課長補佐は県営水道の取り組みとして、技術の継承研修、新規整備事業や維持・修繕等について横断的に取り組んでいることを話した。

  • チーム水道産業・日本・公民連携検討会議が発足(10/15日本水道新聞)
      チーム水道産業・日本は10月9日、日本水道会館で「水道事業公民連携検討会議」の初会合を開いた。「チーム水道産業・日本」は昨年10月に発足。水団連の水道産業戦略会議が同月取りまとめ、水道界の国内市場活性化と海外市場への対応について提言した「水道産業活性化プラン2008」の具体化を図るための実施機関となっている。今回開催された会議は、同チームの活動の一環。平成14年施行の改正水道法により、水道事業の管理体制強化方策の一つとして第三者委託制度が創設されたが、その後、第三者委託をするケースがあまり増加していない現状を踏まえ、チームメンバーの現在の取組み状況を明らかにするとともに、現状の課題について意見交換し、よりよい公民連携のあり方についても探っていく。
     冒頭、水団連の坂本・専務理事が、「第三者委託制度が創設されてから、あまり事例が出てきていない現状がある。この会議では、今後の日本の水道をこれからどうしていくのかについて、日本水道協会のチーム『生命の水道・ニッポン』や経済産業省の水ビジネス推進室などとも連携を取りながら検討し、よりよい形を打ち出していきたい」と挨拶した。続いて、厚生労働省の粕谷・水道課長が挨拶に立ち、「民の立場から公民連携を考えるのは、大変意義深いことだと思う。本日は、各社の意見を聞かせていただき勉強したい」と話した。
     会議では、始めに坂本専務理事と厚労省水道課の熊谷・課長補佐が、水道事業公営化の経緯と第三者委託制度の概要、近年の民間委託の概況などを説明。その後事例紹介として、日水協の「第三者委託制度等に基づく民間委託事例」「業務委託」に関するアンケート結果や、同じく日水協の「水道の安全保障に関する検討会報告書」、それ心ら第三者委託実施状況の説明の後、官民連携の国内外の動向や水ビジネスと国際貢献、企業の民間委託の取組み状況等について、現状や今後の課題の事例紹介や意見交換が行われた。
     チームに参加している各社からは、「資格を持った技術者の確保や育成が今後も課題」「課題を把握しているが、その先のステップにどう進むかについて苦慮している水道事業体が少なからずある」「収益を上げられるようなビジネスモデルが必要」「よりよい公民の関係のあり方について議論が必要」−などの意見が出された。

  • 国際開発学会研究部会・水道分野の国際協力の実例講演(10/15日本水道新聞)
      国際開発学会の国際環境協力研究部会は9月26日、東京・白山の東洋大学白山第二キャンパスで第25回研究部会講演会を開いた。講師に国際厚生事業団の菅原・研修事業部長を招き、同事業団の水道分野の国際協力についての講演を聴いた。菅原氏はまず同事業団の概要や役割を紹介。同事業団は厚生労働省の技術協力実施機関として、国際協力機構(JICA)や世界保健機構(WHO)、国立保健医療科学院などと連携・協力して水道分野の国際協力を行っている。日本のODAは開発途上国での施設整備から施設の維持管理のための人材育成、さらに政策支援へと変遷しているという。
     同事業団の水道分野の国際協力は昭和58年から始まる。開発途上国における水道システムおよび事業運営の向上に焦点を当てた調査・計画・推進のための検討を行い、平成元年からは水道事業運営向上のための水道管理行政研修を開始している。また、12〜14年にかけてはヒ素汚染対策技術援助事業としてセミナーや研修も実施している。菅原氏はWHOと連携した開発途上国の人材開発のための調査を行ったベトナム、カンボジア、フィジー、パラオ等の事例を紹介。また、水道環境プロジェクト計画作成事業でのカンボジア、インドネシア・バリ島、ベトナムでの調査事例についても説明した。水道管理行政研修では、カリキュラム導入の試みとして、日本の得意とする技である「水道規格」「無収水対策」「水の安全性の確保」を取り入れているという。水道規格では日本水道協会の水道事業ガイドラインを、無収水対策ではインド・バンガロールでの成功例を、安全性の確保ではWHOの水安全計画をそれぞれ紹介しているという。
     まとめとして、国際協力での今後対応すべき課題を次の8点挙げた。@貧困対策と地域格差是正A他セクターとの連携B飲料水供給と衛生のパッケージ支援、そのための体制整備C自治体主導の技術協力〜市民レベルからの持続的貢献策の構築Dマルチ・バイ連携によるリソースの相互活用〜国際機関、複数機関との連携E水道事業の民営化との関わりF人材育成への遠隔研修の導入Gプロジェクトフォーメーション調査を活用した今後の案件形成案〜政策支援型技術協力案件の形成

  • 東京都水道局・総合防災訓練を実施、新型震災情報システムが初稼働(10/15日本水道新聞)
      東京都水道局は2日、平成21年度総合防災訓練を行った。職員の防災意識の向上、連絡体制や役割分担などの再認識を図るとともに、同局・各部署の行動マニュアルの実効性を検証する狙い。東京湾北部を震源とするM7.3、最大震度6強を観測する地震が発生。これにより区部東部の金町浄水場、亀戸・水元・蔦西給水所、北鹿浜増庄ポンプ所が全停止するとともに、東西幹線と鹿浜線で漏水が起き、区部東部全域で断減水が発生していると想定し、発災直後の初動体制に関する実働訓練や、新たな震災情報システムを活用した情報連絡訓練などを行った。
     実働訓練には出先機関も参加。今回初めて運営を民間委託した水道歴史館も参加している。営業所などでは、給水拠点への水の運搬や応急給水栓の設置など、応急給水できるまでの作業を実践・確認したほか、無人施設には実際に現地に出向き、被害状況を確認している。水運用センターでは総合防災訓練と同様の想定で、広域水運用訓練を実施。各浄水場や支所から収集した被害情報を基に、他の浄水場の増強や他幹線の運用など、緊急時の水運用について確認した。
     情報伝達訓練には、新たな震災情報システムを活用。収集した情報をシステムに入力し、情報の集約化を図る一方、この情報を基に給水対策本部会議、応急対策会議などでの議論を通じて、対応策を検討・実行していった。尾崎・水道局長は同日午前中、水道歴史館の避難誘導訓練、水運用センターの広域水運用訓練、センターに隣接する首都中枢機関の順天堂病院で水道緊急隊が実施した供給ルート確保訓練、芝給水所の応急給水訓練を視察した。順天堂病院近郊では、病院へのルートで水圧が確保できていないとして、水道緊急隊が配水本管から順次バルブを閉め、病院へのルートを一本化し、水量・水圧を確保した。佐藤・緊急隊長は、「図面を見なくてもバルブ等の場所がわかり対応できるよう訓練を続けていきたい」と意気込んだ。
     芝給水所での訓練には、地元の港区役所や住民も参加、応急給水栓を組み立てて実際に応急給水袋に水を入れたほか、給水所の機能や水道緊急隊の装備について説明。区役所職員が「緊急時に断水発生戸数や解消見込み時間を情報提供してほしい」と求める場面もあった。尾崎管理者は講評で、「今回新たなシステムを初めて使用したが、さまざまな課題も見つかったのではないか。今回の経験を活用し、マニュアルなどの改定に繋げていきたい。こうして繰り返し訓練を行うことで、災害時にも円滑に行動できるよう期待したい」などと呼びかけた。
     また同局は、総合防災訓練で新たな震災情報システムを本格稼働した。平成11年から稼働している旧システムの課題を踏まえ、入力の簡素化を図る一方、職員番号で所属ごとに入力事項を制限し、専門部署による正確な情報の登録を実現。正確・着実に情報を収集する一方、被害状況を施設ごとに地図上に表示するなど"情報の見える化"を図ったことで、正確な利用者対応を可能にしている。費用は約1億3000万円で、受注はみずほ総研。
     旧システムは、閲覧するためにパソコンへ専用のソフトをインストールする必要があり、全局で約170台、各部署に2台しか配置されていなかった。その端末が破損すれば、被害状況などの登録・閲覧ができないことなどから、新システムではウェブ化を図り、局内のイントラネットに接続されている端末なら、アクセスできるよう改良している。入力の簡素化と視認性の向上も実現している。旧システムは、一つの画面に詳細な被害状況などのデータを登録・表示していたが、新システムでは画面を数段階に区分し、前段の画面では被害の有無、対応状況などの最低限の情報のみを表示し、詳細な情報は後段の画面に入力・表示する仕様に改良。詳細情報は前段の画面からワンクリックで表示できる。
     併せて登録された情報を地図上に表示できるほか、地図の拡大・縮小も簡便で、必要な施設情報をすぐに引き出すことができ、全体の状況把握が容易で利用者からの問い合わせにも迅速な対応を可能にした。安全対策も充実。本庁と多摩水道改革推進本部庁舎にサーバーを設置し、二重化を図っているとともに、都庁全体で無電源装置、自家発電設備を設置、非常時にも約72時間分の電源を確保している。データは訓練などの項目ごとに体系化して全て保存されており、いつでも参照可能。2日の総合防災訓練で初めて使用された。今後訓練等での運用を通してさらに改良を加えていく。
     水道緊急隊は2日、総合防災訓練の一環で災害拠点病院に指定されている墨田区の都立墨東病院で、応急給水訓練を行った。訓練では、本部から指示を受けて、同病院へ2tの応急給水車と特別緊急車で急行。作業手順などを確認し、配管を接合した。同病院の容量200立方mの受水槽にホースをつなぎ給水、給水量が足りなかったと想定して、直近の消火栓から受水槽にホースを接続した。応急給水の終了後には、緊急車に搭載しているモバイルパソコンから、写真や状況などを本部に送信した。同病院の担当者は「災害時でも、水は透析などの治療に使うので絶対に必要なもの」と話していた。

  • さいたま市水道局・ラオス・ビエンチャンと職員交流(10/15日本水道新聞)
      さいたま市水道局とラオス・首都ビエンチャン水道局は、平成22年度から2カ年にわたる中堅職員の交流研修を実施する。9月25日に友好プログラムを締結した。さいたま市は4年からJICAの専門家派遣等でラオスへの技術協力を開始、18年から3カ年は草の根技術協力(地域提案型)事業を実施しており、そのファイナルセミナーで、ラオス側から友好関係の継続が要請されていた。
     プログラムでは事務・技術職員を対象に、さいたま市側が研修員の受入れや職員派遣を行い、友好関係をさらに深める。これにより、ラオス側はJICAの専門家派遣、草の根協力を通じて向上した技術の定着を図るととともに、料金徴収や財政計画など事務分野の知見も吸収する。また、さいたま市側は、海外への職員派遣を通じて、企画立案力や状況に応じた指導力を養うなど中堅職員の育成を図る。費用は両局で負担する。9月25日にラオスで行った締結式には、さいたま市水道局から島崎・給水部次長らが出席、首都ビエンチャン水道局長と覚書を交わした。その模様は地元紙にも取り上げられ、注目を集めた。

  • 横浜市水道局・水問題に音楽で貢献、横浜でチャリティコンサート(10/15日本水道新聞)
      イギリスの国際慈善団体「Water Aid」の活動を支援するため、9月26、27日の2日間、横浜市の横浜スタジアムでチャリティコンサート「LIVE for LOVE we support WaterAid」が開かれた。日本初開催。イベントの趣旨に賛同した矢沢永吉さんや氷室京介さんをはじめ、24組の人気歌手が出演、2日間で約6万人が訪れた。イベントの収益の一部はWaterAidに寄付した。
     横浜市水道局もイベントに協力、オリジナルの前掛けをつけたはまっ子どうしを7000本配布したほか、冷やした水道水をリユースカップで2000杯提供。はまっ子どうしの販売も実施し、水のおいしい都市横浜をアピールするとともに、水を通じた国際支援に協力した。冷やした水道水を飲んだ参加者から「これは水道水なの?ミネラルウオーターがおいしいのはイメージなのぬ」などの声が聞かれるなど、PRは奏功していたようだった。WaterAidは、世界の貧しい地域における、安全な水供給、公衆衛生の改善、衛生教育などに取り組む国際的NGO団体。1981年の設立以来、アジア・アフリカの17カ国・1100万人への水供給を改善している。

  • 登米市水道事業所・料金徴収などプロポで公募(10/15日本水道新聞)
      宮城県登米市水道事業所は10月8日、水道料金徴収管理業務を受託する事業者の公募を開始した。選定方式は公募型プロポーザル方式。主な業務内容は、▽窓口▽水道メータの取付け・取り外し▽検針および水道料金等計算▽料金収納および未収金管理▽電算処理−など。委託期間は平成22年4月から27年3月までの5年間で、上限額は6億1900万円(税抜)。参加申込みは11月18日まで、契約の締結は12月18日を予定している。契約締結後から業務開始までの間は引継ぎ・準備期間。費用は受託者の負担。JVでの参加も可能。

  • 水道技研セ・水道サロン・厚労省吉口水質管理官が最近の水道行政で講演(10/15日本水道新聞)
      水道技術研究センターは9月29日、第99回水道サロンを開き、厚生労働省の吉口・水道水質管理官から最近の水道行政について話を聴いた。吉口氏は、水道への信頼度を向上させるために、@「いつでも」+「将来も」安心にA安全性・おいしさを「高め」B利用者・関係者の「理解」「連携」を得る−ことが重要だとして、それぞれの取組みや施策を紹介した。
     @では、災害対策やアセットマネジメント、広域化・連携による基盤の強化などを解説。Aでは、水質基準の見直しや水安全計画の作成について述べた。Bでは、利用者に対して、わかりやすく説得力ある情報が必要だとして、PIの活用、耐震化率などベスト・ワーストの公表、イベントや見学会などの体験型情報、環境負荷を考慮したボトル水道水の活用などを例示した。また、流域関係者に対しても、水道サイドのニーズを的確に発信していく必要があるとした。さらに双方向のコミュケーション(対話)では、「地域水道ビジョン」の作成・レビューに利用者の「声」を反映・フィードバックすべきだとし、流域関係分野間の整合や連携では、今年発足した「チーム水日本」の形成・発展、水循環基本法の制定を目指す水制度改革での議論などが重要となってくると説明した。

  • 水を語る会・塩素消毒とダク鋳鉄管で講演(10/15日本水道新聞)
      水を語る会は9月12日、日本水道会館で講演会を開いた。会員約80人が参加する中、元日水協水質課長の一戸正憲氏が「水道と塩素のはなし」、元クボタ取締役鉄管事業部長の根本行康氏が「ダクタイル鋳鉄管について」と題して講演。近代水道の原点を再確認した。一戸氏は、大正11年の塩素消毒導入から現在までの経緯を紹介。水質悪化に伴う塩素添加量の増大により、「水道界は微生物学的安全を担保するための消毒と、消毒副生物の対応という矛盾する課題への対応を求められている」と指摘。この解決に向け、「基本的消毒と管末の残留作用物質を分けて考えるべきでは」などと述べた。また、GHQにより塩素の基準が定められたことや、米軍のヒンマン中佐が関東地方の技術者に講義し、受講生らが立ち上げた関東水道衛生協議会の一部が、今日の日水協関東支部水質研発に引き継がれているなど、貴重なエピソードを披露した。
     根本氏は、印籠継手の施工の様子を納めたVTRなどを用いて、ダクタイル鋳鉄管・継手の開発史、製造工程や継手形状の変遷を説明しながら、当時のエピソードを披露。十勝沖地震を経験した八戸市水道部幹部のコメントを引き、「八戸市水道の職員と自衛隊200人が4日間で運んだ水は、わずか200立方m。パイプラインによる輸送の重要性を再認識した」ことから、抜けない継手、耐震管の開発に着手したなどと話した。

  • 前原国交大臣が水問題で閣僚委員会の設置を表明(10/8日本水道新聞)
      前原・国士交通大臣は10月5日、都内で開かれた水問題に関するシンポジウムで、諸外国との関係強化では水が武器となるとの考えを示すとともに、水問題が複数の省庁をまたがることに対し、国家戦略局の活用、または個別重要案件に対しては関係閣僚が方針を決める「閣僚委員会」を設置する考えを表明した。
     前原大臣は、国連ミレニアム開発目標(MDGs)を例に、「日本の技術、優秀な人材を世界に広め、水ビジネスでも日本の企業の発展と同時に、世界に貢献していくことが求められていく」と、発展途上国での上下水道需要の高まりを踏まえ、公共事業の政策転換に合わせ、これまでの日本の技術ノウハウの移転を図り、国際貢献につなげていく姿勢を示した。また、「省庁の縦割りを是正するために自民党政権下では『チーム水・日本』という組織を作ったが、民主党政権はどのように取り組むか」との質問に対し、「超党派で、党関係なく取り組むベースがあることは大変重要」と述べ、省庁間をまたぐ問題については新政権が立ち上げた国家戦略局および閣僚委員会の活用の可能性を示唆し、「水問題に係る閣僚委員会を立ち上げ議論し、前に動かしていきたい」と、政府としても水問題に積極的に取り組む考えを示した。

  • 日水協認証制度運営委・契約・登録とも減少、自社検査が増加(10/5日本水道新聞)
      日本水道協会は9月29日、第25回認証制度運営委員会を開き、7期の正副委員長の選任、平成20年度決算、22年度予算を審議、了承した。冒頭、挨拶で御園・専務理事が認証業務の実施状況について触れ、「資機材や薬品は横ばいだが、経済環境の悪化や住宅着工件数の減少から契約者数、登録件数は減少傾向が続いている。忌憚のない意見を出していただき認証業務のさらなる充実と問題の打開を図っていきたい」と述べた。  決算・予算の議案に先立ち認証業務の実績および21年度見込みが報告された。20年度は契約者数・登録件数とも減少しているが、検査方式別では自社検査方式は増加している。登録維持料は19年度まで横ばい状態だったが、20年度は前年度比98.2%の720万円の減。事業収入は新規登録が低調であること、ロット検査が減少したことなどから前年度比約2%の約1600万円減少した。21年度の収入見込みは、景気の低迷により給水用具の需要が落ち込んでおり、当面の間その回復が厳しい状況で、ロット検査の減少が予想されることなどから、前年度を下回るものと予想している。 なお、21年度8月31日現在の契約者数は452、登録件数は2039。このうち検査方式別では自社検査方式が315、ロット検査方式が1724となっている。このほか、20年度の試買検査結果も報告された。呼び径20mmの定水位弁5品を対象に実施。このうち1検体がコンディショニング後の試験で「鉛およびその化合物」の基準値を超え不適合となったが、水道水20立方m通水後に厚生省告示に定める試験方法(16時間滞留)で確認したところ基準値以下となった。

  • 韓国ソウルで国際シンポ開催(10/5日本水道新聞)
      韓国環境省は9月15日、ソウル市COEX国際会議場で第2回統合水ネットワークシステム国際シンポジウムを開いた。日本から水道技術研究センター(JWRC)の谷口・技術顧問が.「日本における経年水道管の更新」をテーマに講演した。同シンポジウムは韓国のKウォーター、韓国水道協会(KWWA)等が協賛・後援して昨年から水をテーマに始まったもの。今回のテーマは「水道管路システムの総合管理技術」で、シンポジウムはじめにはKウォーターの総裁や環境大臣が挨拶した。  谷口氏は日本の経年管の現状や更新の施策などを説明しながら、NeW Epochプロジェクトの概要などを紹介した。講演後、会場から漏水防止で大事な点は何か、塩ビ管は問題ないか、なぜポリエチレン管を使わないのかといった質問が寄せられた。このほか5カ国の講演者が次のテーマで講演した。  ▽安全な水道水供給と環境を配慮した水道事業の展開=韓国▽水道管網内の水質監視とその管理/配水システム管理とシステム更新リスク=アメリカ▽フランスの水道事業の概要とヴェオリアウォーターの活動=フランス▽UKにおける漏水防止とケーススタディ=イギリス▽水道主要施設更新管理=カナダ

  • 羽生市水道課・ボトル水「はにゅう水」を発売(10/5日本水道新聞)
      羽生市水道課は8月21日、ペットボトル水「はにゅう水」を製造、販売を開始した。市制施行55周年に併せて安全安心な水をPRするとともに、災害時の備蓄水として活用する。500mL入りで1本100円(税込み)。道の駅やジャスコ羽生店などで販売するほか、市のイベントでの配布も検討している。
     地下230mから汲み上げた地下水を同市の第1浄水場で処理、加熱殺菌してボトルに詰めた。同市の水は硬度154mg/Lと高く、ミネラル分も豊富に含まれているという。ラベルデザインは市の職員で構成されるグッズ検討委員会が考案。市のイメージキャラクターの「ムジナもんファミリー」を採用した。同課では「『はにゅう水』を通して、今後も羽生市の水道水の安全と安心とおいしさをPRしていく」と話している。

  • 水団連・第2回首都圏水循環検討委員会を開催(10/1日本水道新聞)
      日本水道工業団体連合会は9月30日、「第2回首都圏水循環検討委員会」を開き、委員およびオブザーバーら約100人が出席した。同委員会では、首都圏における水道システムの温室効果ガスの10%削減を目標に、低炭素化社会構築の視点で調査・研究事業を実施。3つの分科会を設けて討議している。今回は、前回の委員会での提案・意見に対する対応方針の披露、現段階における検討資料の発表、事前に委員から募集したアンケートを交えた自由討論が行われた。水道で使用するエネルギーの最適化に関しては、導・送・配水エネルギーを始め、さまざまなアイデアが水道関係者のみならず下水・河川・農水関係者より提案された。第3回委員会は12月下旬開催の予定。
     冒頭挨拶した水団連の坂本・専務理事は、「本日は、事前に委員の皆さまからいただいたアンケートに補足的なお話を加え、討議を行う。50年後の未来像について、従来の方法にとらわれない大胆な発想についてもご提言を」と話し、さまざまな角度からの議論を求めた。委員会では始めに、第1回委員会で出た提案・意見等について事務局の対応方針を提示。続いて、3つの分科会から、現時点でのシミュレーションモデルおよび現況の再現結果、エネルギー最適化に向けての方策案が示された。首都圏の将来水需要予測の前提となる設定としては、中間年を2020年、目標年を2050年に置き、平成17年度水道統計の原単位を用いて水量を設定。現在と将来の人口は、人口問題研究所の推計値を用いた。
     分科会@では、水源の調整や取水地点の変更等により、温室効果ガス排出量が少なくなる水道システム(エネルギーコスト最適化案)を検討。規模の多い水道事業体を対象にシミュレーションを実施したところ、現況再現モデルと電力使用量の実績値が近づき、誤差率が少なくなったことから、今後もこのモデルに基づいたシミュレーションを実施する。分科会Aでは、浄水場の位置の変更、効率的管理について検討。管理の効率化に関しては、水輸送、浄水処理、それから発電やエネルギー回収に関する既存技術・新技術の整理を行っており、今後CO2削減効果の検討を行う。分科会Bでは、各種の代替水資源の利用に関して、使用エネルギーを試算し、分科会@Aでの水道における効率化との比較も実施し、トータルでのCO2削減の可能性を探る。委員会では、「渇水時の希釈水量の考慮を」「水道事業者は電力の大口使用者でもあり、マネジメントによる使用量低減も可能ではないか」「ペットボトル水の水道水への切り替えによる効果は」等さまざまな意見が出された。

  • 経産省副大臣らが金町浄水場の太陽光発電を視察(10/1日本水道新聞)
      経済産業省の増子輝彦副大臣と高橋千秋政務官らは9月29日、東京都水道局金町浄水場の太陽光発電施設を視察した。平成21年度補正予算を見直す一環で増子副大臣らは同浄水場以外にも、太陽光発電政府補助事業の現場を数カ所訪問している。視察の結果も踏まえ、見直しの検討を進める。
     同浄水場はろ過他の覆がい上部に太陽光発電設備(800kw)を設置し、自然エネルギーを有効利用している。尾崎・公営企業管理者水道局長は発電設備の仕組みを説明する中で、「発電単価が高い」と課題を指摘し「補助率が下がればもっと厳しくなる」と理解を求めた。増子副大臣は電池パネルのメーカーや吸収率など、熱心に質問していた。
     視察を終えた増子副大臣は「CO2はどんどん減らすべきだ。百聞は一見にしかず、現場を見て参考になった」と満足そうだった。尾崎管理者は「今度はぜひ他の施設も視察してほしい」と要請した。鳩山首相は各閣僚に対して、10月2日までに補正予算見直しの検討結果を報告するよう指示している。

  • 吹田市水道部・地域ビジョンを策定(10/1日本水道新聞)
      吹田市水道部は、平成32年度を目標年度とする「すいすいビジョン2020(案)」を作成、9月30日までパブリックコメントを募集した。今後、寄せられた意見を集約し、11月に策定する予定。現在、事業を進めている中期経営計画(18〜21年度)よりも長期的な展望を示すため、新たなビジョンの計画期間は22〜32年度の11年間に設定した。
     新たなビジョンでは、PIなどを用いた現状分析を行うとともに、施設・管路の耐震化の推進、お客さまサービスの充実など、中長期的な事業の方向性を示している。具体的な管理目標などは、3期に分けたアクションプランで設定する。22〜25年度までの第1期アクションプラン(仮称)は、来年1月に策定する予定。
     基本理念には「地域の水道として、お客さまとともに、安定した安心・安全の水道」を掲げた。理念の実現のため、@安全でおいしい水の供給A安定した水道システムの確立Bお客さまへのサービスの充実Cお客さまとともに守りはぐくむ「地域の水道」D環境に配慮した事業の推進E将来にわたり安定した経営基盤の構築−の6つの基本方針を設定。
     基本方針を柱に、水安全計画の策定や約2万6600件残存している鉛製給水管の解消、施設や管路の耐震化・更新などを進めていく。料金については、当面、現行の料金を維持していくが、長期的な収支の均衡を図るため、料金体系や料金水準のあり方を検討していく。技術の継承にも対応。今後10年間で職員の約1/3が定年退職を迎えることを踏まえ、業務マニュアルの整備を進めるとともに、エキスパート制度やナレッジマネジメントの導入などを検討する。

  • 東京都水道局・21年度研究開発報告会を開催(10/1日本水道新聞)
      東京都水道局は9月29日、研修・開発センターで平成21年度研究開発報告会を開いた。学識者による同局のデータを用いた専門的な分析結果に加え、現場の抱える課題解決に向けた新製品・技術が被露された。報告終了後の質疑では、他事業体の参加者も交え、熱のこもった議論が展開され、局内外への情報発信の場として、また現場と開発の情報交換の場として有効に機能していた。
     報告会では、同局の担当者らが昨年度までに実施した研究開発や技術開発検討委員会分科会の活動内容などを報告したほか、首都大学東京大学院の小泉教授らが、同局との共同研究の成果などを報告。小泉教授は、最近の水道技術動向と東京都連携プロジェクトをテーマに講演。平成16年の水道ビジョン策定から今年のアセットマネジメントの手引き作成まで、近年の水道の動向を紹介するとともに、Epochから続く、水道技術研究センターの管路関連の研究開発プロジェクトの成果などを記明したほか、東京都連携プロジェクトの概要を話した。
     稲員とよの教授は、送配水過程における残留塩素濃度変化の推定モデルを紹介。複数の浄水場からの浄水が送配水過程で混合する合流点や大口径送水管路、配水区域における残留塩素濃度に関する考察結果を説明した。荒井康裕助教は、エネルギー面も考慮した最適な水運用の構築に向け、送配水ネットワークにおける電力使用量の削減に注目し、各施設の関係をモデル化した上で、線形計画法(LP)により解析を実施。その結果、配水池への送水量を大幅に減少させることで、現行の電力使用量を15%削減できることなどを話した。横山勝英准教授は、小河内貯水池における洪水時の濁質発生と湖内流動特性について貌明した。研究開発の報告は7題。
    <不断水管内調査ロボ  同センター開発課の植竹俊雄氏は、口径400mm以上の管路を不断水で調査できるロボットについて報告。試作機により、75mmの空気弁から挿入が可能であるとともに、画像処理と寸法の測定を容易にするなどの成果を確認しており、今後実用機の作成に着手するという。
    <管内の爽雑物除去> 同課の太田政彦氏は、送配水管路の効率的な爽雑物の排出に向け、ナイロン樹脂製のパラシュートにより、通水断面積を1/4程度まで狭めることで、流速を4倍程度に拡大する技術について報告。通常の排水に比ベ10倍程度の爽雑物を除去可能で、流量が確保できていれば、今回の実験に用いた排水装置のみの設置でも、爽雑物回収に効果があると紹介。管内の残留については、管内に4cm程度の障害物で停止する可能性はあるものの、逆流により100%回収であるなどと話した。
    <新型メータの開発> 同課の松島聡氏は、新型メータの開発について報告。メータ本体と中間金具とを分離型構造にするとともに、中間金具に止水ユニットを内蔵することで、不断水でのメータ本体と逆止弁の更新を実現。併せてメータ交換冶具の開発に、より、簡便なメータ交換を可能にしたという。 <モパイル型検針の導入> 同課の村上仁氏は、モバイル型検針の導入に向け、都内90件の実フィールドで行った実証実験について報告。実験により距離や無線子機の設置箇所・環境などの条件を変更することで、通信成功率90%(電界強度レベル6)以上を達成し、通信の信頼性やモバイル検針の優位性が確認できたことから、来年度からの本格導入に向け、設置マニュアルと機器仕様書を作成したことなどを話した。
    <オゾン接触池のコンクリート劣化予測> 同課の岡田佳久氏は、金町・朝霞・三園浄水場のオゾン接触池におけるコンクリート壁面の劣化予測調査について報告。既往の調査結果を用いて、金町浄水場・オゾン接触池のコンクリートの中性化探さの推移を予測。気中でのコンクリートの中性化速度は80年間で約28mmだが、金町のオゾン接触他のコンクリート厚は100mm以上あるのに加え、金町の経年劣化は気中のコンクリートの中性化速度よりも遅いため、使用期間を80年にしたとしても問題ないなどとした。
    <トリクロラミン自動測定装置> 水質センター企画調査課の村田貴代子氏は、トリクロラミン自動測定装置の開発について報告。昨年度までに試作した浄水場に設置可能な屋内型測定装置、給水栓水などの多試料の連続測定が可能なラボタイブの卓上型装置について、これまでに明らかになった課題を改善するとともに、精度を確認。その結果、変動係数10%以下、定量下限値0.02mg/Lと、手分析によるDPD吸光光度法と同程度の成果を達成し、実施設での使用が可能だと確認している。
     今井・建設部長は講評で、「実施部門が開発の目的を明確にするとともに、途中の成果にも関心を持って積極的に関わっていくことが、短期間で成果を出す研究開発に繋がるのでは」と現場と開発部門の連携を強化するよう求めた。尾崎・水道局長は結びの挨拶で、「われわれの保有するデータに学術的な分析を加えることで、単独では気付かない部分に光が当たっている。今後もお互いに連携して研究開発に努め、開発部門も世界を引っ張っていってもらいたい」と強調。小泉教授も、「理念と実務の両面から都民の生活を支える東京水道を安全・安定・安心・持続できるよう目指していきたい。研究はやればやるほど新たな課題が見付かる。研究には限界がない。今後も継続していきたい」と力を込めた。

  • 岩手紫波地区協・リスク制御で講演会(10/1日本水道新聞)
      岩手紫波地区水道事業協議会は、日本上下水道設計経営工学研究所の山口岳夫氏を招き、「水道事業におけるリスクとその制御〜官民で異なるリスクの定義を超えて最適なリスク制御を行うために〜」をテーマに講演会を開いた。山口氏は、水道におけるリスクが顕在化した事例などを挙げながら、それらを制御する方法について話した。
     山口氏は、リスクの考え方に公共と民間でずれがあり、公共のリスクマネジメントは不確実性の定量化が目的である一方、民間は失敗の回避が目的であり、リスクマネジメントの目的にも差異があると指摘。水道はある意味で民活化が進んでいるものの、公的視点が優先されその良さを活かしきれていない点もあるとして、第三者委託から民間主導の官民連携まで、複数のモデルを提示し、単純業務やオペレーションは、適正や市場に応じて官民いずれかが担うべきだと述べた。
     リスクが制御された水道の作り方についても言及。発生し得るリスクを勘案した上で、自らの水道事業のポリシーに基づき優先順位を定めたリスク対応方針を決定したのち、その実現に向けた具体戦略を策定。戦略に基づき組織の構築、投資の実行を行うととをに.組織や投資が有効に働くような組織学習を推進する。組織学習に加え、リスクに関する情報を発信し、ステークホルダー間の意思疎通を確立するリスクコミュニケーションを実施する必要があると強調。リスク情報を正しく伝えるためには、専門家による平易な情報発信、中立性、常時の情報提供を実施する。
     こうした取組みを通じて、リスク低減対策とそれに伴う費用など、さまざまなトレードオフを理解した上で、リスクの保有水準をきめる「パブリックアクセプタンス」が形成されていくなどと述べた。組織学習とリスクコミュニケーションを通じて、次のポリシーが形成され、より良いリスク対応が可能になるという。講演の翌日には、地域水道ビジョンの策定に向け、矢巾町上下水道課が進めている水道サポーターのワークショップに参加、住民と二人三脚でビジョンを策定する様子を見学した。

  • 水コン協・水道のAM講習会を開催、矢巾町の実践紹介(10/1日本水道新聞)
      全国上下水道コンサルタント協会は9月16日、仙台市青葉区のフォレスト仙台で「水道のアセットマネジメントに関する講習会(仙台会場)」を開催し、水道事業体・コンサルタント等から約110人が参加した。当日は、7月に厚生労働省水道課が発表した「水道事業におけるアセットマネジメント(資産管理)に関する手引き」について、同課の山田・技術係長と日水コン東部水道事業部東北水道部の清野・部長(厚生労働省検討委員会受託者)が同手引きの意図や目的、使用方法等について講義(8月31日号関連記事)。
     続いて、「持続可能な水道を実現するためにー小規模水道事業におけるアセットマネジメントの実践‥矢巾町を例として−」と題して、岩手県矢巾町上下水道課の吉岡・主任主事が講義。吉岡氏は、給水人口や需要がピークを過ぎ今後減少に入る局面において、今後の見込みを誤ると致命的な結果を招く可能性があることが、矢巾町における持続可能な水道の実現への取組みの動機と紹介。その実践に際しては、まず業務棚卸により可視化した政策体系を持続的に展開していくに足りる資産の状態なのかデータを一元化して確認することで課題を抽出。さらに、持続可能な水道像について、技術系職員と事務系職員がともに討論し、イメージを共有できるように努めたという。
     持続可能な水道の「あるべき姿」を模索する中で、現在の水道の状態から将来を考える「フォアキャスト」では行き詰まり、将来から現在を考える「バックキャスト」的手法へとシフト。そのあるべき姿は地域水道ビジョン「My水道やはば」として位置づけ、それを実現するために長期基本計画、中期基本計画、経営計画といった基本計画群を柱として、マネジメントサイクルを運用していく。その実践サイクルのエンジンとなるのが、アセットマネジメントと密着させた政策財務等となる。また、アセットマネジメントをより日常化するために取り組み状況を職員間で共有する機会を明確にする必要があるともしている。
     同町では、アセットマネジメントは、地域水道ビジョンについて住民から具体的な理解を得るための実践サイクルに欠かせない手段としている。そのため、JW-AMSで作成した今後の資産健全度についてもそのまま広報するということはせず、住民との情報共有化と合意形成を重視。例えば、「水道サポーター」との間でJW-AMSで作成した資料で議論するなどして、事業体と需要者の双方が成長しようという姿勢を採っている。さらに吉岡氏は、今後の更新・維持管理について定量化しづらいリスクや不確実性とのつきあい方が肝要とし、そのためにまずは最悪のシナリオを作るとともに、他の角度から複数のシナリオを考慮していくことが有効であり、JW-AMSの活用はそれに役立つものとした。

  • 東京都水道局・水道歴史館の来館者40万人達成(10/1日本水道新聞)
      平成7年から、東京水道の歴史と水道局の取組みを、豊富な展示でPRしてきた水道歴史館の来館者が40万人を達成。東京都水道局は9月29日、40万人達成を記念して同館で式典を開いた。40万人の該当者は、団体見学に釆た大田区立調布大塚小学校の4年生53人。式典では、児童代表によるくす玉割りや、記念写真の撮影のほか、全員に対して記念品が贈呈された。式典には、水道局のマスコットキャラクヤター「水滴くん」も登場。小学生から歓声が上がり、水滴くんの認知度の高さが伺われた。

  • 丹保・北大名誉教授の受章祝賀会が開催(10/1日本水道新聞)
      春の叙勲で瑞宝大綬章を受章した丹保憲仁北海道大学名誉教授(第15代総長)の受章祝賀会が9月14日、東京・市ヶ谷のグランドヒル市ヶ谷で盛大に開かれた。北大の門下生をはじめ、上下水道界から150人以上が駆けつけた。祝辞に立った御園・日水協専務理事は「22世紀の水道を見つめながら都市水代謝という概念をいち早く取り入れられ、われわれに上下水道の先端技術を指し示していただいた。こうしたリーダーである先生の受章は水道界全体の菩び」と業績を称えた。
     粕谷・厚労省水道課長は「MAC21プロジェクトの時にご指導いただき、水機構に出向した時も多くのダムを視察していただき、ひと言一言に感銘を受けた。水道だけでなく水全般に詳しい、まさに水の世界の巨人。今、水の安全保障戦略機構の座長をされており最後のご奉公などと言われるが、まだまだご健康でわれわれを指導してほしい」と述べ敬意を表した。
     丹保氏はスライドを見せながら勲章そのものの説明や受章式の様子を語った後、「プロの研究者としては総長や学長を務めていた12年間は失われた12年。これを取り戻すためにもこれから大学院向けに私しか書けない水処理の原論を書いてみたい。それまではなんとしてもがんばりたい」と今後の展望を語った。藤原・水道技研セ理事長の音頭により乾杯。参加者は和やかに歓談しながら喜びを分かち合った。

  • 水道技研セ・神戸シンポ実行委が解散(10/1日本水道新聞)
      水道技術研究センターの第8回水道技術国際シンポジウム(神戸)第4回実行委が9月30日開かれた。今年6月に神戸市で開かれた同シンポジウムの開催結果が報告され、「内容が幅広く、充実し、有意義な成果が得られた」との評価で一致。平成24年度の冬季に予定される次回の横浜開催への期待を高めて実行委を解散した。
     副委員長の安原・神戸市水道事業管理者は「金融恐慌による急激な景気悪化、新型インフルエンザの勃発でだいぶ心配したが、元気な神戸を発信でき、成功裡に開催できた。水道施設の大量更新が迫る時代にふさわしいテーマが設定され、意義のある情報が得られた」とし、横浜開催にエールを送った。海外16カ国からを含め748人が参加。展示会来場は7900人に達した。全体収支は780万円不足。開催意義に照らし、せめて収支均衡が望まれよう。

  • 水コン協・関西以西で改正独禁法の講習会(10/1日本水道新聞)
      全国上下水道コンサルタント協会の本部倫理委員会と同協会関西支部共催の平成21年度コンプライアンスに関する講習会が9月29日午後、大阪市中央区の大阪府建築健保会館会議室で開かれた。講師は岩下圭一弁護士(小林・藤堂法律特許事務所)。関西、中四国、九州地区の協会会員ら55名が聴講した。岩下講師は平成18年1月施行の改正独占禁止法の運用状況と21年6月に成立した同法の骨子である課徴金範囲の拡大(排除型私的独占、不当廉売)、課徴金の割り増し、課徴金減免制度の拡充、不当な取引制限などの罪に対する懲役刑の引き上げなどについて解説した。